sssssss


11.フラワータワー


「たっだいま〜」


今や司令室となった元学園長室の扉が勢いよく開かれ、顔を覗かせたのはこぼれ落ちそうな笑顔の二人。
何故かお揃いのアロハシャツを着て、両手いっぱいに何か紙袋を抱えていた。



「おう、お帰りー」

「どうだった?休日満喫した?」

「したしたー。楽しかったよ温泉旅行」

「ご飯もおいしかったんだよー」



話を聞きながらおおこれはいい感じかも!とリノアは一人心の中でうなずいていた。
どこまでもどこまでもどこまでも進展が遅すぎるこの一組が二人きりで休暇に旅行と聞いたときは他人事ながら我がことのように喜んでいたりした彼女である。
延々話につき合わされた上「何か協力してあげないと駄目でしょ!班長として!」などと不条理なことを言われたスコールはまたも彼女のお節介という名の”病気”が発病したことを知った。迷惑な話だ。



「で、で?どんな感じだったの?」

「えっとねえ。温泉に行って」

「ご飯食べて」

「お風呂入って」

「お土産買って」

「一泊して帰ってきましたー!」

「そうじゃなくって!そういうことじゃあなくって!何か進展あった?なにかした!?」



頼むからY談は修学旅行の夜だけにしてくれと心の中で歯ぎしりするスコールの心配はよそに、二人は顔を見合わせて、何かしたっけ?と首を傾げた。



「あっ卓球したよっ!あたしボロ勝ちー!」

「いやそうじゃなくて!!」

「あんまり卓球しすぎて力つきて爆睡しちゃったよねえ〜」

「30連戦もしたら、あたりまえだよね〜」

「あっそうそう。はいこれお土産」

「温泉饅頭!みんなでどうぞー?」



一人加わったことで無敵度が増していた。
リノアの病気も跳ね返し、全く何事もなかったかのように嬉々として土産物を配る二人を見ながら、スコールは思った。






おまえらほんとうににんげんですか?
ひととしてのさんだいよっきゅうもってますか?ねえちょっと。おかしいのはおれだけ?






「…ど、どしたのはんちょ!?顔がミドリ色だよっ!?」


思わず司令官の頭をつつきながら尋ねる彼女に、恋愛ジャンキーであるその人は代わりに答えた。




「地面をのたうち回りたい衝動と自らのプライドの板挟みになってるの。ほっといてあげて






スコールはサイファーより強いけど、その他には弱いといい





12.銀色と金色と白

→気持ちだけ17の続き



その時代にも魔女がいた。

魔女は人を慈しんでいたけれどその力を恐れられ険しい山へと追い立てられた。
静かだが孤独な日々が続く。
孤独は徐々に段々闇を呼び、彼女の闇に吸い寄せられるかのごとく一頭の竜が現れる。竜は暴虐の限りをつくし、終いには麓の村にまで被害は及んだ。
魔女は人を慈しんでいたから、人のために心を痛めていた。

すると竜を退治すべく村から命知らずで正義感の強いの一人の若者がやってきた。
若者は魔女と出会い、迷わずに言う。

私はあなたを助けに馳せ参じたのです。これからは私がお守りいたしましょう。









青年は右隣の席を見る。
父は腹を抱えて笑っていた。
左隣の席を見る。
恋人はぼろぼろと涙をこぼしていた。


目の前には確かに気弱そうではある背丈の大きな魔女を庇い
確かに元気そうではある背丈の小さな騎士が
一頭の竜との戦いの火蓋を切ったところであった。



あのドラゴンの中、風神と雷神らしいぜという物知り友人の話に適当にあいづちを打ちつつ、彼は沈黙を守ったまま、ひとりごちた。





「なんであんなに、似合うんだ」






その声が届いたのか、魔”女”は彼に向かって片目を瞑って
ああ騎士さま、お待ちしておりましたぁ とよく通る声を響かせた。









女装趣味だ!
一番似合うのはラグナおじさんだと思います(でも言動でばれると思います)






13.友達が死んで初めて気付いた事はね、

[頑張るよの日]
まみむめも!(流行らなくてもいいやって開き直っちゃった〜!というわけでマイブーム!)
明日は友達とケーキバイキングに行って来まーす!
祝第三回大会っ!
前回は3ホール半でギブアップしちゃった私だけれど、今回はそうはいかないもんね〜。
みんなで作戦会議を開きました!ワーやる気満々〜!
今回は頑張って4ホール完食を目指します!
優勝者は料金タダだから、頑張るぞっ。
それではいちきます!



[頑張ったよの日]
なんと作戦は見事大成功〜!
4ホール半いけました!新記録、たっせーい。
しかーし優勝はなんとスコール!
あまいものはキライーって言ってたのに凄い勢いで食い尽くしてました。
(しかもあまーいチョコレートケーキばっかり!)
それを見てたらお腹いっぱいになっちゃったってキスティが嘆いてたくらい、ヤバヤバでした。
どしたの、いいんちょ?ヤケ食い??



[真実はいつも一つの日]
今日は我らがバラムガーデンで事件がありました〜(ってみんな知ってるかな?)
訓練所で殺人未遂事件〜!被害者はみんな知ってるあの有名人!
で、で、犯人と友達なわたしは(えへへーすごいでしょー)
さっそく犯人に原因を聞いてみたら「被害者が年少クラスの子を泣かしてた」んだって。
廊下を走ったくらいでそんな厳しいこといわなーい!
自分は世界を混乱に陥れたりガルバディアガーデン勝手に動かしたりしたんだしね!
というわけで被害者の人はきちんと泣かした子と犯人に謝ること!
そうそう犯人はこないだのケーキバイキングの時マンゴープリンが食べたいなーって言ってたよ!
(残念ながらババロアとプリンは食べ放題メニューになかったんだよね〜)
ほら急いで買いにいくっ!(ここ見たみんなは被害者の人を見かけたら教えてあげてね!)









「あ、サイファー。マンゴープリンだぜ、マンゴープリン」
「マンゴープリンならドールに美味しいお店があるって話だよ〜」
「急いで買ってきたほうがいいもんよ!何とかプリンだもんよ!」







「…………なんだ、それ?」







意外と読者が多かったセルフィのヒミツ日記




14.ビールを飲む犬

あのねスコール今日は楽しかったねえみんな凄く楽しそうだし私も凄く楽しいのお酒弱くなんかないのパパはお前は弱いんだからよしなさいっていっつもなめさせてもくれないんだけど森のフクロウのみんなは結構飲める人多くてあっでもみんなあんまり飲むなって泣いてかもなんでかな朝もだんだん起こしてくれなくなってねガーデンっていいところねここのええとバラムガーデンやっぱり学園の一番偉い人が理解有ると凄く雰囲気みたいなのがいいっていうかトラビアガーデンはもっと自由だってってことはとんでもなさそうだよねみんなセルフィみたいな感じなのって聞いたらそうだよ!って言ってたんだけどそれってアーヴァインにとっては天国じゃない?天国よね?キスティスはお酒飲むと幸せな気持ちになれるけど量を考えなさいっておかあさんみたいなこというのおかしいよね一歳しか違わないのにねあれ二歳だったっけなんであんなに落ち着いてるのかしら私ももう一つ年取ったらあんな大人っぽくなれるかななれるかなれるよね魔女パワーで身長とかのびないかなあたしもうちょっと身長欲しいなどうせなら20メートルくらいになってスコール踏みつぶしちゃったりしちゃったりするわよおあははははやだーアンジェロどうしたのそんなふらふらしちゃって酔っぱらってるの?だめようあなた体小さいんだからそんなに飲んじゃ真っ直ぐ立ってもいられないの?やだあははははは







ばたんと勢いよく倒れた彼女が慌てて医務室に連れて行かれるのを黙って見送った彼は、自分の足下で大人しく座っている犬の姿に気がついた。
未来の魔女を倒した今、現在存在する魔女の一番近いところに一番長くいたこの相棒はリノアのこんな姿は見慣れているらしく、吠えもせず鳴きもせず、ただただそこに座って諦めきったような目をしている。それはきっと、今の自分と同じ目。


彼はため息をつき、彼女のための皿にグラスからシャンパンを少しだけ零し、そのままかつんと打ち鳴らし、乾杯した。



お前も今まで大変だったよな、お疲れ



あなたもこれから大変ね、という視線が返ってきたように感じて彼は黙って肩を落とした。







エンディングのパーティで酔っぱらったリノアと
その保護者達






15.洗濯物はすべて青色のシャツ

宇宙に行って来た僕の可愛い友達(まだ友達。残念なことにまだまだ友達)は体全体から何かエネルギーみたいなものを爆発させながら僕に宇宙の素晴らしさを語ってくれた。

「宇宙凄かったよ!」
「なんか網みたいなのでお魚みたいに捕獲されて」
「宇宙服の人たちに回収されて」
「ぷかっとこう、浮いて」
「昔の魔女がばりばりっと封印されててね」
「リノアが操られちゃってね」
「スコールが弾かれては立ち上がり、弾かれては立ち上がり!」

スコール達が宇宙で拾ってきたって話のラグナロクの操縦席で、ぱちりぱちりと適当にスイッチを押しながら、こちらをふり返って元気良く話す彼女。その彼女が宇宙ステーション脱出時の事故に巻き込まれて、奇跡的に無傷で、偶然ひっつかまえたチョコボに乗って適当に走っていたらここまで戻って来ることができたなどとは誰が信じられるだろうか。何かの力が働いたのだとしか考えられない幸運。きっと神様だとか、魔女様だとか、大統領様だとかそういったやつの。
彼女はきっと気がついていないけれど。

「ほんとに宇宙凄かったから」
「星とか目の前に浮いてたから」
「あれを見ないうちは死ねないね」
「だから」
「あたしももっかい行きたいし」
「そのうち一緒に行こうね」

彼女は笑っていた。ぐっと操縦桿を引きながら、ただただ笑ってた。



「新婚旅行とかで!」









その瞬間、あっ動いた〜!飛んだ〜!と彼女自身の歓声でその場の空気はかき消されてしまったのだけど、これはまあ、肯定的にとって良いことなのか。でもほら彼女ってそういうところ結構どうでもいいかんじだし、今はラグナ様格好良いー!って目がハートだし、僕のことも昔のこと思い出したらますます弟分みたいにしか見てないし。けど、良い方に捉えて良いのかな。ええと、それよりなによりとにかく今はこの乗り物が空を飛んでいることを、そして動かしている彼女の素晴らしさをみんなに伝えることが重要なのかな。うん、そういうことにしておこう。今のは気のせい。気になるんならあとでもう少し詳しく聞いてみような、僕。



宇宙に行って来た僕の可愛い友達(以上恋人未満?それは言い過ぎ?)は太陽にも負けないくらい眩しい笑顔を振りまいて、操縦桿を握って、操縦席に座っていた。僕はその後ろでフロントガラスに映る彼女の笑顔を見ていた。
船はもう空を飛んでいた。










りょうおもいなんだよー(説得力なし)






16.赤い色が染み付いた刀

ぴんぽんぱんぽん


『バラムガーデン落とし物係よりお知らせします。本日訓練所ドローポイント付近で血の付いた鞭とずたっぼろのサイファーくんが落ちていました。心当たりのある生徒は保健室のカドワキ先生が預かっていますので引き取りに行ってください。3日以内に引き取り手がない場合は処分されます。バラムガーデン落とし物係よりお知らせしました』







「…今度はなにしたんだあいつ」

「おつかい、遅れちゃったのかなー」





サイファー最弱計画




17.男と女のサイクル

最近あの凸凹コンビの姿を見かけないと思っていたら近付く学園祭の準備に追われて目の回るような毎日を送っているらしい。なんだかんだ言っては彼の元に顔を出していたあの二人。なんだか寂しい。
リノアから聞いた話によれば実行委員長セルフィはバンド活動だけでは飽きたらず、実行委員と有志による演劇公演までするそうだ。物凄いバイタリティ。拍手を送りたくなる。

実行委員会室、もとい図書室を訪れると忙しそうにしていた彼女は驚いたように手を振って、駆け寄ってきた。めずらしーねーいいんちょ。どしたの?暇すぎた?などという台詞を黙殺し、調子はどうだと尋ねる。



「結構いいかんじだよー!今いっちばん忙しいとこ!」

「劇、するんだって?」

「そうそう!しかもストーリーはなんと!あのラグナ様最初にして最後の主演映画『魔女と騎士』!見て見て衣装とか凄い凝ってるの!」



衣装係の子が張り切っちゃってねー!とガチャガチャと箱から出して見せたのは最早博物館でしか見ないような銀の鎧。確かに本格的だ。しかしこんなもんどこから見つけてきたんだと思わず感心する彼は、ふと違和感に気がつく。



「…それにしては小さくないか?この衣装」

「余裕余裕ー。あたしにはまだ大きいくらい?」

「…なに?」



部屋に張ってあったポスターを思わず見つめてしまう。
出演のところには彼女とその相棒である青年の名前。演じる項目は魔女と騎士。



「今サイファーにあのガンブレードの持ち方教わってるとこだよ〜。ん?どしたのスコール」

「いや…」




明らかに自分と同じくらいかそれ以上の身長の人間用だと推測される、黒のロングドレスから視線を逸らしつつ、彼はとりあえず言葉を濁すにとどめておいた。

ぜひぜひ見に来てね!いいんちょ特権のいっちばんいい席取っておくからね!という彼女の問いへの答えも、濁しておくことにした。





続きたい!





18.走れ!女達!!

19から続き


きっかけは、ガーデン卒業を目の前にしたその時期に、その話が偶然耳に入った、それだけ。


「そういやセルフィって卒業したらどうすんだ?バラムガーデンに残るのか?」

「あたしはねートラビアガーデンの教官赴任の話があるんだよねえ。むこうから正式に要請来たよ」

「ああ、あっち大変だものね。やっぱり向こうに行くの?」

「うん、トラビアのことはやっぱり気になるしー。やっぱり向こうで育ったからね、あたし」

「そっか、寂しくなんなあ」

「じゃあお別れ会しなくちゃ」

「ありがとーみんな」


そんな会話を耳にして、今やガーデンの最高責任者である青年は、ふと思った。
アルティミシアを倒したあとなんだかんだ言って一緒にいたメンバーが別れるというのは考えてもいなかったことで、なかなか寂しいものがある。
彼女には色々世話になった(世話をしたと思っていたのだが、それは違うと周りから怒られた)わけだし、何か礼をしなくては。そうだなあ。
彼はしばし書類を読む手を止めて考えた。5秒ほど考え、直ぐに答えを出した。



「セルフィ。餞別にアーヴァイン持っていけ」



一瞬の静寂。



「えええー!?アービンはここかガルバディア担当で決まってるんでしょー?」

「どこも人員不足なのは同じだし…、委員長権限だ。持っていけ」

「そんなこと出来るのスコール。アーヴァインはまだSeeDじゃないから、あなたの権限じゃ動かせないんじゃないの?」

「ああ、そうだったか。なら適当に資格与えればいいだろ」

「あははは不正だー!職権濫用だー!」

「まあ一応適度な痛い目合わせてテストはしておく。気にするな」



力一杯本人の意思は無視しているが、奴だって彼女についていけるのならば多少痛い思いをしたところで望むところだろう、とやはり本人を無視したことを思い、委員長は彼女に頑張って行ってこいとエールを送る。
最早ベテランSeeDである彼女は嬉しそうに、楽しそうに笑って、そのエールを受け取った。




「ありがとはんちょ!」













「よし!そうと決まったらSeeD認定証に学長のハンコもらってきましょうか」
「じゃあ私はトラビアまでの電車のチケット二人分取っておくわ!」
「試験は筆記なしでいいのね?場所はイフリート洞窟でいいの?じゃ、予約とっとくわ」
「確か同行の教官がいるんでしょ?じゃあそれをキスティスにお願いすればいいんじゃない?」
「ほらスコール何やってるの!実技試験の内容まとめて、明日までにはアーヴァインに伝えて、今週中に試験やっちゃわないと間に合わないわよ!」
「…」
「…」
「…女ってああいうときの行動力凄いよな」
「…全くだ」
「友情に厚いって言って頂戴!」




お土産にスナイパーはいかがっすかー






19.タンポポの花はあなたの為に咲いたのですよ

彼はただ、普段通りの生活をしていただけなのだ。
朝起きて、食事を取って、仕事をしようとエレベーターに乗って、学長室に行っただけなのだ。それがまさか戸が開いた瞬間、普段通りではなくなってしまうとは。
夢にも思わなかった。



「いいところにきた」

「なになに、どうしたのスコール。何持ってるの?」



問われた男はそれには答えず、ただその手にしていた書類を一枚問うた男の目の前に掲げて見せた。書かれているアルファベットはSとEとEとD。その直ぐ下には問うた男の名前が堂々と並ぶ。
問われた男は、有無を言わさず、宣言した。



「アーヴァン・キニアス。お前今からSeeD」

「え……な、なに!?な、なんで!?もう一ヶ月もしたら卒業じゃない僕ら」

「なんでもなにもない。決定というか、命令」

「おおお横暴だぜ委員長!」

「ついでに卒業後の赴任先異動。トラビアガーデン。以上」

「え!?」

「お前が何言おうが却下するからな」

「えええええええ!?」

「不満があるなら聞くだけなら聞くぞ。聞くだけだけどな」

「いや不満っていうか、なんでまたそんな急に?」



当然の質問に最高権力者はじっと目の前の男の目を見返した。
ただただ真っ直ぐに、ひたすら真っ直ぐに視線を合わせ、断言する。



「友情」

「はい!?」

「質問時間終了。ああ、一応試験受けて貰うからな。場所はバラムガーデン御用達のイフリートの洞窟。G.Fなし、特殊技使用禁止、同行はキスティス・トゥリープ教官。ただし教官は一切の手助けはしない。以上」



まあ頑張れ。お前のためにも。と最早何の意見も質問も受け付けないというようにくるりと背を向け、右手を挙げて去っていく横暴な男の背に、残されたSeeD候補生は唖然とそこに立ち尽くすしかなかった。














「グッドモーニング、アーヴァイン。同行役を務めるキスティスよ。何か質問があるかしら?」

「……えーと、何で僕急にSeeD試験を受けてるの?」



生徒の腑に落ちないと言った表情に、
教官は静かに微笑んで、答えてやった。



「友情」

「だからそれどういうこと!?」







オチはこちら




20.紙コップで作った電話で

「お、来たな司令官。大富豪する?」

「するする」

「はーい学祭実行委員会始めるよーっ」

「あ、アーヴァインごめん、そこの棚の上の本取ってくれる?」

「お安いご用だよ〜」

「あらスコールまたあたしに貸しを作る気?」

「今日はシュウ先輩から返して貰う気ですから!」

「でね、バンド登場ってところで花火をどかーんって!」

「おおーいいねー」

「負けず嫌いよね…あなたも。いいかげんにしておきなさいよ」

「俺バラムに知り合いいるぜ花火職人」

「ナイスゼルー!」

「やるじゃんゼルー!」

「やだ何このカード!数字ばっかりじゃない!」

「あっでも予算とかかかるならいいんちょに許可貰わなくちゃ」

「いい、いい。なんでもやっていい。あんたらに任せる。あ、それ出せる」

「俺の渾身の力を出したカードを軽く流すなよ!」

「わーいいいんちょ、理解があるー!」

「さっすがスコール、やるね〜」

「じゃ、この話はまとまったな!俺早速話つけてきてやるよ!」

「あっゼルバラムに行くならついでにハイポーション買ってきてくれるかしら?カドワキ先生が足りないってこの間言ってたのよ」

「了解っ!」

「あっそうだ!ねえねえセルフィ。この間言ってたケーキバイキング、いつ行く?」

「いつでもオッケイだよー!なんならこの後行っちゃう?」

「行っちゃおう行っちゃおう!」

「はい、これで、革命上がり!」

「そうだスコール!一緒に行こうよケーキバイキング!90分食べ放題1000ギルぽっきり!」

「誰が金を払ってまで生き地獄を見るものか」

「ギャァー!」

「えーおいしいのにー!ねえセルフィ?」

「もったいないなあスコールー。ねえリノア?」

「だから出し惜しみをするとだめなのよ!」

「うわーん」

「シュウ先輩嬉しそうだね〜」

「いたいけな後輩をいじめるのが趣味なのよ」

「おっと忘れてた!おーいスコール!学祭予算ってどれくらいなんだー!?」




その時、元学園長室であるその場所に捜し物をしにやってきた学園長その人は、エレベーターが開いたとたんその熱気に思わず足を止めた。
思い思いに好きなことをしながら右へ左へ上へ下へ素晴らしいスピードの会話が飛び交う中、彼は当然の問いを口にする。




「な、なんですかこの人口密度!?」




それを見つけたのは地味と称される(しかし能力的には申し分ない)新米SeeDの青年。手にしたトランプを切りながら丁度良いところへ!と顔を上げた。



「あっ学園長大富豪します?」

「え?しますします」






高校生の頃ってコレくらいアホだった気がします


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