■新たな侵入手口「焼き破り」とは?
「ピッキング」や「サムターン回し」という手口による侵入窃盗被害よりも、さらに新たな手口として「焼き破り」による被害が多発するようになってきました。

「焼き破り」とは、窓の錠の周囲のガラスを強力ライターやバーナーなどで焼いて割れやすくなったところを割ったり、加熱後に水を吹きかけてヒビを入れて割るなどして窓ガラスを破りカギを開けて、侵入して窃盗を働くというものです。ガラスは火に弱く、破壊時の音がほとんどしないため、気づかれにくいのです。

〜「焼き破り」による被害〜
 埼玉県内では4月18日に、杉戸町下高野の住宅街で同様の被害が6件相次ぎ、計約22万円の被害がありました。「焼き破り」による被害は昨年7月に初めて確認され、昨年末までに70件。今年は3月末で166件に上っています。

埼玉県警はライターなどで窓ガラスを熱し、ひびを入れて破る「焼き破り」の手口で民家から現金を盗んだとして、日本人1人と自称中国人2人を窃盗容疑で逮捕した。3人は3月、埼玉県越谷市の民家1階の窓ガラスを火力の強いライターのようなもので熱して破り、鍵を開けて侵入、現金十数万円などを盗んだ疑いがもたれている。
 埼玉県警によると、埼玉県で「焼き破り」による被害は269件(4月末現在)発生している。この3人は少なくとも50件、被害額計1000万円以上の犯行を重ねていたとして追求している。
 「焼き破り」は特殊な工具や技術を必要とせず、ガラスを破る音も小さいため気付かれにくい。ライターを持っているだけでは怪しまれないことから、「ピッキング」「サムターン回し」に代わる侵入盗の手口として急増している。

(平成15年5月15日/読売新聞)



「ピッキング」「サムターン回し」に比べると
▲高度な技術がいらない
▲犯行の音が小さく気づかれない
▲ライターを持っていても怪しまれない
▲「ピッキング対策」をする住宅が増えてきた
ことなどが理由としてあげられています。





■対策はあるのか?■
それではどうしたらいいのでしょうか?

侵入窃盗犯は侵入に時間がかかると侵入をあきらめると言われています。
【侵入をあきらめる時間】(警視庁資料より)
  5分以内 58%
  5分を超え10分以内 20%
 10分を超え15分以内 13%

つまり、基本はシンプルです。
“侵入に時間がかかるように対策を施すこと”が重要なポイントなのです。少なくとも10分、できれば15分以上の時間がかかるようにするとよいでしょう。もちろん、どれだけ時間をかけても開けられないドアや窓が望ましいことは言うまでもありません。

■犯人は音と光を嫌う!■
「ピッキング」「サムターン回し」「焼き破り」「ガラス破り」など『玄関や窓などの侵入口のカギや、カギの周囲を壊されてカギを開けられて侵入される』のですから、時間をかけたりすれば(かけるまでもなく開いてしまえば)結局、入られてしまうのであれば、どの手口であろうと同じです。

そこで、重要なのは“ドアや窓に接近させないこと”と“ドアのカギを開けられたり、窓ガラスを破られたとしても犯人の侵入を防ぐ”ことです。

これには、センサーなどでドアや窓に近づく犯人の存在を関知して、強烈な照明が点灯する装置とか、警報が鳴る装置、あるいは侵入しようと窓やドアを開けると音が鳴る「警報装置」を設置できるといいでしょう。
シャーターが設置できれば、もっといいです。