. コンコンチキではありません。
このごろよく聞く音楽は、日本では Tina、海外では Jewel と Paula
Cole です。
昔、かなり昔、音大の学生だったころは、学習といえばドイツ3B。鉛筆ではなく … バッハ、ベートーベン、ブラームスのことです。「クラッシックにあらずんば音楽にあらず。」
─ 本当にそう信じていました。今にしてみればなんとも石頭。ですが純粋でもありました。ドイツ音楽に限界を感じ、マーラーの音楽にひかれたのは、大学を出てからのことです。あれから?年いろいろありまして、このごろはさまざまな音楽を聞きます。いいものはいい
─ すなおにそう思えます。よい音楽に出会ったときは、まるで宝ものを見つけたようです。
Tina の、音楽に対するひたむきな姿には心うたれます。質的に大変レベルの高い音楽だと思います。
Jewel Kilcher でまず驚くのは、一曲ごとが大変個性的なことです。フォーク風、ウェスタン風、エレジー風、ロック風
… さまざまです。ふつうワンパターンになってしまいがちです。それがないのです。しかもどの曲も、声を変化させながら自由に歌いきっています。現代の管理しつくされた社会において、彼女の自由な歌は貴重です。ジーンズ姿が気にいってます。イブニングドレスや、逆に奇抜な衣装はごかんべん、という感じです。
ただ正直なところ、最近の Jewel の音楽活動にはあまり興味がありません。しかし、アルバム This Way はすばらしい。文句なくすばらしい。
Paula Cole の情熱的な音楽は、なお私を離しません。それはまるで、アフリカのサバンナの地平線に浮かぶ夕陽のようです。しかし「ポーラ・コールをご存知ですか?」と十人の人に質問すれば、まず「いいえ」という答えが返ってくるでしょう。1stアルバム
Harbinger で注目され、2ndアルバム This Fire で200万枚を売り上げたこの個性的な歌手が、意外と知られていない本質的な原因は、おそらく3rdアルバム
Amen にあるのではないかと、私は考えています。
ともあれ不思議な親近感を覚えるのです。本人にお会いしたことはもちろんありませんが、その歌声からして、性格的にはきついものの、人間的には信じられる誠実な方と思われます。
駅前広場の若者の演奏にも、よく足を止めます。話かけることはめったにありませんが、耳を澄まし心の中で応援してます。