シーズンオフ2016 2016/10/12更新
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山は雪のあるときがいちばんです。もちろんスキーができるからです。でもスキーがなくてもそれはそれで楽しいです。
お金がかからず、時間がかからず、それでいてそこそこ充実感があって、シンプルな行動を善しとします。
できれば、その日思い立ったらデイパックをつかんで家を出るようなすっきりとした山行がいい。


出典:国土地理院 25000分の1地形図 雨飾山


大海川は膝下位の渡渉ジャブジャブ


今では渓流靴を使う沢やさんが多いが、私はいまでもフェルトワラジを使う
素足感覚がいいのと、靴よりは安い




問題の滝 勢いのいい水を横切り右壁へ ずぶ濡れ覚悟のこと 下手に捲くと危険




上部ゴルジュ内の枯滝 見かけより易しい 右壁が階段状



今日のハイライト 布団菱岩峰群とスラブ


登山道から俯瞰した荒菅沢


荒菅沢右俣スラブ ここをスキーで滑ったおバカがいます。(私です)
http://www5e.biglobe.ne.jp/~bunayama/amakm00.htm
雨飾山荒菅沢本谷ソロ

2016年10月12日(水) 


山が黄葉で色づくころになると、「頸城くらいまー」の愚かな血が騒ぎ出す

頸城の谷を歩きたくなった 
ターゲットは荒菅沢本谷(あらすげざわほんだに)

有名な雨飾山の谷だが、登山道ではない
20代のころ遡行したことがあるが、登山道が横切る地点から上半分を登っただけ。

荒菅沢の滝は下半分に集中し、下半を遡行しなければ荒菅沢の興味は半減する。今回は20代のときやり残した下半分も含め、大海川から山頂まで完全に水通しにいくつもりだ。たぶん濡れるので、これ以上時期が遅くなると寒くてやってられないと思う





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長野は霧が垂れこめていたが、小谷村は快晴!
久しぶりの晴れ山行だ

雨飾山登山口から沢支度で歩き出し、15分ほど進んだ、奥ワセ沢出合のあたりから大海川へ入り込む
大海川は膝下位の渡渉を繰り返し、ジャブジャブと進む。熊にあうといやなので時々声を上げながら行く

一度ヌルヌルした岩に滑り、手をついてしまい、上半身まで濡れてしまった。逆にこれで開き直った
今日は陽もあたっておりさほど寒くない 

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一時間ほどで大倉沢出合
ここから滝場が始まる
荒菅沢自体には大きな滝はないが、ヘンテコな形状をした滝が多く、ラインどりが難しい。沢のセンスが問われる


3つ目の4mほどの滝は、水が跳ね返っており、右壁はツルツル 左壁はヤブで隠れているが垂直で、どこを行こうか悩む
高捲きを試みたが、滑りやすい高い泥壁で、かえって危険なようだ。
思い切ってすごい勢いの水の中に入ってみると大きなホールドがあり、登れそうだ。そのまま水流をまともに浴びながら中央突破
ふう 手強かった 衣類はずぶ濡れ さっき濡れているので気にしない

以降も小さな滝が数個現れるが、どれもひねくれていて結構手強い

初心者がいれば上から確保したいところだが、中間支点をとれるほどの高さがないので、トップが落ちれば滝の下まで落ちる。まあ2〜3mだけどね 怪我をしない体勢を考えて行動した方がいいかも
だからソロでも危険度は一緒

通常、水流に洗われる岩にはコケが付きにくいものだが、この沢は水流の中もヌルヌルしている。要注意だ
足のフェルトをこすり付け、ぬめりを落としてからフットホールドに立つような動作が多い。「たわし」が有効かも・・・

大倉沢出合から一時間ほどで、滝がなくなりゴーロ状になってくる。
上部に布団菱の岩峰が見え始め、登山道が荒菅沢を横断する地点だ。

4〜5人の登山者が休憩しているが、ずぶ濡れで上がってきた私には無関心


登山道横断地点から先は、ガレ場になり水はほとんどなくなる。
両側の尾根が襟のように迫ってきた地点がゴルジュになっており、5m位の枯滝がある。下部のヌルヌル滝よりはずっと容易だ。

布団菱の大きなスラブの間を断ち割って入る、ガラガラのルンゼを詰めていく。左手に広大なスラブが広がり、このルートのハイライトだ!
最後は草付きと、枯れたあざみのヤブをこいで、登山道へ抜け出る。


雲が多くなってきた雨飾山の山頂に立つ。
12時20分 所要3時間40分
平日だが数人の登山者がいる。人気の山だ。

雨飾山は、深田日本百名山に入っているが、深田久弥さんが登ったころは登山道がなく、初回に北面 神難所沢をつめ、失敗 2回目に小谷側から荒菅沢を登って登頂している。いまよりずっと困難だったのだ

タビをトレッキングシューズに履き替えほっと一息
しばらくすると小雨が当たりだしたので下山

一般の登山道をゆっくり降りていくが、途中のブナは今年一番の黄葉だったように思う。





駒の小屋


中門岳の湿原


駒の小屋から山頂に向かう登山者

会津駒ケ岳

2016年9月1日(木) 

山岳ガイド協会の養成講習が福島であったので、3日間、受講してきた。2日目までは台風の雨。外で練習できなかったので屋内で机上講習や、屋根のあるテラスでロープワーク。
3日目は快晴になり、実際に自然の中でガイディングの練習することができた。

終わったらさっさと長野へ帰るつもりだったが次の日も晴れる予報。予定していた仕事はたまたま変更になってしまい、予定が入っていない。チャンス!もう一日会津の山を歩きたくなった。

ターゲットは会津駒にした

講師のOさん、スタッフのAさんが車で山口温泉「道の駅きらら289」まで送ってくれたが、今日は帰らず、そこで風呂に入り、食事をし車中泊。
明日の早起きに備えることにした。

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夜中に起きてみると満天の星。
ちょっと感動してそのまま眠れなくなった。

3時半に起きだし、食事
4時半に出発し、駒ケ岳の登山口で明るくなるまで待機。
5時半に歩きだし

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山頂までの標高差は1000m以上あるが、今日は涼しい爽やかな気温で登りやすい。さほど苦しい思いもせずに駒の小屋に到着。

小屋から山頂までは木道の緩い登りで20分ほど

天気も眺望も最高なので、中門岳まで往復することにする。
そこから上部は湿原の天国だ。

知らない山が多かったんだが、左手には尾瀬の燧ケ岳 前方には越後三山がくっきりと見える。そこから追っていくと日光白根 男体山 那須ではないかと思う山が見えた。

下山は休まず2時間ほど

平日にも拘わらず、駐車場はほぼいっぱいになっていた。
桧枝岐温泉で風呂に入り、昼飯をくってゆっくり長野へ帰る。
只見、田子倉経由で6時間


4時スタートの予定が4時半に!最初から出遅れ 林道歩きはヘッドランプでもok

白馬尻の小屋。小屋の標高には既に雪渓なし


20分ほど上がると雪渓が現れるがすでにズタズタ 恐ろしい様相


雪の上を歩くのは30分ほど あとは側壁のガレ場を行く


夏山の最盛期は過ぎたので稜線上も静か


雲湧く縦走路


鑓ヶ岳の登りではライチョウが登場 逃げない


稜線から大出原を下り、鎖場を何ヶ所か通過すると鑓温泉 だれも入浴していない
疲れたせいかもしれないがここから猿倉までが結構長かった
スキーならアッという間なんだけど
白馬三山ワンデイ

2016年8月24日(水) 

週末にお客さんを白馬大雪渓までガイドするので下見にいく。
大雪渓ケルンまで歩き、雪を踏んで涼む、ようなプランだったんだが、雪の少なかった今年、白馬尻付近にはもう雪はない。

花はそこそこあるので、まあ、花を見ながら涼みに行ってもらうことにしよう。
きょうは白馬尻までの往復だけだともったいないので、白馬三山を周回してみることにする。

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白馬三山の周回は、通常は2日の行程が一般的。でも、標準的なコースタイムより若干速く歩けば、1日で歩くこともできるので、慣れた人、体力のある人なら充分可能である。

問題は、最近体力に自信のない、私が長時間ウォークに耐えられるか?できるだけ早く出発することにした。

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スタート後1時間は林道歩きなので、4時にスタートの予定だった。夜が明けるころ雪渓に取りつきたい。
支度にもたつき、4時半になってしまう。まだヘッドランプだ。

白馬尻の手前で夜が明ける。

今年の大雪渓はすでにズタズタで、概ね右岸のガレ場をトラバースしていく。2号雪渓の出合辺りから、反対側左岸をいくようになる。結構危険な場所もある。気が抜けない。

白馬山頂着が9時30分を過ぎてしまったら、三山周回はあきらめ、大雪渓を戻ろうと決めていたが、できれば戻りたくない道である。
9時少し前に白馬山頂に到着。
天気も悪くはないので、予定通り三山を周ることにする。

霧で、時々日がさすような天気だったがあるくにはちょうど良い。
鑓温泉からの樹林の道は、結構うんざりする長い道である。
実は鑓温泉経由の道は、夏は40年振りである。スキーではアッという間なんだが・・・


16時5分に猿倉帰着。
所要 11時間半 あまり速くはないが、つぶれることもなく一定のペースで歩けたのでまあ良しとしよう。累計の標高差は約2000m
このくらいのルートが余裕で歩けるとスキーのエリアも広がるんだけど・・・


天狗原から白馬乗鞍への斜面には雪が残る。スキーシーズンには歓声の斜面だ


白馬乗鞍を越えると白馬大池があらわる。夏は何年ぶりになろうか・・・



栂池から白馬大池

2016年7月12日(火) 

予定の入っていない晴天予報の日

7月に北アルプスをガイドする仕事を受けたので、下見にいく。
栂池から白馬大池までのコースはさして難しいコースではないが、それでも久しぶりの北アルプスのガイドで、緊張する。
高山帯であり、雷雨でもあれば非常にやっかいなことになる。特に天狗原から白馬大池までの露岩帯は、雷のときには逃げ場所がない。
今日現在では、残雪も残っている。

そういった「登山ガイド」的な要素も多くなるし、いつも歩いている場所とは植生がまったく違うので、少し予習しておかないとお花好きなお客さんの要求に応えられないのだ!
なにしろツアーの募集パンフを見たら、花の白馬大池、地元の花に詳しいガイドさんがご案内します、って書いてあるじゃないの!ひえ〜!
いまさら「私は花には詳しくありません」とは言えないので、あと2週間で
「地元の花に詳しいガイド」になるしかないのである。
これはプレッシャーである・・・


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栂池パノラマラインのゴンドラ、ロープウェイを利用して自然園へ

大手旅行会社のツアーがいくつも入っており、平日にもかかわらず混んでいる。ほとんどが、栂池自然園の中だけの散策で、天狗原方面に上がるツアー客はあまりない。

咲いている花は図鑑で調べ、わからないものは片っ端から写真に撮り、帰ってから調べる。「これは○○という花です」だけではまったくつまらないので、その花のエピソードも足す必要があり、結構大変な作業ではある。

トイレの場所のチェック、荒天時の逃げ場所等も想定しておく
ゴンドラ、ロープウェイの乗継も要領よくやらないと、ロス時間になりそう・・・

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しかし私自身は、そういうことを考えるのが嫌いではないようだ。
下見ではあるが、久しぶりに北アルプスを歩け、夏山の雰囲気を味わった。
17歳のとき、山の会に入会し、最初の夏山でここに来た。どんな理由であれ、こうしてまたここを歩けることは幸せなことなんだ!。

一回はメンテしているが、何かかび臭い!もう一回干す


来シーズンはTLTビンディングを使ってみようか・・・
スキー板仕舞い

2016年6月27日(月) 

もう一回滑る機会を伺っていたが、だんだん難しくなってきた。
例年6月いっぱい滑れる雪渓も後退し、石だらけ、クラックだらけになりつつあるようだ。
グリーンシーズンのガイド仕事も、(稼ぎは別にして)結構忙しく、プロとしてはスキル不足な私は、それなりに修業する時間も要る。
スキーを仕舞うことにした。
最後はどこを滑るんだろう?と期待してくださった方、スミマセン!

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今冬は雪が少なかった。正月くらいに雪不足の年は今までも結構あったが、最後までこんなに少なかった年は私の経験では初めてだ。
年によって振られる範囲の変化であれば良いが、全般に温暖化が加速しているのであれば憂鬱なことではある。(温暖化=雪不足とは一概に言えないが)

日々、車を使って山にいったりスキーに行くことも温暖化に加担していることになるからだ・・・

来年はまた雪がどっさりと積もってくれることを願う。

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私はあまりお金がないせいもあるが、新製品に飛びつく、ようなことはしてこなかった。
企業のシステム担当だった経験のためか、一貫して
「皆が使って問題が出尽くし、落ち着いて枯れた技術を導入する」
ようにしてきた。新しいものにはリスクが付き物である
しかし、山のギアも日新月歩であるし、ガイドという職業上、「新しく出た○○ってどうでしょうかね〜」なんて聞かれることも良くある。

改めることも必要かも・・・
というわけで、来シーズンはビンディングをTLTにしてみようか・・・
なんて考え、物色し始めている。

熊棚多数。樹の幹は爪痕だらけ・・・熊の生息域に入っているのだ!


いやあ・・・ここはスキーで下降したい場所じゃないよね


氷瀑の掛かる側面壁 沢本流はこの下を右にカーブして上がっていく
戸隠 九頭龍山 表塩根沢 (試登)

2016年3月21日(月) 
やまかわ

今回の山行を
サイトに掲載するかどうか、はちょっと迷った。
そもそもスキーではないこと
途中までしか行っていないこと
身の程知らずなこと

そんな理由だが、たぶん読む方には面白いので書いちゃおう・・・

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戸隠の稜線から滑りたいなー とふと思ってしまった。

調べると結構滑った人はいた。でも
かのA井裕己さん、M浦O介さん、過激なテレマークおやじ(失礼)塚田さん などなど (塚田さんはオレよりちょっと若かった、ごめんなさい)
他にもいたが、みんな筋金入りの、雲の上の人ばかり・・・

それぞれ自分の思ったラインで降りているが、いちばん可能性のありそうなのは塚田さんの「九頭龍山北方ルンゼ」だった。
九頭龍山と1888m峰の間を落ちる沢だ。
戸隠の地域研究をした 長野のロック&ブッシュの記録によると、「表塩根沢」と表記があり、沢登りルートとして発表されている。

最近とみにスキーに自信がなくなってきた自分に滑れる場所だろうか?
自分の目で見なくちゃ始まらないだろう、見に行ってみた。
荒れている可能性も高いので今日のところはスキーは履かず、スノーシューとアイゼンを持って戸隠へ・・・

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まずは朝一でお彼岸のお墓参り それから戸隠へ
戸隠キャンプ場入口へ車を駐車

スノーシューを付け、牧場内を突っ切り、ガールスカウト野営場から表塩根沢と思われる沢目指して森の中を突っ切る。

頭上のブナの樹に無数の熊棚ができている。木の幹には真新しい爪の跡が無数に残っている。雪融けで消えかかっているがそれらしい足跡もある。どこかに必ずいる。私の接近を知って息をひそめて隠れているのだ!
クマは臆病だが、これだけひしひしと気配を感じるのは、気持ち良くない。声を出しながら進む。

両側から尾根が迫ってくると沢の本流だ。沢は完全に割れ、水がじゃあじゃあ流れている。ブッシュを掴み、岩の隙間を上がっていくが、スノーシューだから何とかなるものの、スキーでは通過しにくいだろう。滑れるか?と言われれば自分の技術ではNo!である。

沢がいったん左にカーブする標高1360m付近
上に氷瀑のある大斜面が見上げられる。双眼鏡で観察
氷瀑は見事だが、下の斜面はズタズタである。塚田さんはここも滑っているようだ。今の状態では、私のスキーでは難しいように思う。
今日はここまでで戻ることにする。


塚田さんは稜線までシールであがってしまっており、雪崩を警戒しながらも素早く滑降してしまっている。しかも下部は右岸の台地上を滑ってきた、とのことだが、滑れそうな「台地」ってどこだろう?・・・
今年は雪崩に関してはリスクが小さいが雪割れが激しい。

クマと鉢合わせにならぬよう、久しぶりにドキドキしながらスノーシューでかけ降りて行った。
沢が埋まり、雪渓になるような雪の量の年、また来てみよう。

でもちょっと思った。
下界から見ると戸隠山って東面は全部一様に絶壁に見えるんだが、近くに寄ると案外、尾根、谷が入り組んでおり、傾斜の緩い部分もあるんだ、ということ。


見ての通り、雪はまだらである。多いところでも80cm〜1m位か?


湯の丸山頂にいたっては雪なし・・・スノーシューも脱がないと・・・
湯の丸山 スノーシュー

2016年3月5日(土) 
湯の丸自然保護指導員のインタープリター2名
 & 湯の丸観光ガイド 5名 & 一般のお客様 15名

東御市 湯の丸地区で、登録観光ガイド(自然ガイド)の募集をしていたので、お仕事エリアを拡大したいと思い、応募した。

1回目の実地研修として、「冬の自然体験入門講座」と銘打った、募集型の自然体験のスノーシューハイキングに参加。
登録観光ガイドの他に一般のお客さんも参加しているので、そのサポートも兼ねて、ということだ。

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湯の丸スキー場のある地蔵峠のレンタルハウスに集合
参加者はレンタルのスノーシューを借り、学習センターでご挨拶

リフト一本で高度をかせぎ、つつじ平へ
そこからはマダラに雪の残った湯の丸山に向け、ハイキング。
冬芽の観察や、アニマルトラッキング、周辺の山の同定などしながら楽しく上がっていく。

やや雲が多いものの時々陽がさし、四阿方面も望め、まずまずの天気だった。

雪が締まっていたせいもあるが、飯山のような強烈なラッセルもなく、スノーシューで歩くのは楽チンである。ただ、植生は豪雪地帯飯山とはがらっと変わるので、かなり勉強しないとガイドできない。プレッシャーである・・・


さて、このサイトを見ている人の関心は、「滑れるのか??」だろう。
久しぶりの湯の丸だが、多分にもれず雪が少ない。
BCスキーヤー、ボーダーも何人か上がっていたが、みな雪のあるところを繋いでどうにか降りていた。「まったくだめ」ではないが、例年のパウダー快適斜面は望むべくもない。