いろんな処ぶらりんこ  薫風編



 奈良 〜東大寺周辺〜  (散策日 5月19日)

東京へ帰る日、われら親子3人はおばあちゃんと別行動、奈良へ寄ってから帰る事にしました。今年は「大仏開眼1250年」、奈良国立博物館で「東大寺のすべて展」が開催されています。「ぜひぜひこの機会に天平文化の至宝を拝みたい!」その一心から決めた奈良ぶらりんこ。私が奈良を訪れるのは、それこそ中学3年の修学旅行以来です。 最初は展示会だけ見て早々に東京へ戻ろうかと思っていましたが・・。 気がつくと興福寺、東大寺大仏殿、東大寺戒壇堂とまわっていました。どんどん欲が出てきて「西大寺の方まで行ってみようかっ!」という話も出ましたが、それは諦め次回にする事に。

17日の京都ぶらりんこの際、最初に乗った近鉄奈良線。特急で近鉄奈良駅まで約30分。近いんですね。東京だったら渋谷から東横線で横浜まで特急で30分です。平安の都(京都)から平城の都(奈良)まで30分。当時どの位の時間がかかったんでしょう。
近鉄奈良駅から歩いて、まずは奈良国立博物館に行きました。奈良国博は初めてですが、とてもいい博物館です。二階に上がり、特別展「東大寺のすべて」を見学。 本当に溜息が出るほど素晴らしかったです。特に入り口真正面には、東大寺法華堂の日光・月光菩薩像が安置されていて私たちを出迎えてくれました。改めて「日光」「月光」の菩薩の違いを理解しました。お顔も身体つきも微妙に違います。日光菩薩はお顔の表情も明るく、あたかも日光をお顔全体に受けているかのような感じ。少し顎を上げていらっしゃいます。かたや月光菩薩。お顔を少し下向き加減にして何かじっと夜の闇のそのまた彼方を見ているような・・そんなお顔です。両菩薩のお背中の美しさ・・。また溜息。(笑) お堂でしたらこの菩薩の後ろ姿って拝見できないんですね。 とても貴重な経験でした。 それと法華堂本尊・不空羂索観音の宝冠が展示してありました。すごいっ!こんな美しい宝冠をかぶっていらっしゃったんですね!あの観音様。 もうもう、ウルウルしっぱなし。(笑) 大仏開眼1250年、この春夏、奈良では奈良国博「東大寺のすべて展」をはじめ、特別開帳 東大寺法華堂「執金剛神立像」(本来は12月16日しか拝む事のできない仏像)がありました。(もう特別開帳は終わっていると思います) 残念ながら法華堂へは行けなかったので、執金剛神立像を拝む事はできませんでした。
感動を胸に博物館を出て、猿沢池を散策、次に興福寺へ行きました。 ここの宝物殿にある「阿修羅像」をはじめ「興福寺・仏頭」その他の仏像を拝見。素晴らしいです・・。(実際、この言葉しか浮かんでこないんです。ボキャブラリー不足ですみません。(笑)) 残念ながら運慶作「無著立像」「世親立象」はお堂が離れていたので時間の都合上、拝見する事はできませんでした。そしていよいよ東大寺へ向かいます。 少しうす曇だった天気が南大門のところへ来ると、パーッと雲が晴れて日が射してきました。その中での仁王さん、凛々しくて素敵でした。 そして大仏殿へ。久し振りに拝む大仏様、すっごく男前。(笑) 何だか大仏様のお顔を拝んでいると大らかな気持ちになってきます。 お背中も拝見。そして外へ出ました。




東大寺・南大門



その足で戒壇堂へ向かいました。 このお堂にも私の大好きな四天王立像(国宝)が安置されています。「動」と「静」の対比をなす四天王立像、その中でも広目天は 遠くを見据えるその鋭い目、力強さを内に秘めたその「静か」なる姿・・・何となく私は土方歳三を連想してしまうんですけどね。(笑) 大好きな仏像(神像?)です。 いつまでもお堂にいたい気持ちを抑え、やっとの事で戒壇堂を出ました。



東大寺・大仏殿 東大寺・大仏坐像 東大寺・戒壇堂



ふらふらと歩いていくと・・・、通りに出て左に曲がり、またとぼとぼ。 するとサークルのお友達から紹介された葛きりのお店「天極堂」がありました。ほんと、偶然! 教えていただいたはいいものの、実際土地勘があるわけでもなく、本当にたどりつけるか心配でした。これも大仏様のお導きでしょうか?(笑) 親子3人、「葛きりあずきり」というメニューを注文。葛きりにあずきと白玉がのっていました。美味しかったです。2日続けての「葛きり」を楽しみました。 このお店、変わったメニューがありました。「葛うどん」です。昼食を済ませたばかりだったので、さすがにうどんは食べられませんでしたが、ちょっと惜しいかなーという気持ちになりました。(笑) 次回奈良・東大寺に来た時はぜひとも食べてみたいと思います。
そんなわけで、われら家族の奈良ぶらりんこもここで終わり。(すでに午後4時)バスで近鉄奈良駅まで行き、京都へもどりました。
東京の家にもどったのは午後10時を過ぎた時間。疲れましたが懐かしさと大好きな仏像三昧の一日、至福の時を過ごしました。




吉野本葛 天極堂