「要介護」以外の高齢者宅にも緊急電話

 東京都中央区は6月から、緊急時などに相談や連絡ができる24時間対応の高齢者世帯向け直通電話の設置対象を、要介護認定を受けていない世帯にも広げる。具合が悪くなったときに救急車を呼んだり、休日や夜間も困りごとの相談に応じたりする。普段は日常生活に不自由しない高齢者でも緊急時には支援が必要なこともあり、対象世帯を広げることにした。

 新たに始める直通電話サービスの対象は、要介護認定を受けていない65歳以上のひとり暮らしの高齢者や高齢者だけの世帯。要介護認定者向けのサービスは区などがすでに実施している。

 高齢者の自宅に専用電話を設置し、オペレーターとヘルパーが常時待機している訪問介護事業所で電話を受ける。利用者はボタンを押せば簡単にオペレーターらと会話ができる。生活相談や救急車の手配のほか、介護が必要な際のヘルパー派遣にも応じる。利用料金は月1100円で、ヘルパーの派遣は1回3400円。

 中央区の高齢者のうち、ひとり暮らしの割合は4割弱。区は「今後も増加しそうだ」とみており、要介護認定者以外への直通電話の設置を検討していた。

 最期まで自宅で暮らしたいという希望者が多い中確実に、インフラは整いつつあります。全国に広がることを期待したい。