八方尾根南尾根(大ヌケ尾根)2004年2月28日
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八方尾根標高2000m付近から、南方向に大きな尾根が派生しています。白馬の街からも目立つ白い斜面を構成する尾根で「大ヌケ尾根」と記載された文献もあるようです。スキーアルピニズム研究会:RSSAの会報「ベルクシーロイファー」26号(1999年)に記録があり、参考にしました。
今回は、上部はアイスバーン、下部は悪雪で苦労しました。
これで3週連続の八方尾根周辺出没となりましたが、3つのラインの中では、一番リスキーだったかも・・
ザラメになってからであればかなり楽しめると思います。降雪直後は、南向きということもあり、雪のコンディションは難しいかもしれない。パウダーになることもあるんだろうか? 

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南尾根1650地点(分岐する点から五竜岳を望む)

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下部では針葉樹が現れる。この辺からひどい悪雪
写真のシュプールはましな方

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みそら野からの南尾根

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【八方南尾根(大ヌケ尾根)】
2004年2月28日(土)
山川(単独)

八方ジャンプ競技場P(8:10-8:20)---八方池山荘(9:00-9:20)---逗子開成高校のケルン(9:55-10:05)---1650m尾根分岐(10:20-10:35)---みそら野別荘地(11:30-11:50)---八方ジャンプ競技場P(12:40)
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八方池山荘に登山届を出し、シールを貼り、クトーを着けて出発。天気は快晴だが風が強く、地吹雪である。十数名の登山者と、ボーダーが登っていく。時々耐風姿勢が必要な、強烈な風。

逗子開成高校のケルンで風を避け休憩。ピットを掘ろうとするが、カチカチのアイスバーンで歯が立たない。風下にはパウダーもたまっているようだ。少し下で様子を見よう。

尾根は広い斜面だが、完全にクラストしており、慎重にターンしていく。洗濯板のようで、あまり思いきったことはできない。

1650mまで滑降すると尾根は2分する。直進する尾根と、90度左折して崩沢出合に降りるものである。左の尾根の方が雪が軟らかいのではないかと期待し、左を行くことにする。


振りかえると今降りてきた尾根の崩沢側に大きな破断面が見える。(2万5千図の1727mの東側)ここで雪をテストするが、先週の堅い雪の上に1m近く新雪が積っており、先週よりは間違いなく不安定なようだ。

できるだけ尾根に忠実におりることにする。しばらくは軽い雪であったが、すぐに重い悪雪になる。尾根左手の側面斜面が非常に快適そうに見えるが、踏みこむと雪がずれるではないですか!ひえー 

ここからは尾根を外さないようにいく。小回りができるところは良いが、ところどころ割れ目が隠れていたり、右手に小さい雪庇が出ているところもあり、思い切り滑れない。キックターンも交え慎重に下降していく。

下に崩沢の堰堤が見えるようになると、左手の斜面が真っ白で魅力的だが、今日は我慢。ひたすら尾根通しに、地味に下降する。

平川の林道に滑りこむが、先々週は滑って降りられた林道が、湿雪の下りラッセルである。僅かな距離だが、汗だくになって、みそら野別荘地到着。

白馬47からシャトルバスで八方に戻ろうと思っていたが時間が2時間近くあるので、歩くことにした。スキーをザックにつけ、車道を50分かけて歩き、ジャンプ台駐車場に泊めた車へ。滑降の後、山を見ながらそぞろ歩きは楽しい。


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南尾根1727m付近の雪崩破断面