M16Aにおけるオイル粘度と油圧に関する考察

マーチに乗っていたときにもこんな事をやったことがあるんですが、サーキットでの油圧の変化をちゃんと調べてみた事は無かったので、改めてデータ取りしてみました。
よくエンジンオイルの粘度が高いほど油圧が高くなって燃費や出力に影響を与えると言われます。
私もそういう認識だったのですが、実際のところはどうなんでしょう?


青線は15w50のオイル、オレンジの線は5w30のオイルで走行したデータです。上段は油圧、下段は回転数のグラフとなります。
似たようなタイムのデータを取り出しています(1分6秒台前半)。油温は15w50が126℃、5w30が128℃となります。
油圧のグラフを見ると5w30の方が若干低いかな?という気もしますが、予想以上に差が少ないようです。(せいぜい0.1〜0.2k程度?)


さらにバックストレートの部分だけ取り出したのが、下のグラフです。

似たくらいのタイムのデータを使用していますので、回転数のグラフにあまり差異はありません。
アクセル全開時の油圧は15w50の方が安定しているというか、5w30に比べるとブレが少ないようですが、油圧の差はやはり少ないようです。
正直もっと油圧に違いが出ると思っていたので、この結果は意外でした。


通常の走行ですともっと油温が低い(せいぜい80〜90℃程度)ので、もっと油圧の差が大きくなると思いますが、油温が120℃を超える位になると、粘度による油圧の差は少なくなってくるようです。
問題は、15w50のオイルだとこれ以上タイムが縮まらないという・・・
油温が130℃以上ならもっとタイムが出たかもしれませんが、そこまで引っ張る気もありませんし。

今までは「油圧=抵抗」という認識だったんですけど、今回のデータを見る限り(油温が100℃を超える状況)では油圧の差は少ないようです。という事は抵抗にはなっていない?
そうであれば、オイル粘度の違いによるタイムの差はどこからくるのか?
粘度が高い分オイルポンプの動作にパワーが食われているんでしょうかね?

でもこれ、別の言い方をすると、油温が一定以上になっていないとオイル本来の性能が発揮されないとも言えます。
例えば0w20のオイルでも油温が80℃程度だったら油圧が高くて抵抗になってしまいます。
ネットなんかでたまに「オイルクーラーを取り付けてから油温は80℃で安定・・・」なんて言ってる人が居ますけど、油温の基準は前にも書きましたけど100℃です。せめて90℃はないとむしろ抵抗になりパワーダウンする可能性があります。

エンジンオイルの粘度に関しては、一般的な走行とサーキットでは別に考えるべきなのかもしれません。



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