. | 壱 | ![]() |
ルイーゼの星 | ||
カーレン・スーザン フェッセル 著 オルセン 昌子 翻訳 | . | |
. | この世と別れる日がいつ来るかは誰も知らないけれど、その日が誰にでも平等にやってくるというのは、この世界でもっとも確実なこと。 ルイーゼはまだたった10歳なのに、お母さんとの別れの日が近づいていることに気づきます。 お父さんの苦悩。周囲の人の気遣い。それらを見つめるルイーゼの目は、真っ直ぐで、子供らしい潔ささえ感じられます。 わたしがお母さんだったら、苦しみや悲しみの中で、こんなに美しい「さようなら」が言えるでしょうか。 | . |
2004.10. |
海賊モア船長の遍歴 | ||
多島 斗志之 著 | . | |
. | 日本にも、これほど本格的な海賊小説があったとは。 あまり海賊らしくないモア船長と、彼を取り巻く個性的な人々。海の冒険をたっぷり楽しんだ一冊でした。 1.海賊船の船長の片腕といったら、どんな役割の乗組員でしょう。 2.あなたは海賊船の乗組員です。あなたの役割はなんですか。 「海の荒くれ者好き」のお仲間に、こんな質問をしてみたくなります… | . |
2004.10. |
ハーディ・エイミスのイギリスの紳士服 | ||
ハーディ・エイミス 著 森 秀樹 翻訳 | . | |
. | 紳士服、特にスーツは、女性の物程見た目にはっきりした違いがわかりません。だからこそ襟の形やネクタイの幅、シャツの襟の開き具合など、細かいところに凝るのかもしれません。 アレンジして楽しむなら、まず基本を知らなければ。ということで、英国ファッション界を支えてきたサー・ハーディー・エイミスの手引きで、紳士服の歴史や正統の形を学びます。 お財布と気持ちに余裕が出来ると、女性ファッション誌よりも男性ファッション誌を買ってしまうわたしには、ぴったりの一冊です。 | . |
2004.10. |
すばらしいとき | ||
ロバート・マックロスキー 著 わたなべ しげお 翻訳 | . | |
. | 昨年の今頃、間もなく生まれる甥のために絵本を探していて見つけた一冊です。赤ん坊には、まだまだ難しいですが、いつか海や船への憧れを共有する日が来たらいいなと思っています。 なによりもまず、この冒頭の一文を読んで心躍らせずにいられるでしょうか。 「ぺノブスコット湾の水面に 岩勝ちのみぎわをみせる 小島のつらなりの上で、みてごらん、世界のときが ゆきすぎるのがみえるから。」 | . |
2004.10. |
なきむしあかちゃん | ||
クレジッダ・コーウェル 著 イングリッド・ゴドン 原著 | . | |
. | 日々甥に振り回されている私のお気に入りの一冊です。 だんだんと大きくなっていく、赤ちゃんの泣き声のバリエーションが可愛らしくも…やかましい。 そして、なんといっても最後のページに爆笑させられます。経験者ならではの「落ち」とお見受けしました。 | . |
2004.11. |
プチシェフのためのフレンチレシピ ― ホテル・リッツの子ども料理教室より | ||
リッツエスコフィエ フランス料理学校 著 貴田奈津子 翻訳 上野万梨子 日本語版監修 . | . | |
. | 子供のための簡単お料理本なのに、このお洒落さはさすがフランスです。色数の少ない簡単なイラストが、またとても素敵。 いろいろな場面を想定しての献立の中には「雨の日に」なんていうのまであって、毎日の生活が何倍にも楽しくなりそうです。 さあ、うっとり眺めてばかりいないで、台所に立たなくては。 「おいしい料理とは、真の幸福の源である」というオーギュスト・エスコフィエの言葉に始まり、まずはリッツの歴史を少し、そして丁寧なシェフのアドバイス。読み手を子ども扱いしない本の作りもさすがフランスだと思います。 | . |
2004.11. |
ドゥームズデイ・ブック | ||
コニー・ウィリス 著 大森 望 翻訳 | . | |
. | 中世にタイムスリップする物語はたくさんありますが、この表現力はすばらしいの一言に尽きます。みっしり書き込まれた物語には、中世好きならずとも引きずり込まれずにはいられないと思います。 電車で読むには重いのですが、ハードカバー判のほうがお気に入りです。表紙がなんともいいのです。 | . |
2004.12. |
みんなあかちゃんだった | ||
鈴木 まもる 著 | . | |
. | 生まれてすぐのから、二歳くらいまでの子供のいろいろな行動を、かわいいイラストで紹介した絵本です。 初めてお兄ちゃん・お姉ちゃんになる子供はもちろん、中学生や高校生、妊娠中、乳幼児を抱えて奮闘中のお父さん、お母さんに見せてあげたい一冊です。 作者の方はお父さんだと思われるのですが、どんなにお子さんの世話をよくされていたのかがわかります。可愛くて可愛くて仕方ない気持ちが、すべてのイラストから溢れてくるようです。 女性の多い私の職場でも好評でした。「私もこうだった」とか「うちの子もこうしていた」などと大いに盛り上がりました。 | . |
2005.01. |
ちょっときて | ||
瀬川 康男 著 | . | |
. | 大人のための絶品絵本です。 好きな人にわがままを言ったり、無理を言ったりするのも、相手に絶対の信頼をおいているからに他ありません。(言い訳ではありませんよ!!) 恋人や旦那様・奥様とご一緒に読んでいただきたい一冊です。もしこの本が原因でちょっと言い争いになっても、それはきっと甘いケンカでしょう… あなたは「ねずみ」さんですか、「ねこ」さんですか。 | . |
2005.03. |
魔法使いハウルと火の悪魔 | ||
ダイアナ・ウィン ジョーンズ 著 西村 醇子 翻訳 | . | |
. | 魔法によって90歳の老婆に変えられてしまったソフィー。しかしこの変身が彼女の眠れる力を呼び覚ましたように思います。 年齢を重ねるにしたがって、少しづつ無理がきかなくなってきたと感じるこのごろですが、その分精神力がついて「肝が据わってきた」のなら、年を取るのも悪いことばかりではないかもしれません。年とともに「熟して」いきたいと願う私にとって、この物語は力強い応援歌です。 そしてハウルは! 甘えん坊好きの私のハートを鷲掴みにしたのです。 | . |
2005.03. |