中古住宅に新保険

 政府は中古住宅の売買を活発にする為、来年度にも新しい保険制度をつくる検討に入った。保険に加入すると、買ってから5年以内に雨漏りなどの欠陥が見つかれば、かかった補修費を最高1千万円まで支払う。

 保険を普及させ、中古住宅の品質への不安を和らげる。良質な中古住宅の流通を促して住宅購入で新築以外の選択肢を広げ、住環境の改善につなげる。

 耐震偽装事件を受け、政府は10月から新築住宅の売主に保険加入(供託でも可) を義務付ける。新保険は加入が任意な点は異なるが、その中古版といえる。

 具体的には、不動産会社などの中古住宅の売主が保険に加入する。国土交通省が指定する「住宅瑕疵(かし)担保責任保険法人」が中古住宅の品質を検査したうえで保険を引き受ける。

 保険に加入すると、住宅の引渡しから5年以内に雨漏りや床の傾きなどが見つかれば、飼い主が売主に補修工事を要求できる。売主は掛かった補修費の8割、上限1千万円まで保険金を受け取れる。

仮に売主が経営破たんした場合、買主は保険金を直接請求できる。保険料は検査料を含め10万〜15万円になると見られる。

 売主が個人の場合は「欠陥の補修責任を負わせるのは難しい」との指摘がある。このため、保険法人が検査を委託した住宅検査会社に責任を負わせる案などがある。

 保険に加入出来るのは耐震基準が厳しくなった1981年以降の一戸建てやマンション。それ以前の物件が保険に入るには、耐震診断に合格する必要がある。 

 国交省によると住宅販売全体に占める中古住宅の比率は、米国や英国が70〜90%なのに対して日本は13%にとどまっている。社会資本としての住宅の超寿命化を図る狙う政策である。