全国銀行協会は今年秋にも、銀行と利用客のトラブルを仲裁する独立組織「金融トラブルあっせん委員会」を設立する。投資信託など元本割れの恐れがある金融商品の販売が盛んになる中、顧客の「駆け込み寺」を新設し、トラブルの迅速な解決を図るとしているが、トラブルの囲い込みだ!

 あっせん委員会は、消費者団体から2人、金融トラブルに詳しい弁護士が2人、全銀協の職員1人の計5人が委員を務め、弁護士を含む事務局も設置する。

 トラブルはメガバンクと地方銀行、第二地銀が対象で、委員会は顧客の申し出を受けて双方から事情を聞き、4か月以内に和解案を示す。顧客側は、和解案の内容に不満があれば正式な裁判を起こせる。銀行側は原則として、和解案を受け入れなければならない。利用料は無料だ。

 銀行業界は最近、外貨預金や投資信託など、元本割れの危険がある金融商品の販売を強化しており、顧客から「損失が出る恐れを窓口できちんと説明されなかった」「定期預金だと思ったのに投資信託を買わされていた」などの苦情も出ている。

 全銀協は従来、全国51か所の「銀行とりひき相談所」で年間4万件超の問い合わせや苦情相談を受け付けてきたが、相談員は銀行OBが多く、中立性を疑問視する声があった。

 このため、金融庁が昨年9月の金融商品取引法の全面施行に伴って導入した「認定投資者保護団体」制度の認定を受けると同時に、第三者的な仲裁機関を設けることにした。銀行側に重大な過失があれば返金を含む和解案を示すなど、裁判よりも迅速、低コストの解決を図るというが、本当に消費者の立場になってくれるのかとても不安である。

 苦情処理部隊が充実してくると、強引な販売等が増えてくるものです、定年前後の方は、金融機関からだまされて老後資金を失うことのないようにお互いに注意しましょう。