最後のひらかた菊人形「義経」と京阪電車の旅
2005年10月15日
ひらかた大菊人形「義経」京阪電車(おけいはん)の義経

ひらかた大菊人形「義経」

期間:05年9月30日(金)〜12月4日(日)
営業時間:10時〜18時
入園(※ひらかたパーク)&菊人形観覧料金:大人\1600 小人\800
 ひらかた大菊人形展…毎年NHK大河ドラマをテーマに絢爛豪華な歴史絵巻を色とりどりの菊花で再現する秋の定番イベントです。しかし職人さんの後継者不足のため今年で打ち止め…。日本各地に菊人形イベントは数あれどここが一番歴史の古い菊人形展。重ねた歳月は96年!あと4年で100周年の大台に乗るのに惜しいことです。でも義経ファンとしては「よくぞ今年まで続いてくれた!」と感謝の気持でいっぱい。ラストを飾るのが義経というのも感慨深い。96年の歴史=96=クロー=九郎義経…なんてアホな連想をするのは私ぐらいのものでしょうが。キャッチフレーズ「最後まで美しく」は花の盛りのまま逝った義経の人生を思わせます。そう、終わりがあるからこそ美しい。そしてその感動はいつまでも人々の心に生き続け、いつの日かグレードアップしてよみがえる…はず!ひとたび死した義経が伝説としてふたたび命を得たように…。
 今年はここのみならず日本全国で「義経」菊人形展が催されています。青森県の弘前城、福井県越前市のたけふ菊人形、吉野川市鴨島町の鴨島大菊人形など…。なかでも福島県の二本松菊人形は野外展示でスケールも大きく、また人形がとめどなくタッキー義経似とのことです。み、見たい…!

ひらかた大菊人形「義経」
鞍馬寺山門
 菊人形展が行われているのは大阪の老舗遊園地「ひらかたパーク(通称ひらパー)」のイベントホール内。今年が最後とあって菊人形コーナーは連日大盛況!私が訪れたのは雨の土曜日、オープン直後だったため「待ち」こそ出ていませんでしたが、それでも場内は混み混み。通常の土日祝は一時間待ちなんてザラ、平日でも行列ができるほどの人気だそうです。
 会場入口には威風堂々たる鞍馬寺の山門が再現されています。

奥州平泉・白馬の御曹司
 山門をくぐると、まずは慎ましやかな菊の庭園のなか白馬にまたがった義経様がお出迎え。ほんのりタッキー似の男前義経が幻想的な大菊人形の世界へといざなってくれます。

奥州平泉・藤原秀衡
 その先には義経を待ち受ける藤原秀衡の姿が。背景には中尊寺金色堂の様子も再現され、鮮やかな黄色の菊のお召しものとともに「北の王者」にふさわしい荘厳な雰囲気が醸し出されています。

平家の隆盛
 お次はズラリ居並ぶ平家一門&後白河法皇の野点シーン。都で贅を尽くした平家一門の暮らしぶりが再現されています。しかし清盛は何だかちょっとごきげんななめなお顔。「平家の場面なのに何で俺を差し置いて法皇がド真ん中にいるんだ!」とか思ってるんでしょうか。

五条大橋
 さあお待ちかね「五条大橋の対決」です。大河のワンシーンさながらの満開の桜のもと対峙するむくつけき僧兵と可憐な稚児!照明が急に暗くなって背景に月が浮かんだりとなかなか凝ったつくりです。橋の下には本物の水もさらさら流れていて涼やかな雰囲気…といいたいところですが押すな押すなの人込みのためのんびり涼んでいられません。全シーンのうちでここが一番の記念撮影スポットで、ただごとでなくゴッタがえしていました。

黄瀬川の対面
 旗揚げした兄頼朝のもとへかけ参じた義経主従。写真には入りきらなかったのですが反対側に弁慶らもいます。義経の鎧を彩る菊花の配色の美しさが目を引きます。頼朝との微妙な距離感がせつない…。

静との再会
 を迎えて義経主従ひとときの安らいだ生活。伊勢三郎どないしてん!ケッタイな顔して。義経も奥であきれてます(ちがうって)。ナンチャンを模したのかそうでないのか何ともビミョーなライン。あらぬ方を見て何やってるんだかよくわからないポーズの喜三太(画面奥)にも注目です。


夢の都「福原」
 お次は清盛の見果てぬ夢の都「福原」を再現したエリア。清盛・常盤・牛若の幸せそうなスリーショットなんて今回の大河がモチーフじゃなければまず成り立たない構図。菊人形になっても常盤様はやっぱりひときわ美しい…。清盛さんも「平家の隆盛」コーナーとはうってかわって満足げな顔で安らいでおられます。


壇ノ浦の戦い
 今回唯一の源平合戦シーン・壇ノ浦。(一ノ谷&屋島もやってほしかったな〜)平家の敗色濃厚となり覚悟を決める安徳帝二位尼(時子)です。時子さんの哀切なお顔は幼い帝を道連れにする悲しみのためか、あるいはこの船のすぐとなりでダンナが愛人(常盤)とラブラブ(上記写真)だからか。

弁慶、立往生
 奥州平泉、衣川にて…主の心静かな最期を守るため敵勢を防ぐ弁慶の「立往生」。いかつい荒法師を彩る可憐な菊花、そしてお堂を包む桜の美しさがいっそう悲愴感をあおります。惜しむらくは弁慶にイマイチ迫力がないこと…だら〜んと下がった両腕のせいかしら。せめてもっとカッと両手を広げ「ここより先は一歩も通さん!」というぐらいの気迫を見せてくれなくちゃ。これじゃ寄せ手も悲しくなっちゃう。右奥の雑兵さんのやるせなげな表情を見てください。

静の舞
 ラストはひときわ豪奢な「静の舞」。静人形は匂い立つような菊花の衣装を身にまとい、くるくるゆっくり優雅に回転しています。菊人形の長い歴史のトリを飾るにふさわしい、哀切にして華麗なシーンです。

静の舞・頼朝と政子
 舞殿の脇に座す頼朝の表情に注目!ただひとり「あぁん?(怒)」と苦虫噛み潰したような顔をしています。その横でおかまいなしに悠然と舞い続ける静の勇姿が痛快です。

オミヤゲ情報
義経弁慶ミニ扇子
(根付)
各\420
 菊人形展イベントホール内のオミヤゲコーナーでは義経ゆかりのお菓子が各種そろってます(ほとんど他地域でも売ってるものばかりですが…)。またNHKオリジナルグッズ(義経アニメキャラ)もキーホルダーや絵はがき、クリアファイルなど充実の品揃えです。
 そんななか目を引いたのがこちらのミニミニ扇子。扇子を根付にするとはなかなか斬新なアイデアです。ファンシー系(右)と劇画タッチ(左)の二種類あります。これさえカバンにつけていればいつどこで誰がボケても何でやねんバチコーン!とつっこめます。(うそ)
勇将義経
(2色クッキー)

\420
義経 京観月
(茶菓子各種)
\1050
勧進帳日記
(くるみまんじゅう)
\630

京阪電車(おけいはん)の義経京阪電車HP(義経と京阪沿線)
京阪電車ラッピング電車・静御前
 ひらかたパークへは京阪電車・京阪本線でのアクセスが便利。大阪と京都を結ぶこの路線(通称「おけいはん」)には05年限定で牛若丸・弁慶・静の三種のラッピング電車が走っています。私はようやっと静電車にだけめぐりあえました。さすが京の街を走るにふさわしい艶やかな静御前です。今年だけの運行なんてもったいなさすぎる!

京阪出町柳(でまちやなぎ)駅構内・牛若丸と弁慶
 京阪電車の終着駅・出町柳駅の構内には牛若丸&弁慶の人形がスタンバイ。五条大橋の出会いのシーンですね。夜道を帰る牛若の背後からジワジワしのびよる変質者モード全開の弁慶(ちがうだろ)。
 ここから叡山電鉄(叡山本線+鞍馬線)に乗り換えれば義経のふるさと・鞍馬寺へと続きます。

オミヤゲ情報
叡電オリジナル
牛若&弁慶お面

各\500
※2コセットなら\900
叡電オリジナル
牛若キーホルダー

\400
 京阪電車と連結している叡山電鉄の始発駅「出町柳」と終着駅「鞍馬」で売られているオリジナルグッズ。ちなみにお面は飾り用のミニサイズなので実際にはかぶれません。キーホルダーのキュートな牛若ちゃんは大河仕様の水干ですね。この若草色(アップルグリーンとの説も)はこの一年ですっかり牛若のイメージカラーになりました。
           ついでに鞍馬の旅(2005年大河の旅京都編05.2.12)もどうぞ…→→→

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