無雪期の頸城のおもしろスポットB
海谷732高地(取水口高地)から阿弥陀山1511m
 2013年11月9日(土)
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メンバー  山川(単独)
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三峡パーク(7:10)---取水口高地---阿弥陀沢入口---右俣左俣中間尾根(仮称)---阿弥陀岳北峰(12:20-12:40)---

---取水口高地---三峡パーク(16:50)


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取水口高地の堰堤。登った尾根は、写真で、堰堤の上から左上に上がっている尾根だ。


尾根上は基本ずっと藪である。眼下に取水口高地


3時間半の藪漕ぎをこなし山頂へ。火打、焼山は白い。


下りのルート 藪が密生。千丈ケ岳方面に降りないよう、要注意


阿弥陀山は無雪期の登頂が難しい東海谷山稜の一峰である。
登山道はない。
しかし、マニアックな人たちにより、雪のない時期にも登頂はされている。ネットで検索すると数件ヒットする。
上の写真の双耳峰が阿弥陀山である。積雪期は素晴らしく目立つピークと言っていい。


何年か前に「岳人」の「ミニガイド」コーナーに阿弥陀沢左俣からの阿弥陀山が紹介されたことがあり、私も2004年にトライしてみた。
そのときは、結局阿弥陀沢の出合すら特定できずに海川の渡渉だけでパンツまで濡らしてしまい、戻ってきた。

しかし、調べてみると、阿弥陀沢を詰めた人の多くが上部で岩壁に阻まれて敗退している。むしろ、残雪期を除いては、阿弥陀沢右俣と左俣を別ける尾根を詰めている人の方が成功率が高いようだ。ただし藪はひどいとのこと・・


7:10に山峡パークを出発。1時間少々で取水口高地に到着。さて阿弥陀沢の出合を探すが、高地の右岸は見通しが効かず、小さい水流が交錯していて、さらに海川本流伝いには歩けず、なかなか難しい。
うろうろして時間をロスしてしまったので、登る尾根に目星をつけ、コンパスを合わせたら、藪や小沢にひるまず直線的に突破してしまった方がよいようだ。

というわけで何とか尾根の末端にとりつく。
ところどころテープの目印がついていて登降に使われていることはわかる。しかし、藪はひどく、ところどころ露岩を登るような急登も出現する。灌木が手掛かりになるが、転落したらただではすまない。さすが海谷の山だ。

最初は鉈で邪魔な枝を払いながら進んでいたが、そんなことをしているとなかなかペースが上がらず、対岸の駒ケ岳はなかなか低くならない。鉈は使わず、かき分けた灌木をそのままホールドして体を引き上げた方が速いので、途中から作戦変更。

人の入らない場所だけに通り道にナメコの大群出現。
時間もなかったので、「無事登れたら帰りにもらっていくからそれまでいてくれよ」と頼み、とらずに登り続ける。

1300m付近でいったん尾根の形状を失うが、その付近はけっこう赤テープがついている。

次第に藪は濃くなり痩せ尾根上を灌木の上を伝わるような、足のつかない藪になってくる。五葉松が現れると山頂は近いが藪は一層ひどい。

最後は脆い岩のリッジを登り、数分藪をこぐと、突然目の前に石仏が現れた!北峰山頂だ!高地から3時間40分
思いのほか時間がかかった。
ちゃっちゃと写真を撮り、食糧を口にして下降に移る。

頂上直下の岩リッジは非常に脆く、やや危険を感じたので、ロープをだし右手の不動川側に懸垂下降する。斜度が緩くなったところでトラバースして尾根に戻る。

後続の人になめこを収穫されてしまうのでは?と心配したが今日はだれもこの尾根を歩かなかったようで無事残っていた。
下の方でガラガラ落石の音がするので見たら、熊が一頭大慌てで逃げて行った。

そんなことをしていたら高地にもどったのは日が陰った15時半

あとは登山道なのでヘッドランプでも戻れる。しかし、来るときにはあった梯子や橋が帰りには撤去されてしまっていた。海谷渓谷の観光シーズンは終わりなのだな・・・

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家で風呂に入ると、手足は無数の擦り傷だらけであった。
1500mほどの低山ではあるが、国内名うての悪場、海谷山塊である。一般の里山と同一視はできない。
行かれる方は、補助ロープ位持っていた方が安心である。何もないとコースミス等、トラブった時に身動きがとれなくなる。また、できるだけ早立ちすることをお奨めする。

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この3日後、日本列島は強い寒気に覆われ、北日本、日本海側では本格的な積雪となった。海谷も雪に閉ざされたに違いない。
私の登ったのは今年最後のチャンスだったのかも・・・・

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