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「伯けい」という詩に「どこかでわすれ草を手に入れて 私の寝室の裏庭に植えたい」という言葉があります。王のために矛を取って遠征に行ったあなたのことを思い続け、私の心は疲れ果てています という内容です。わすれ草の謂れは、この花を見ると憂いを忘れるということから、忘憂草、忘れ草となったようですが、遠くからもひときわ目立つ鮮やかな色からそう思われたのかもしれません。詩はいくつかの漢字が無いのでここにご紹介することができません。萱草が現れた最古の詩といわれています。 |



わすれ草を着物の紐につける 香具山の故里が忘れられなくて
あまりに苦しいので。

わすれ草を下着の紐に付けたけど、この頑固な草はちっとも忘れ
させてくれない わすれ草とはよく言うよ。
(しこのしこ草=醜の醜草)

垣根にこんなに沢山わすれ草を植えたのに、まだあの人を忘れら
れない。
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わすれ草を摘みに行く道も判らないほど、苦しい恋路に迷い込ん
でしまった。


あの人と会うことがこんなにも難しいと判っていれば、わすれ草の
種を採ってきて蒔くのだったのに。


これほど恋い焦がれているのに夢の中でも会えないのは、夢路に迄わ
すれ草が生い茂っているからだろうか。


わすれ草は何を種にして生えてきたのかと思ったら、つれないあの
人の心だったとは。


冷たいあの人の心の中のわすれ草に霜が置いて枯れたらいいのに、
そうしたら私のことを思い出してくれるかも知れない。
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山川登美子 【恋ごろも】

斎藤茂吉

由谷一郎【沖雲】

村松英一【やますげ】
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戸谷猿左
正岡子規
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森澄雄
森澄雄
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