失敗の少ないデジカメ 撮影チャンス逃さず1位は松下電器産業の「ルミックスDMC―FX35」=写真手前。最大の特徴は、失敗写真を減らす撮影状況の自動判別機能。従来は撮影者が状況に合わせて設定を切り替える必要があったが、ルミックスでは被写体が人物なのか花の接写なのかなどを、自動的に判別してくれる。 「撮影状況の自動判別機能をさらに強化し、欠点が見あたらない」(宮野さん)、「背景までよく写るストロボ撮影など、屋内から旅先まで活躍する」(山田さん)といった声が集まり、すべての専門家が4位以上に推す高い評価を得た。 もう1つの特徴は超広角レンズ。これまで以上に広い範囲が写せるように、焦点距離は競合製品を上回る25ミリとした。広角レンズの魅力は「奥行き感のある写真が撮れること」(吉田さん)で、室内での集合写真や手元の料理撮影などでも威力を発揮する。 2位は個性的なデザインが目を引くソニーの「サイバーショットDSC―T300」=写真左。人物を写すとき、顔にピントと明るさを合わせる顔認識機能は多くの製品が備えるようになったが、サイバーショットはこれをさらに進め、笑った表情だとカメラが判断したときに自動的に撮影する機能を搭載。複数の人にも対応したり、子どもと大人を識別したりといった改良が施された。「人を撮るのが楽しくなる工夫」(清水さん)と多くの専門家が評価する。 本体背面は3.5型の大型ディスプレーだけで、ボタン類は一切ない。「タッチパネル方式による操作は分かりやすく、他製品にないおもしろい仕組み」(陶山さん)も注目を集めた。 3位のキヤノン「イクシ・デジタル20IS」=写真右=は、遊ぶ子どもや走るペットなど動く被写体を撮るときに感度を上げて被写体ぶれを防ぐ。「ブラウンやピンクなどカラーバリエーションが豊富な上に、曲線を生かしたデザインはおしゃれで高級感がある」(平岡さん)。「光学ファインダーを備えるのはカメラメーカーならでは」(中馬さん)との声もあった。 光学7.1倍ズームを備えるリコー「R8」が4位。レンズは広角化が進んでいるが、同じ倍率だと望遠で遠くを大きく写せなくなってしまう。R8はそんな弱点をカバーしてくれる。「この高倍率ズームレンズは様々な撮影状況に対応可能。デザインは渋く、精細な表示の液晶ディスプレーは見やすい」(磯さん) 5位のカシオ計算機「エクシリムカードEX―S10」は、「カード」の名の通り薄型の製品。「動画がよりきれいに記録できる、ウェブ上の投稿サイトへアップロードしやすいなど、ムービー機能が充実している」(中馬さん)。7位に入った同社の下位製品も同様の特徴を備える。 260ミリと今回取り上げた製品の中では最も望遠が強いオリンパスイメージングの「ミュー1020」は6位。「本体内で3枚の写真を合成してパノラマにできるほか、多くの携帯電話のメモリーカードと同じ規格のマイクロSDが使える」(東さん)などの特徴がある。 持ちやすさも選ぶ決め手に 製品選びに関して山田さんは「画素数は十分な水準に達し、画質はどの製品もほぼ実用的なレベル。自分の目的にあった製品を選んでほしいが、迷ったときは28ミリからの広角レンズ、手ぶれ補正、顔認識の3機能を押さえておけば後悔は少ないだろう」とアドバイスする。 それでも決めきれない場合は「店頭で持ちやすさや、シャッターを押したときの感触で決めていい。持ち歩いて使わないことには、いい写真は撮れないのだから」と伊達さんは語る。
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