小遠見山 犬川源流周回(月夜棚尾根) 2011年3月13日(日) 
 唐松周辺エリアへ トップページへ


先週は一ノ背髪。2週連続して白馬五竜周辺に出没。

東北地方では多数の地震犠牲者がでるなか、遊んでいるのは少々ブルーになるんだが、そうかといって何も手助けはしてあげられないのだ・・
現地に出かけていくわけにはいかないし、別の形で協力するしかないのだろう。

とはいうもののやはりスキー場は空いていた。

犬川の流域は、最近のパウダー流行りで、かなり細かくすべられているようだ。
当初一ノ背髪の南面を考えていたが、上りながら観察すると、いたるところに破断面がみられ、積雪は不安定なようである。しかも今日の雪は
超重量、湿りトリモチ雪、で快適な滑降はまず望めそうもない。沢中を通過しない犬川の周回に予定を変更した。
11日には小日向山でも雪崩遭難があったようだし、正解だったかもしれない・・(実はこのニュースは帰宅してから知った)

この犬川の流域を周回するコースは、主に尾根上をいくので、雪崩に関しては比較的安全だが、アップダウンもあり、
やや、クラシックな「山スキー」の雰囲気をもっている。
この周辺は長野市の塚田さんのサイトに情報が詳しく、私も参考にさせていただいた。感謝いたします。
http://www.ytsukada.com/tomione/2011_2_19/inukawa2011_2_19.htm

メンバー  yamakawa
*=========================================================================================================*
長野(7:00)===白馬五竜スキー場P(8:00-8:20)+++スキー場最上部(9:15)------小遠見山(10:35-10:45)---

天狗の鼻1927m(11:50-12:05)---1682mピーク(12:40)---白馬五竜スキー場P(14:05)
*========================================================================================================*


二ノ背髪 リッジ上がるところはちょっと急 クトーが有効 
白馬五竜のテレキャビンにのりアルプス平ゲレンデへ
山スキーヤーの間ではアルプス第一リフトは使わないのが常識のようでみんな使っていないのでゴンドラ終点から歩きだす。確かに時間的には大して変わらない。
でもリフトの方が楽だな・・・

なんとトレースがついていない。昨日は、好天だったのに誰も入らなかったのか?地震のためか?さほど深くないが、ラッセルである。

まあトレースをつけるのは好きだし、善しとしよう。
最近、「後続してあがってきたスキーヤーが、何の挨拶もなく、ラッセルの礼を言わない。マナーがなっていない」という意見をよく見るんだが、ラッセルも自分が好きでやっているんじゃないのかね?(私はそうなんだが・・)
礼はいったほうがお互い気持ちはいいだろうが、そうでないからと目くじらたてたり、他人に説教したりするようなものではないだろう。(ラッセル、やらせてくれてありがとう!といってみたら?)
山スキーや山登りに、「自分自身の満足」以上のものを求めてはいけないのでは?
これらは、世の中の役には立たない、無償の行為なのだ。山にいけることに感謝しながらいかなくては・・ましてや「礼を言え」なんて・・・・

というわけで、本日、小遠見山に一番乗りで到達。
後続で来ている人がいることはわからなかったが、なんと前述の塚田氏が登ってきていたそうで、偶然、左の写真を撮ってくれた。
塚田さんは小遠見から平川に過激な滑降

世の中は狭い。山の中はもっと狭い。あたりまえだが山スキーの世界はもっと狭い。
山スキーヤーみな友人である。
小遠見山東面 雪崩破断面がいたるところにある
小遠見山山頂 鹿島槍北壁が美しい
小遠見山からこれから行く天狗岳方面 今日のルートは前半何回か登りがあるので、シールの脱着がある。
小遠見からは短いがロケーションのよい滑降なのでシールを外す。

基本的に湿雪、ところどころアイスバーン、左手は雪庇になって張り出しているので、あまり思い切ったことはできない。天狗岳との鞍部で、シールを再装着。

天狗岳は西側をトラバースして巻く。天狗の鼻、1927mで小休止とシールを外す。

天狗の鼻からのやせ尾根 ルートは右の尾根
1927mピークからはやせた尾根の下降なので、最初は横滑りで、ずるずると下降。
悪雪なので、慎重に下降する。失敗すると滑落する。
途中から回転できそうな広さになってきたのでターンしながらすべる。
雪が適当にしまってきて結構楽しい。


1682mから月夜棚の尾根への分岐

1682mから北北東に伸びる尾根に入る。この尾根下部に「月夜棚」と呼ばれる平坦地をもっているので白馬村の知人は「月夜棚の尾根」と呼んでいたが、ネット上ではその名前はまったく見ない。

地味な尾根だが、ぶな林の林間滑降が渋い、よい雰囲気のコースである。(豪快な滑降とは言い難い)
前述の塚田さんのサイトでは1439m手前の平坦地から犬川に滑り込む、となっていたが、やや先に進みすぎてしまい、
急なガケ状の沢の上にでてしまった。
尾根を末端付近まで行ってから犬川に下りた記録もみたことがあるので、しかたなく1439mピークの北面をそのままトラバースして尾根をそのまま進む。左下に堰堤が見えたので急な樹林帯を滑りおりていく。
なにやら左手上のほうから雪が落ちてくるので、
「なだれ?」と思ったら、クマが逃げていくところだった。ちょうど私が行きたい方向に逃げていくので(おいおい)、しばらく待ってやり過ごす。ラッセルしながら必死に逃げていく姿は、少々かわいそう。


犬川を渡る、なくなりそうなスノーブリッジ
クマをやり過ごし、堰堤まで降りると、地蔵の頭から滑ってきた、という2人のスキーヤーがいた。堰堤の左岸を進んだところ、がけに阻まれて、右岸に戻ってきたそうだ。

堰堤を右岸から越え、堰堤の100mほど下流で沢を左岸に渡るが、非常に危なっかしいスノーブリッジが残っている。あと数日でなくなりそうだ。なくてもわたれないことはない。林道らしきところをたどっていくと白馬五竜のゲレンデへ。


どうも、犬川へ降りてからの堰堤は複数(2個?)あるので誤解されやすいようだ。
地形図の1034mにある堰堤は右岸から(左岸をいくとガケに阻まれる)。
940m付近にある大きな堰堤は林道どおしに左岸から越えるのがよい。
940mの堰堤の直下には橋もあり、「堰堤の直下に橋がある」と記載したサイトもあるので上の堰堤と混同しないよう注意されたい。尾根を末端付近までいき、この橋で犬川を渡った記録のサイトもあるが、尾根の下部はやせて険しそうだ。

唐松周辺エリアへ トップページへ