味噌汁でがん抑制

 みそには、大豆の持つコレステロール低下、老化抑制といった効果のほか、がん予防などに有効との報告も多いという。みそを甘く見てはいけませんぞ。

 1980年代の疫学調査では、みそ汁を飲む頻度が高いほど、胃がんによる死亡率が低かった。厚生労働省研究班の調査でも、みそ汁を1日3杯飲む人は、一杯未満の人に比べて乳がんの発生率が40%減少していた。

 私もそうだが、中高年になると塩分が気がかりな人も多いだろうが、みそ業界の広報組織「みそ健康づくり委員会」の高梨委員長は、「みその塩分は、がんや高血圧を増やすことはないとの研究結果が報告されています」と説明する。

 それでも塩分が気になる向きには、具を工夫するといいらしい、ほうれん草やしゅんぎく・いも類といったカリウムを多く含む食材をはじめ、食物繊維の多いワカメ・ごぼう・コンニャクなどは、塩分の吸収を抑えてくれる。

 これらを取り合わせた具だくさんのみそ汁なら栄養面でも理想的だそうだ。みその香りは90度のときが最高で、みそ汁は煮立てないことだそうです。

 みそは意外に乳製品やマヨネーズなどの洋風素材とも会う。シチューやカレーに少量加えればうまみとコクが増す。みそとマヨネーズをあわせて野菜や魚介類のあえ衣にしても良い。

 豆乳みそスープなども同委員会のお勧めだ。しょうゆにも、動脈硬化抑制やコレストロール低減、免疫力向上などを手助けする成分が含まれているという。もっともみそもしょうゆも、あくまで調味料で、大量摂取には向かない。

 東京農業大学の教授は、「みそやしょうゆを使う伝統的な和食が、総合的に日本人の健康づくりに合っているのではないか」と話しているという。