住宅ローンを抱えたままの定年後は家計破綻の危険大

75歳で家計破綻!?という新聞記事を読みました。
内容は、「夫婦とも音楽好きなんで、欧州諸国を周遊して、バッハやヘンデル、ドボルザークなどの音楽ざんまいの暮らしを楽しみたい」
 都内の広告会社に勤務する遠藤一郎さん(仮名59)は、来年1月の定年を楽しみにしていた。
 
 リタイヤ後の準備にも怠りはない。3年前から自宅のある埼玉県内で、音楽関係のボランテイア活動を行っており、「地域デビュー」も済ませている。
 長男と長女はすでに独立。「定年後の3年間は、現在の職場で仕事を続ける予定ですが、その後は悠々と暮らしていきたい」
 
 だが、その夢も、ある一言で吹き飛び、最近少し不安になった。
 「今のままでは、75歳で貯蓄が底を突き、家計が破綻しかねないですよ」
 定年まで1年を切り、老後の生活設計を相談した、ファイナンシャルプランナー(FP)から指摘された。

 中高年の生活設計を専門とするFPによると、遠藤さんの老後の家計収支の予測を基にはじき出した。「75歳破綻説」の根拠はこうだ。
 収入面では、60歳時点の貯蓄額が退職金と合わせて2300万あまり。60〜62歳の間は仕事で年収600万円(手取額)を確保でき、その後も夫婦2人で370万円の年金が見込める。

 収支面では、現在の家計簿を基に、老後の基本生活費を月34万円と算出。
これと別に、月6万円の住宅ローン返済が、67歳まで続く。
 旅行資金は1回100万円を2年に1度組み込み、車の買い替えや自宅のリフォーム、子供への結婚祝い金も見込んだ。

 これを基に、年単位の収支を計算する。例えば、66歳の年は年収370万に対し、支出は580万円で210万円の赤字だ。
 こうした赤字が61歳以降毎年続き、貯蓄が年々減少。
 75歳でマイナスに達した後も赤字は拡大する一方で、80歳には500万円以上の借金を背負う姿が浮かび上がった。

 遠藤さんのように老後も住宅ローンを抱えている方は、住宅ローンの借り換えや繰上げ返済を積極的に行い、住宅ローン
を早めに返済する事を考えて欲しい。

 定年後をどう過ごすか、旅行を楽しむのも良いし、海外滞在や田舎暮らしもボランティアに取り組むのも良いでしょう。
 ただ、どんな人生プランにも金銭的な裏付けが要る。

 定年後の計画を考える事が大切なように、なるべく早めに家計のプランを作って置く事が重要です。
 まず、家計を把握することから始めましょう。夫婦で充分話し合うことも必要です。
 定年後の悠々ライフを手に入れるようにお互いしっかり準備しましょう。