鳴沢岳 赤沢から鳴沢岳へ 2008年6月1日(日)
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蓮華岳の南面を滑るつもりでまた扇沢にきたが、今日は慎太郎祭。針ノ木雪渓に向かう登山者が大勢いた。
もうちょっと早く家をでればよかったのだが、ちょうどバスをおりて作業道に向かう数十人の団体と鉢合わせになってしまった。このにぎやかさはちょっと勘弁してほしかったので針ノ木峠に向かうのは止めにして、最近気になっていた鳴沢岳へ向かう。旬の時期は過ぎていて2回ほどスキーを脱ぐが、それでも楽しい斜面であった。雪も安定し、会心の滑り。
鳴沢岳の情報については美麻の菅さんのWebサイトを大いに参考にさせていただきました。ありがとうございました。。
メンバー 山川(単独)
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扇沢(7:55)---赤沢出合(8:40)---鳴沢岳稜線(12:15)---赤沢出合---扇沢(13.50)
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慎太郎祭に向かう登山者と別れ、赤沢出合へ。かろうじてスノーブリッジが残っているが、薄くなっているので来週はもうだめだろう。 赤沢の雪渓もやせ細っている。(写真) 鳴沢岳に突き上げるルンゼはお隣の沢から立ち上がっているので右手の沢に移らないといけないのだが、時期が遅いため間のリッジに雪がついていない。そのまま赤沢を詰め、2038mのピークの下あたりでスキーを脱ぎ、ブッシュの薄い部分を10mほど横断し、右斜面にでる。 |
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右斜面にでて愕然。鳴沢岳から流出した土砂が雪渓を縦断しており、快適には滑れそうもない。(写真) しかたなく、赤沢の本流で滑れるところを選んで滑ろうかと思って少し戻り、先ほど登ってきた斜面を詰めていくとまたまた愕然。 さっき見た斜面の右手に真っ白な大斜面が現れたではないか。左の写真では良くわからないが尾根に隠れた部分に汚れていないキレイな大斜面があったのだ。 げー、これを滑らずして今日やって来た価値はない。思い直して2038mピークの上でまた右手の斜面に戻り、土砂の押出しだけは我慢して横断して、キレイな大斜面に入る。 ちょっと寄り道したが、これは素晴しい斜面だ。 |
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これがさっきまで見えなかった大斜面。斜度は30度から35度くらいの程よい斜度である。ルートは左手の斜面に入るのだが、その中で右手のルンゼを詰めるようである。 ルンゼの左俣は上部に巨大な雪庇が張り出していて危険すぎるだろう。 時おり左手の岩場から石が落下し、斜面の上をすっ飛んでいく。 |
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ルンゼに入るまではシールで登る。ルンゼは結構急なので、アイゼンとピッケルに切り替える。ピッケルを刺しながら登りきると、剣岳が額縁のように見える小さなコルにでた。縦走路があり、鳴沢岳までは15分ほどのようだが、ピークはどうでもよいのでパス。滑る準備をする。 思えばこの稜線を縦走したのは山を始めたばかりの18歳 30年前である。そのときはこんなところスキーで来るとは思わなかったなあ |
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コルからは最近滑った蓮華岳の北面の様子が良くわかる。 マゼンタが大沢左俣。 緑が大沢右俣。 黄色が赤石沢。 蓮華3部作だなあ すべて標高差1000mを下る急斜面でなかなかのもの |
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ルンゼの最上部は雪庇が縮小した斜面なのでかなり急(50度くらい?)であるが、急なのは10mくらいである。雪が完全にザラメなのでターンしやすく、緊張感は感じない。最近、スラフの跡や、デブリの山ばかり滑っていたので、それと比べると超快適。楽しい! 石もなく、思ったようにコース取りができる。 これはいいぞ! ルンゼを100mほど下るとそこからは大斜面。 好きなライン取りで飛ばせる。久しぶりに会心の滑降だった。 |
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下部ではこんな土砂で汚れているが、スキーを脱いで横断すればよくこれはご愛嬌。 向こう岸にわたればまた雪面はきれいになるので、また滑降。 |
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下部は傾斜は緩いが、天然のキッカーができておりなかなか楽しい滑降である。このルートなかなか遊ばせてくれる好ルートである。 30分弱で標高差1000mを滑り赤沢出合へ。 ここからはスキーを担ぎ扇沢へ。 5月上旬であれば下部も一枚バーンになり、扇沢付近までスキーで降りられると思うので、このルートの「旬」といっていいでしょう。 6月では、ところどころで雪が途切れ、雪をつないで滑るようになるのでやや魅力は落ちます。出合のスノーブリッジは近いうちになくなるでしょう。 充実した滑降でシーズンを締めくくりたいので、今シーズンはこれで終了にしたいと思います。 「ごたてSkiParadise」にきていただきありがとうございました。 また来シーズンお会いしましょう。 |