専門家が選んだ高級ホテルランキング

個人的には、昨年行った金谷ホテルがランクインしていないのが残念ですが、今年は、二期倶楽部に宿泊してみたい。

 東京や大阪を中心に外資系が相次ぎ参入し、百花繚乱(りょうらん)の様相を呈するのが「ラグジュアリーホテル」と呼ばれる高級ホテルだ。その客室の豪華さや眺望、サービスの質から値も張るが、一度は泊まって夢見心地を味わいたいもの。専門家におすすめのホテルを聞いた。

 部屋へと案内するベルボーイが旅館の仲居のように客室へ招き入れ、窓のカーテンを開け放つ。その瞬間、誰もが子どものように顔をガラスに近づけずにはいられない絶景。夜には眼下の街が青白く浮かび上がる……。1位に輝いたのは新宿のパークハイアット東京=写真。

 1994年のオープンながら、39階から52階までの高層に位置する非日常性の魅力は色あせることなく、「新しいホテルが誕生してもここは別格の存在」(瀬戸川さん)との声も。都心のホテルにしては部屋が広めで、ベッドもゆったりめなのも魅力だ。

 「電話の応対から深夜のベルデスクまでどの部署も非常に気持ちがいい」(小林さん)とサービスもハイレベルで、47階にあるプールや2000冊の蔵書を抱えるライブラリーなど設備も充実、すべての評価項目で好評を得た。

 2位はザ・リッツ・カールトン大阪。2007年は同系列のザ・リッツ・カールトン東京(6位)に話題をさらわれた感があるが、西の雄はまだまだ健在。「おもてなしと隠れ家のような施設構成は国内最高レベル」(牛窪さん)と、サービスの評価は非常に高かった。重厚な調度品や美術品の数々も落ち着いた気分にさせる。97年の開業以来、国内のホテル産業のレベル向上に対する貢献度を高く買う人もいた。

 名古屋マリオットアソシアホテルが3位。名古屋駅の真上という抜群の立地と眺望を武器に「名古屋の“一人勝ち”ホテル」(桐山さん)に。広々としたプールや最上階の52階にある「ミクニナゴヤ」など話題のレストランやバーなど直営の飲食店を10軒も抱え、施設の充実ぶりを評価する声が強かった。

 4位の山岳リゾートの老舗、上高地帝国ホテルには「よくあんな場所にホテルを造ったなと思えるほど、素晴らしい立地。それでいてサービスも東京・日比谷と同等なのが魅力」(桐山さん)、「周囲の自然が最高の“付帯設備”」(北村さん)といった評価が。今も調理には日本アルプスから届くわき水を使用。日本屈指の避暑地ならではの空気が食事をよりおいしくするのか、料理の採点では全ホテル中で最高点を獲得した。

 マンダリンオリエンタル東京が5位。日本進出に際し掲げたコンセプトは「森と水」。これを呉服の街、日本橋にゆかりのある「布」で表現した。メーンエントランスを飾るタペストリーに始まりエレベーター、家具にまでオリジナルの布地を使用、独特な雰囲気を醸し出している。

 00年の九州・沖縄サミット(主要国首脳会議)で各国首脳が利用したザ・ブセナテラスは7位に。都心とは思えない広大な日本庭園を持つフォーシーズンズホテル椿山荘東京は8位で、根強い人気を示した。

新顔勢、設備はいいけど・・・

 東京のホテル競争は近年、過熱気味だ。05年はコンラッド東京、マンダリンオリエンタル東京が開業。07年は六本木の新名所、東京ミッドタウンにザ・リッツ・カールトン東京と皇居前にザ・ペニンシュラ東京が相次いでオープンした。

 話題の“新顔”はマンダリンの5位が最高で、ザ・ペニンシュラは14位。部屋の豪華さやレストランなどハード面は高く評価されたが、「サービスのばらつき」などソフト面での取りこぼしが響いた。

 柏井さんは「最近の外資系は日本旅館をお手本にしているが、結局はそのレベルに至っていない」と手厳しい。東洋風の内装で高級感を醸したり、お香のかわりにアロマで演出したり。旅館のおかみを意識しワンランク上のコンシェルジュのサービスを目指すものの「規模が大きくて目が行き届かないうえに、人材がまだ育っていない様子。これからに期待」という。


パークハイアット東京(東京都新宿区)  1808
(1)高層階がもたらす眺望は何物にも替え難い魅力(2)6万8200円〜(宿泊税別)(3)178室(4)03・5322・1234
ザ・リッツ・カールトン大阪(大阪市) 1727
2007年で開業10周年を迎え、全客室のリニューアルを完了(2)4万6273円〜(3)292室(4)06・6343・7000
名古屋マリオットアソシアホテル(名古屋市)  1668  
(1)スカイラウンジ「ジーニス」からは名古屋城をはるか眼下に(2)2万2000円〜(3)774室(4)052・584・1111
上高地帝国ホテル(長野県松本市)  1658
(1)例年4月下旬から11月上旬の期間限定のオープン(2)3万1185円〜(3)75室(4)03・3592・8001(東京事務所)
マンダリンオリエンタル東京(東京都中央区)  1648
(1)日本唯一の6つ星。ザガットサーベイでも国内トップに(2)7万8540円(宿泊税別)(3)179室(4)03・3270・8800
ザ・リッツ・カールトン東京(東京都港区) 1640
(1)2007年3月にオープンした東京ミッドタウンの最上部(2)7万7385円〜(宿泊税別)(3)248室(4)03・3423・8000
ザ・ブセナテラス(沖縄県名護市)  1635
(1)美しい海に開かれた本格的なビーチリゾート(2)3万8115円〜(2人1室利用)(3)410室(4)0980・51・1333
フォーシーズンズホテル椿山荘東京(東京都文京区)  1614
(1)07年9月、新婚客向けの「ブライズフロア」を新設(2)5万7750円〜(宿泊税別)(3)259室(4)03・3943・2222
コンラッド東京(東京都港区)  1602
(1)ヒルトングループの最高級ブランドで、日本ではここだけ(2)7万4000円〜(3)290室(4)03・6388・8000
10 二期倶楽部(栃木県那須町)  1579
(1)自然とアートが融合したリゾート(2)5万1975円〜(東館)(3)42部屋(東館は24部屋)(4)0287・78・2215