.教育資金作りの基本的な考え方について

◎教育資金にはつぎのような性質があります。

1.子供の誕生から、必要となり始める時期が決まっている費用である。
2.子供が産まれてからの準備期間が十分にある。
3.長い期間に支払いが発生し、総額ではかなりの金額が必要になる。
4.住宅資金のように一度に多額の資金が必要になる事はないが教育資金を準備して
おかないと、その時点での家計に大きく影響する。
5.高校卒業・大学卒業まで、私立・公立、学部によって、また自宅通学、下宿に
よって資金の総額が大きく異なる。下記を参照して下さい。

学校教育費の総額(平成12年度、東海銀行調べ)
学種 支出額計 入学金等
臨時支出
合計
幼稚園・保育園
(2年間)
公立 306,000       □ 306,000
私立 577,000 100,000 677,000
小学校
(6年間)
公立 459,000 459,000
私立 3,556,000 435,000 3,991,000
中学校
(3年間)
公立 352,000 352,000
私立 1,859,000 469,000 2,328,000
高校
(3年間)
公立 764,000 764,000
私立 1,948,000 489,000 2,437,000
合計 私立 1,881,000 1,881,000
公立 7,940,000 1,493,000 9,433,000



















(2001年度)。大学生協資料
内訳 国立 私立(文系) 私立(理系)
自宅 下宿 自宅 下宿
自宅 下宿
受験関係諸費用 163,593 270,358 166,234 258,984 166,814 258,984
入学金 277,000 445,995 522,017
入学時諸費用 419,817 1,219,547 266,234 1,196,011 266,234 1,196,011
授業料・生活費 4,631,200 7,551,600 6,396,304 9,461,504 7,325,352 10,390,552
総額 約549万 約932万 約728万 約1,136万 約828万 約1,237万



◎必要な時期、必要金額を把握し、積立期間や積立
方法を検討する。


 1.確実に発生する費用ですので、できるだけ早い時期から継続的に貯めていくこと
が大切。
2.家計の見直しをして、教育資金として積み立て可能な金額の検討をつける。
3.積立方法には@子供保険、A郵便局の教育積立貯金、B一般財形貯蓄、C金融商品
がある。
@こども保険、学資保険
生命保険会社の「こども保険」、郵便局の「学資保険」、JAの「こども共済」などがあります。
満期や入学金受取の時期を子供の入学にあわせる「貯蓄」機能と、教育資金の稼ぎ手が万が一の場合に教育資金を確保する「育英資金」機能の二つの側面があります。
長期で確実に積み立てができますが、払い込み総額より受け取り金額の方が少ない場合もあります。
A教育積立郵便貯金
郵便局の商品で、1年以上5年以内の積立期間を設定して最高200万円までの貯金を行うものです。
郵便貯金の1人1,000万円の枠に含まれます。年収制限はありません。
積立終了後、総務省の斡旋で国民生活金融公庫から積立額と同額の融資を受けられます。
つまりこの制度を利用すれば、最高400万円までの資金を準備することができます。

B一般財形
給与天引きで出し入れが自由ですので、気軽に積み立てができます。
事業所で行っている一般財形貯蓄を50万円以上引き出して教育資金に充当した場合、最高21万円(国からは最高7万円)の給付金が雇用・能力開発機構から事業主を通じて給付される制度です。ただし、この制度は事業所が任意で行えるものなので、この制度を使えるかどうか確認をとることが必要です。         
C金融商品
教育資金は支払い時期が確定している費用ですので、早い時期から預貯金で積み立てるのが確実です。
積み立て期間が長期にわたる場合には、外貨預金でリスク分散しても良いと思います。
◎不足分を補う方法としては
1.教育資金が不足の場合は@奨学金やA公的ローンの一般貸付・郵貯貸付・年金貸付・
B財形教育融資、C銀行ローンの活用を検討する。この他に自治体の奨学金や育英会
新聞社、大学、企業の奨学金制度もあります。老後のライフプランを十分に検討し、

お子さんと負担の話し合いを持つ事も大切です。

@ 奨学金(日本学生支援機構)
貸与利率は3%を上限とし変動し、期間は国立大学で14年、市立大学で17年が上限。
奨学金には、第一種奨学金と第二種奨学金(きぼう21プラン奨学金)があります。
第一種奨学金
審査がありますが、それを通れば無利子貸与してもらえます
(高等学校、高等専門学校、短期大学、大学、大学院、専修学校(高等課程・専門課程)に在学する学生および生徒が対象)
第二種奨学金
第一種奨学金よりゆるやかな基準によって選考された学生に有利子で貸与されます。
(短期大学、大学、大学院(修士課程)、専修学校(専門課程)に在学する学生および生徒が対象)
貸与利率は3%を上限とし変動し、返済期間は国立大学で14年、市立大学で17年が上限。
卒業後、所定の期間内に月賦等で、自動引き落としにより返還することになります。
第一種奨学金(無利息)平成15年度入学者から適用
区分貸与月額自宅自宅外高等学校 国・公立 1万8000円 2万3000円  私立3万円 3万5000円  大学  短大  国・公立4万4000円 5万円  私立5万2000円 5万9000円  学部  国・公立4万4000円 5万円  私立5万3000円 6万3000円 

●きぼう21プラン奨学金(利息付き)全学年
区分貸与月額自宅自宅外 短期大学 大学(学部) 高等専門学校(4・5年生) 専修学校(専門課程)  3万円、5万円、8万円、  10万円の中から自由に選択する  
 
A 公的ローン
公的ローンは金利が安く、借り入れ手続きも国民生活金融公庫で簡単にでき
ますのでお勧めします。
2002/12/22現在)
種類 貸付限度額 金利 返済期間 返済据置 備考
一般貸付 200万円 1.7% 〜10年 あり 年収が990万円以内(自営業者は770万円以内)
郵貯貸付 200万円 年収制限なし教育積立貯金の貯蓄残高が上限
年金貸付 100万円(国民年金加入者は50万円) 年収が990万円以内(自営業者は770万円以内)

B 財形教育融資
 財形貯蓄を行っていると貯蓄残高の5倍以内の450万円まで借入が可能です。
C 民間金融機関の教育ローン
給与振込みや公共料金引き落としを利用しているなどで金利が優遇されていたりします。
公的教育ローンを優先し、最後に民間ローンを検討してください。
商品名 金融機関名 実質年率 借入可能額 最長借入期間 審査回答期間 来店要否 金利体系 金利 (店頭表示)
スーパー教育ローン<学生生活> 千葉銀行 3.750% 500万円 14年 2日程度 要 変動金利 3.750%
みずほ多目的ローン(インターネット支店口) みずほ銀行 3.900% 300万円 7年 5日程度 要 変動金利 3.900%
教育ローン「満点くん」 八千代銀行 3.925% 500万円 10年 30分程度 要 変動金利 3.925%
教育ローン「満点くん」 八千代銀行 4.200% 500万円 10年 30分程度 要 固定金利 4.200%
教育進学ローン 東京三菱銀行 4.375% 300万円 7年 5日程度 要 変動金利 4.375%
この他の銀行においても、いろいろな教育ローンがありますので
金利や借り入れ条件を検討することが大切です。



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