「ねえククール」
「ん?どした?」
「これからの予定は?」
「まあ、そのへんぶらぶらと旅でもするかな。元々ドルマゲス倒したらその予定だったしな」
「世界まで救っちゃったわね」
「俺の予定は狂いまくりだっつうの。ゼシカは?家帰るのか?」
「そうねえ。とりあえず家に帰って、その後はオークニスのほうに行こうかなと思ってるところよ」
「ふうん。グラッドさんに挨拶しに行くのか?」
「そうそう。それでしばらくオークニスにいようかなと思ってるのよ。あのあたりまだ行っていないところあるしね」
「はぁ?宝探しでもする気かよ」
「うん。冒険ね」
「は?…え、ちょ、は!?」
「トロデ王とミーティア姫と約束したのよ。もう二人は当分お城の外に出かけられないでしょ?だから代わりに私が行って、その話をしますって」
「いや、お前母親は?」
「母さんにはトロデーンのやんごとなきかたがたからのお願いだからって言ったらあっさり許してくれたわよ?それにキメラの翼があればいつでも帰ってこられるしね」
「い、いやな、それはいい。わかった。まさか一人で行くとか言わないよな?」
「行くつもりよ」
「無茶苦茶なこと言うなーーーーー!!!」
「大丈夫よ!私ザオリク覚えたんだから!」
「お前が倒れたら意味ないだろ!!」
「そう簡単に倒れたりしないわ。魔法だけじゃなくて鞭のスキルも100まであげたし」
「いや、知ってる、お前の鞭捌きのおっかなさは知ってるけどな」
「でしょう?いざとなったらマダンテするし」
「それでMP0にして、その後どうする気なんだよ!だからルーラとかホイミとか実用的な呪文覚えろってあれだけ言ったっつうのに!」
「だって、向いてないんだものしょうがないでしょ!どうしてそんなに心配性なの。なんとかなるわよ、きっと」
「心配もするだろ!何回ゼシカが突っ走って俺がフォローしたと思ってるんだよ」
「もう、そんなに心配なら後ろついてくればいいじゃない。私が倒れそうになったらベホマかけてくれればいいから」
「あーそうさせてもらうね。お前一人で旅なんか出した日には心配しすぎて眠れないね俺は」
「大げさねえ。大丈夫よ、酒場でお姉さんナンパして楽しく過ごしてればいくらでも眠れるでしょ」
「言ってろよ。生きててよかったって俺に感謝する日が絶対来るぞ」
「うん、そうね。旅の間ずっと感謝してたわよ、私は」
「……なあ、ゼシカ」
「なあに」
「ずいぶん素直じゃありませんこと?」
「そうねえ、これが別れだと思えばきちんとお礼はいっておかないと」
「だから俺もついてくって言ってるだろ!!」
「えっ本気だったの!?」

