赤沢岳 2009年5月15日(金)

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昨年鳴沢岳をすべり、とてもよいルートだったので、今度はお隣の赤沢岳だ。
ゴールデンウィークに仕事をしたので、本日代休。たまたま天気の良い日にあたりラッキーだ。平日の赤沢岳にくる人などほとんどいない。今日は貸切の山だった。

メンバー  山川
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5月15日 快晴 

扇沢(7:35)---赤沢出合(8:20-8:30)---2038mピーク上(9:50-9:55)---赤沢岳稜線2600m(12:15-13:05)---
---赤沢出合(13:40)------扇沢(14:20)
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今シーズンは雪が少なかったが、標高の高いところにはそこそこ残っている。針ノ木雪渓方面は、作業道に入り2番目の堰堤付近まではスキーが履けないが、それ以降は例年並に残っている。
赤沢出合では、まだ篭川の流れは出ていない。あと2週間くらいは渡れそうだ。

赤沢岳の東面はいくつか滑られているラインがあるようだが、今回はマゼンタの線が引いてあるラインで、もっとも一般的なものだ。
写真でわかるとおり、ダイレクトに赤沢に滑降するラインもとれそうだが、幅が狭く、時期が遅くなると雪が切れてしまうだろう。

魅力的なのは赤沢岳より南の稜線の東面の大斜面だが、中間部に岩壁があり、ラインを把握しておかないと滑れないだろう。

地元大町山の会では赤沢岳東面にA稜〜C稜の3本のリッジがあると報告し、登攀しているようだが、あまり顕著な尾根ではなく、どれがそうなのかよくわからない。確かに大きな尾根は3本ありそうだが、他に派生した小規模なリッジが数本はあるように見える。

赤沢出合でシールをつけ、しばらくは赤沢を詰める。標高1800m付近で右手の台地に上がり、2038mのピークの上で一本北の沢に乗り換える。
まだしばらくはシールで登れそうだが、ここから狭くて急な沢を詰めることになるので途中での付け替えは難しいかも、と考え、ここからスキーをザックにつけ、アイゼンで行く。
急な沢で、荒れているのでそれが正解だったようだ。

今日は気温が低めで、落下物も少なく、雪も締まっており、アイゼンが効くので登りやすかった。沢が左にカーブするあたりがもっとも急で回り込むと広い斜面になる。
頭上の岩場を回りこみ、最後100mくらいの詰めは、45度以上あり、ピッケルも動員する。途中大きなクラックが入っており、深くえぐれていたので慎重に回り込む。すべる時注意しよう。



急な斜面にヒイヒイいいながらも、稜線にでると、正面に剣岳、左後方に針ノ木岳、蓮華岳が飛び込んでくる。赤沢岳の北方250mくらいの地点と思う。

赤沢岳のピークは近いが、面倒だったのでパス。(ピークから滑れるならいくけどね)
ピーク手前のこの斜面が魅力的だったが、下から見た絵を思い出すと、これを滑ると登ってきたラインとまったく違うところに入ってしまいそうだ。
やめとこう。
(美麻の菅育夫氏のサイトによるとこれを直登ルンゼと呼び、菅氏ご自身が滑っている。途中幅3mほどの狭いノドを通過したとのこと)
というわけで、登ってきた斜面を下ることにする。

多分一時間もあれば降りられるし、時間があるので、靴を脱いで剣を眺めながら日光浴。



剣はまだ雪の鎧をまとっている。
黒部別山は真っ黒。


ドロップイン地点から下を見下ろす。

緩く見えますが45度以上の結構な急斜面です。

でも雪がザラメなので、あまり不安は感じない。ゆっくり休んだので、さて滑りますか。
回転しやすいザラメ雪で快適。途中大きなクラックがあるので、それを避けて右手から迂回する。

稜線から滑り出し、下降する途中でとった一枚。

写真を撮りながら35分で赤沢出合に到着。
上の堰堤まで滑り、そこでスキーを脱ぐ。針ノ木、蓮華のスキーは雪が締まるこれからが旬、という感じですね。鳴沢岳の大斜面もまだきれいです。
扇沢から大沢小屋付近までのアプローチを工夫すれば、まだまだ楽しめそうです。

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