雪の中、ランスロット


・・・汝、我に何を誓う?
           



世界は卵の中だった・・・
僕らは子供で
生まれ育った港町が世界の全て・・・
小さな小さな世界だった。

近くの宿屋に泥棒が入ったとか、
何処そこの旦那が浮気して素っ裸で家から放り出されたとか、
そんな大人たちの噂話の中に
ガルガスタンやバグラムのこともあったけど
僕らは気にする事も無く、
本当にささやかに生きていたんだ・・・。




けれど、あの雪の夜

ロスローリアンの剣によって
卵は叩き割られ
粉々に砕け散る!

凍える街に火が放たれて殺戮の一夜が始まった。

虫けらのように殺されていった肉親
隣人、同胞たち・・・

ヴァイスが叫ぶ
「俺たちが何をした!?」

何故・・・?
どうして・・・?



流した血と 失われた命と
怒りと悲しみと憎しみを背負い

僕らは”世界”の外を知るのだ。


支配と抑圧・・・

正義の仮面を被った負の欲望・・・

血塗られたヴァレリアの民族の歴史・・・

NEXT