国債は買ってはいけない!

 HSBC香港上海銀行のファンドマネージャーは、政府統計では、日本人が保有する資産の大部分は、銀行(郵便局)の円預金で、皆さん銀行に預けておけば安心、大丈夫と考えておられるのかも知れませんが、本当にそうでしょうか?

 現在、日本は、世界でトップレベルの借金国家となっております。実際、政府債務部門で世界117カ国中114位となっており、財政破綻の危険性を示唆され、IMF(国際通貨基金)からもネバダレポートをはじめとする勧告を受けております。

 調査していただければすぐに分かりますが、現在、国の借金の総額が1200兆円を越えており、さらに毎年、数十兆円ずつ増えております。国民の全資産が1500兆円ですから、もうすぐで借金が資産を追い抜いてしまいます。

 すると債務超過の状態になります。つまり、企業であれば倒産、個人であれば自己破産。
それと同じことが、日本を襲う可能性をIMF(国際通貨基金)より勧告されているのです。

 そうなれば、日本円の価値は、国際的に急落。
物価が激しく上昇する「ハイパーインフレ」という状況になり、お金の価値がほとんどなくなってしまいます。

 日本では、ハイパー・インフレが、ここ100年で2回発生しております。過去に日本が財政破綻した際には、銀行預金が下ろせなくなる「預金封鎖」、日本国債の放棄などが行われ、それまでのお金や債券が紙くず同然になりました。

 日本において、預金封鎖は過去に2度実施されました。一度目は、昭和2年の『昭和恐慌』で、日本の銀行全てで支払猶予(モラトリアム)が3週間にわたって実施されました。

 二度目の預金封鎖は、敗戦後の昭和21年2月16日 夕刻突然「金融緊急措置命令」と言う形で実施され、その時同時に新円への切り替えが実施されました。日本円自体が駄目になればいくら日本国内で投資して儲けても、ほとんど価値がなくなってしまいます。

 また、財政破綻の危険性については、いくつかの示唆があり榊原英資 慶大教授(元大蔵省 財務官) の、日本国財政破綻は、2020〜2025年とするコラムが掲載されたほか、中谷巌(多摩川大学 学長)は、財政破綻は、5年以内の2010年までに起こるとして警鐘を鳴らしています。

 仮に国家破産やハイパーインフレが起こらなくとも、財政の先行きを考えると、今後、国内預金、国内の債券、株式、不動産をはじめとする円建て資産の価値が、国際的に下がっていく可能性が示唆されております。

 自己責任の時代です、充分に研究しましょう。