国内ブッコ:その丘の向こう
……編集室ファイル#7

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4.滝川

9月12日 15:26 滝川着

 滝川は、思ったより小さな駅だった。札幌や旭川ほどのサイズは期待していなかったが、もうちょっと大きいと思ってた。でも用は足せると思ってた。駅前に西友あるし。
 駅を降りるとロータリーがあり、目の前に西友が。でもどこか閑散としてる。ビジネス街でもない都市の平日午後3時半なんて、こんなもんかもしれない。
 そう思いながら西友に近づいてみると、営業すらしている気配がない。正面玄関に回ると、こんな張り紙が。

「北海道西友 滝川店は、8月31日をもって完全閉店させていただきました。」

 ええ〜〜〜〜っ!?

 商店街に出てみても、めぼしい店は見つからなかった。
 というかシャッターが上がってる店を探すほうが大変なくらい。
 地方都市というのはモータリゼーションが進んでるから、鉄道の駅前よりも国道沿いや高速道路の出入り口のほうが反映している。前に長岡行った時も、寂れた駅前ってのを見たことがあるから、わからないでもない。
 それにしても…この寂れ方は、ちょっと悲しかった。

 せめてコンビニでも、と歩き回るが、それらしき店は見つからない。一番近くにある国道目指して歩くと、やっと大型店の建ち並ぶエリアに出てこれた。コンビニはそこから少し駅側にそれたところにあった。
 そのコンビニの近くにあった看板。

「滝川駅→ 1km」

 いつのまにかすごい距離を歩いていたらしい。駅まで歩くことを考えると、時間はあまりない。
 コンビニに置いてあった北海道のガイドブックを買い、駅に急いだ。

*余談*

・少女の祈り
 西友の前の地下道は、若者たちの溜まり場になっていたらしい。
 いろんな事情で町を離れることになった若者たちの落書きが、レンガの四角いマスに納められて書きなぐられている。残していく若者たちへの別れの言葉、名残を惜しむ言葉。日付を見ると数年以上前のもの。とするとたぶん僕と同い年ぐらいなんだろうけど、彼らはどうなったんだろう?
 そんな中に、こんな書き込みがあった。
「10/10(木) 今日の出来事…涙が止まらない。思い出が頭から離れない。もう1度やり直そうヨ!前みたいに仲良しカップルになろうヨ!でももう私はダメみたい…。ショックだから、えいえんのサヨナラ…。わすれないで、私の事。」
 なんか、じ〜んと来てしまった。
 彼女は失恋を乗り越えられたのだろうか。新たな恋を見つけ、幸せに過ごしているのだろうか。
 ――僕は、どうなんだろう。前の失恋を乗り越えられるのかな。去年の12月からずっと、こんな状態で立ち止まってるんじゃないかな。

・気になる数字
 滝川駅の西友跡の正面、ロータリーの一部となっている道には、こんな名前がついている。
「3・4・22栄通」
 3・4・22って何だろう…2003年4月22日じゃなさそうだし…平成3年4月22日か?
 こんな番号が道の名前になってしまうところが、面白い。

・超ブルー
 滝川駅の周辺をさまよっている時、地元の女子高生が自転車で通りかかったんだけど――。
 紺よりもずっと明るい、明らかに「青色」のセーラー服。カラーの帯のところまで真っ青。これだけ明るい青色のセーラー服って見たことがない。
 ――と言っても、別に制服が趣味なわけではないです。はい。一時期好きだったことはありますが(何

続く→

(03/9/23)
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