停雲(ていうん) (第3節)
東園(とうえん)()
枝条(しじょう) 再び栄え
(きそ)いて新好(しんこう)を用いて
()って()が情を(まね)
人も()た言える有り
日月(じつげつ) (ここ)()く」と
(いず)んぞ席を(うなが)して
()平生(へいぜい)を説くことを得ん



大意
庭の東側の木々は今年も枝を十分に伸ばし、美しい風景を競い合って、私に向かって誘いかけてくる。
先人も言っている、「月日はずんずん過ぎてゆく」と。
ああ、できる事なら友と敷物を寄せ合って、若かりし日の事を語り合いたいものだが… 




ここで 「東園の木」 とはどんな木でしょうか
陶 淵明は、4世紀後半から5世紀前半の中国の詩人です。
現在の社会、自然、環境とはずいぶん違うと思います。
古典の解析や考古学の進歩によってほぼ真実が解明されていることも数多くあると思います。
さて、この詩の題 「停雲」 ですが、40歳ぐらいの時の作品と推定されています。序文に親友をおもう詩である。と書いてあります。
拙い想像力を馳せるとたぶん 「梅」 の木でしょう。
春に「競いて新好を用いて」伸ばす木は「梅」を思い浮かべます。
このあと小鳥が枝にとまり、美しい声で鳴くのを書いています。
鳥は、「うぐいす」 でしょうか。



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