自宅で最期を迎える為の在宅ケア

「病院でなく、家族が暮らす家や住み慣れた場所で最期を迎えたい」という願いを持っている人は多いにもかかわらず、実際は病院で亡くなる人が圧倒的に多い。家で医療や介護などの必要なケアを受けながら、最期まで暮らすために必要なことは何だろうか。

 在宅ケアの専門家に聞くと、最も大切なのは本人や世話をする家族が家で過ごすことを望むかどうかだそうだ。たとえ家族がいない独り暮らしの場合でも、本人が望むなら不可能ではないとされる。基本的にはどんな疾病、どんな状態でも可能だそうです。

 在宅ケアにはヘルパーによる訪問介護、医師による訪問診療、看護士による訪問看護などの多種な専門職がチームを組んで支えることで成り立つ。日中は介護施設で食事や入浴などの介助を受ける通所介護(デイサービス)を利用すれば、独り暮らしでも在宅は可能になるそうだ。
 
 訪問介護や訪問看護などは介護保険が適用される。「要介護5」なら最高で月額36万円分が利用でき、利用者負担は使った分の1割。上限まで利用すると、自己負担が3万6千円となる。

 訪問診療は公的医療保険が利用でき、こちらも患者が70歳以上なら利用者負担は1割。これで付きに焼く万円。他に薬代や胃ろうの栄養剤などが必要な場合は、全部で月に8万円ほどかかるそうです。

 介護保険を利用できるのは原則65歳以上だが、がんの末期患者などは40歳以上も利用できる。公的医療保険や介護保険には利用者負担に上限もある。一般的に医療費や介護費だけなら月10万円を超えることはあまりなく、状況によってはもっと安く済むケースがほとんどです。

 急速な高齢化が進む今、家族や自分自身がいつ在宅ケアの世話になるとも限らない。住んでいる地域のどこに訪問してくれる診療所や訪問看護ステーション、介護について相談できる地域包括センターなどがあるかを知っておき、自分ならどこで最期を迎えたいか考えておくこともますます大切になっていますね。

 家族で話し合っておきたいテーマです。