とりあえず物納

皆さんご存知のとうり相続税は、相続発生から10ヶ月以内に金銭で一括納付する事に原則となっています。
考えてみるとその間に、葬儀や49日の法要等の法事、相続財産の確定・評価、そして相続人間での遺産分割協議書などすませなければならないなんて大変です。

特に資産家の場合は、その間に多額の納税資金を準備することは容易な事ではないようです。
資産家は、土地は持っていますが現金を持っている方が少ないからです。

これまでは、相続税の申告期限にとりあえず「物納しますと」申請書を提出して、申告期限後に納税資金をどうするかを考える、いわば時間稼ぎが出来ました。
これを専門家は「とりあえず物納」と呼んでいました。

しかし、18年税制改正によって、これは出来なくなりました。
従来の物納制度では、所有資産が物納に適するのかを判断する難しかったのですが、今回の改正では「物納不適格財産」分かりやすくいうと、売りづらい土地という所でしょうかと、「物納劣後財産」分かりやすくいうと、努力すれば売れる土地といいますかという様に、定められ範囲が明確になりました。

物納申請された財産が不適格財産にあたる場合や劣後財産にあたり他に適格財産を所有している場合には、申請は却下されます。
却下された場合は、その却下から20日以内に一度に限り再申請することが出来ます。

これまでみたいに何度もということではなく、敗者復活戦は一度きりです。
それも却下されれば、金銭納付が確定してしまいます。

物納申請時の提出書類も、不動産の場合には登記簿・測量図・境界確認書等が必要となりました。
物納を考えている方は、早い時期から準備してください。近隣の土地所有者と仲良くしないと境界確定が出来ませんよ。
隣接地主と仲良くするのも立派な相続対策といえそうですね!