鹿島槍ケ岳 鎌尾根ソロ登攀 & 布引沢滑降  2003.5.10(土)

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出典「国土地理院発行の2万5千分の1地形図(神城)」

【日程】   2003.5.10(土)

【メンバー】     山川(単独)

【コースタイム】

大谷原(4:55-5:15)---西俣出合--(6:15-6:30)---鎌尾根末端(7:30)--国境稜線(13:00-13:40)---布引沢---西俣出合(14:45-14:55)------大谷原(15:45)


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鎌尾根最上部から稜線を見る 割れている!

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雪庇はすでに崩されていた

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稜線にぬけ立山方面を望む

鎌尾根登攀、あわよくば北俣本谷滑降、と思い、大冷沢流域に入りましたが、鎌尾根で苦戦してしまい、また北俣本谷の状態も悪かったので布引沢を滑降しました。

5時15分に大谷原を出発。雪がまったくないのでスキーは担ぎ、足はスノトレ。西俣出合付近から雪が残っている。西沢は出合いに大きなクレバスがあるものの、谷はきれいに雪が残っていて快適そう。

それにひきかえ、北俣の荒れていること!

本谷、布引沢ともに土砂が押し出しており、雪渓上は石だらけ。登る予定の鎌尾根も雪がところどころ途切れているようす。

鎌尾根は大冷沢流域の雪稜では易しい方だと言われてます。

以前、5月連休に登ったときはずっと雪がつながっていて容易だったのですが、今回は至るところ雪が切れており、尾根上にシュルントがあいているではないですか。しかも崩壊しそうに垂れ下がっているブロックとか、倒れそうなナイフリッジやらがあって、それを巻いたり、ヤブこぎしたりしているうちにどんどん時間ばかりが過ぎていく。


最後はスキー靴&アイゼンで泥壁登攀までやるはめになり、結局、鎌尾根だけで5時間半もかかってしまった。

ソロなのでもっとさくっと抜けたかったが、これも実力なので仕方なし。

途中、北俣本谷が良く見えますが、下部は土砂が押し出していたこと、中間部の狭くなるあたりで雪面が割れているようだったのであきらめました。
そもそも鎌でこんなに時間かかるようでは・・・

鎌尾根から稜線に抜ける部分はすでに雪庇が崩してあったので問題なし。(写真参照)余裕があれば山頂から牛首山方面に少し滑ろうと思っていたが、そんな時間もなく、山頂付近に雪もついていないのでやめました。
滑るときには、いったいどこから滑りこもう?と考えたが、抜け出た地点から鹿島槍山頂に向け30mほど進んだところに雪庇の弱点があり、そこからドロップイン。

上から見て鎌尾根の左(山頂寄り)の沢を滑り出したが、下部で雪がつながっていないようにも見えたのですぐ鎌尾根を乗り越し、右手の布引沢に入る。

上部は快適ですが、すぐに落石やらで汚い雪面になり、少しでもきれいな部分を探しながらの滑降になる。土砂の帯を避けてスキーを脱いで右往左往すること数度。

正直いって今年はあまり快適ではありませんね。スキーを大分痛めてしまったが、とりあえず1時間ほどで西俣出合到着。状態が良ければ良いルートなのに、少々残念。


鎌尾根は、2万5000図では「布引尾根」と記載されていますが、登山者間では布引岳から派生する尾根を「布引東尾根」もう一本鹿島槍ピークよりに派生する尾根を「鎌尾根」と呼んでいるようなので、それに従いました。

⇒最近購入した25000図では、「鎌尾根」の記載に改訂されています。このページに記述したとおりです。2005年3月