政府保証の住宅担保貸付リバースモーゲージ

 中央三井信託銀行は10月から新型のリバースモーゲージの取り扱いを始める。リバースモーゲージの元本を実質的に保証する政府の制度を民間銀行として始めて活用する。

 保証制度を使えば銀行は融資しやすくなるため、同融資の利用が個人の間で広がる可能性がある。リバースモーゲージは、自宅を担保に融資を受け、死亡時に担保不動産を売却して一括返済する仕組み。

 高齢者向けに老後資金を提供することが多い。ただ回収が難しい場合もあり、同商品を取り扱う民間銀行や融資対象者は限られてきた。今のところ利用は低迷している。

 政府は2009年度予算で民間金融機関のリバースモーゲージに対し、一定の要件を満たせば未回収元金の100%を住宅金融支援機構が保証する制度を導入した。

 対象は満60歳以上で、融資額は1500万円以下。資金使途は自宅のリフォームに限定している。同制度は8月末から利用できることになっている。

 中央三井が提供する新型融資は60歳以上83歳以下が対象で、従来同行が提供してきたリバースモーゲージと比べると保有資産などに制限がない。通常は利息も含めて一括返済するタイプが多いが、新型融資では利息を毎月支払う必要がある。

 バリアフリー対象や耐震性強化などのリフォームは個人のニーズが高い。リバースモーゲージを使えば銀行はこうした分野に融資しやすくなる。ただ政府の保証を裏づけに安易な融資が増えると、最終的に国民の負担につながる恐れがある。