お わ り に |
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◇ いつのことだったか、井上 靖 の「敦 煌」を読んだことがあった。その感動は今なお残っている
……生きる目的を見出だせぬままに、砂漠で数奇な運命を辿る主人公・趙行徳は、敦煌の寺が戦火に包まれるに及んで、数万巻の経典を灰にすることが忍びがたく、これこそが自分に課せられた使命と悟り、運べる限りの経典を千仏洞に隠す
……

◇ 「マーラー・交響曲第6番への考察」を書き終えて、改めて11世紀前半の中国を描いたこの名作が思い出される。私には経典を書くなどということはできないが、過去の優れた文化の普及や歴史の継承に、微力ながら役立つことはできるかもしれない。おそらく現代の千仏洞は、ネットの世界もさることながら、私たちひとりひとりの心の中にあるのだろう。
◇ いつのことだったか、奈良東大寺の修復工事が終り、落慶法要の様子をテレビが映していた。天平の雅楽が演じられていた。これから800年、1000年先はどうなっているであろうか。未来の世の中は知るよしもない。しかしその時でも、マーラーの音楽は、人を人として歌いあげ、新鮮な音をもって響きわたるに違いないのである。
ゴットフリート・ヴァーグナー |
著 |
岩淵達治/狩野智洋 |
訳 |
「ヴァーグナー家の黄昏」 |
平凡社 |
1998 |
エーベルハルト・フライターク |
著 |
宮川 尚理 |
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「シェーンベルク」 |
音楽の友社 |
1998 |
石田おさむ |
著 |
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「ユング深層心理学入門」 |
講談社 |
1998 |
秋山さと子 |
著 |
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「ユングの心理学」 |
講談社 |
1998 |
林 道 義 |
著 |
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「ユング」 |
河出書房新社 |
1998 |
皆川 達夫 |
著 |
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「合唱音楽の歴史」 |
全音楽譜出版社 |
1972 |
アンネ・フランク |
著 |
深町眞理子 |
訳 |
「アンネの日記」 |
文藝春秋社 |
1994 |
月本 昭男 |
監修 |
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「聖書の世界」 |
光文社 |
1988 |
フランソワーズ・ジルー |
著 |
山口 昌子 |
訳 |
「アルマ・マーラー」 |
河出書房新社 |
1989 |
ヴィクトル・E・フランクル |
著 |
霜山 徳爾 |
訳 |
「夜と霧」 |
みすず書房 |
1974 |
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