詩−唄う蛙(かえる)たちの詩
(Poem of singing FROGS)

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エルニーニョの館の猫。 アタシは【エルニーニョの館】に居候して居る番猫のフニャーですけど、「唄う蛙(かえる)たち」さん、君たちは「エデンの蛇(The SERPENT in Eden)」に狙われて居るわよ!


    (かえる)よ、平和の主よ カエル君。

 ゲコゲコゲゲゲェ〜 (グワグワッ)
  ゲコゲコゲゲゲェ〜 (ケロケロッ)

 蛙くん、こんばんは
 よく鳴くねぇ もう晩ご飯は食べたかい?
  ああ、目の前を飛んでいるあの虫を食べているのか
 しかし煩いね、少し
  なに、合唱しているんだって?
  それなら発声練習した方がいいよ 腹式呼吸ってやつさ
  呼吸法は得意なはずさ
 ゲコゲコゲゲゲェ〜 (ケロケロッ)

 君たちの祖先こそ、遠い昔に
  初めて陸へ上がったんじゃないか?
  まだ腹を地面に引きずりながら 這うように歩いたのさ
  あのイクチオステガ(※1)こそ 栄えある陸の先駆者さ
 我々にんげんだって 君たちの末裔さ
  にんげんは移り気だから 次々と姿を変えて行ったけど
  君たちは ず〜っと昔の姿のままなのさ
 ムツゴローを知ってるかい?
  あれは君たちの落ちこぼれさ 呼吸法が続かなくて
  また海へ 戻って行ったのさ
 ゲコゲコゲゲゲェ〜 (ケロケロッ)

 しかし、そんなに鳴いたらにすぐ見付かるぞ
  なに、蛇から身を護るために
   皆で唄っているんだって?
 おお 平和の主よ
  君たちは 無抵抗で
   歌を唄って身を護るのかい!
  陸へ上がってすぐに
   戦うことを止めたと言うのかい!
  そうやってずっと 月に向かって
   平和の祈りを 唄い続けて来たと言うのかい!

 それなら なおさら発声練習だよ
  心に響く 月にもとどく 澄んだ声にしなくっちゃ
  そう カジカ(※2)のようにね
 ゲコゲコゲゲゲェ〜 (ケロケロッ)

 どうだい、ジャンプをしてごらんよ!
 ゲコゲコゲゲゲェ〜 (グワグワッ)
  ゲコゲコゲゲゲェ〜 (ケロケロッ)

            
月海(02年12月08日作)

 

【脚注】
図1:イクチオステガ。※1:イクチオステガ(Ichthyostega[ラ])とは、最も初期の両生類の一古生代デボン紀後期に生息。頭骨は未だ魚類的だが、四肢と太い肋骨を持つ点で両生類。体長約1m。
 右がイクチオステガの想像図。陸上に進出した最初の動物は両生類(=脊椎動物の一綱)でデボン紀後期に出現(約3億8千万年前)。それが迷歯類と言われる最古の両生類イクチオステガで、その化石はグリーンランドの岩石中から発見されて居る。未だ完全には陸化して無く、体表はで覆われ尾は魚の尾鰭(おびれ)に似て、水辺の湿地帯で魚を捕食して生息、腹部を地面に擦り付ける様に歩行した。体長約1m。
 補足すると、両生類は次の石炭紀(この時期は地球は温かかった)に北極地方で様々な種類に分化し発達した。従ってイクチオステガが系統的にカエルの遠い祖先と成る。次のペルム紀には地球は暑く乾燥が進んだので、乾燥に弱い両生類に代わって乾燥に強い爬虫類が出現(ペルム紀)、やがて哺乳類型爬虫類の時代(ペルム紀後期)を経て恐竜の時代(三畳紀〜白亜紀)を迎える。<出典:一部『ジュニア自然図鑑8 恐竜と古代生物』(小畠郁生監修・著、実業之日本社)より>

※2:カジカとは、河鹿蛙(かじかがえる、Japanese riverfrog)のこと。カエルの一種。谷川の岩間に棲む。体色は暗褐色で四肢の各指端に吸盤が有る。雄は美声を発するので飼養される。河鹿(かじか)。

    (以上、出典は主に広辞苑です)


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