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アーミッシュについて

 16世紀の宗教改革期に、プロテスタント教徒のなかから、成人洗礼を提唱し実践した再洗礼派(Anabaptist)が創始されました。1530年代に、Menno Simmon 司教によって率いられた再洗礼派がメノナイト(Mennonites)です。
 そしてその一世紀近くに後に、教義の厳しい戒律が徐々に緩んできたメノナイトから、Jacob Amman 牧師に教導された忠実な一派が新たに結成され、彼の名に因んで、アーミッシュ(Amish)と呼ばれました。
 アーミッシュとメノナイトの人々は、ヨーロッパでの過酷な宗教迫害を逃れて、新天地を求めて、18世紀から19世紀後半にかけてアメリカ大陸に移住しました。
 現在、アーミッシュとメノナイトは、次のような地域共同体ごとに暮らしています。

旧オーダー・アーミッシュ (Old Order Amish)
新オーダー・アーミッシュ (New Order Amish)
保守派メノナイト (Conservative Mennonites)
進歩派メノナイト (Liberal Mennonites)


< アーミッシュおよび保守派メノナイト >

 アーミッシュというと、狭義には、旧オーダー・アーミッシュを指します。
人々は、厳格な戒律のもとで、世俗から分離して、質素な生活様式を守ってきました。アーミッシュと保守派メノナイトはしばしば同義にみなされます。

 現在でも、18世紀以来の伝統を変えずに続け、水道も電気も引かず、テレビ、電話、冷蔵庫、自動車などの、現代文明を受け入れません。人々は、300年前と同じ昔ながらの素朴な習慣と敬虔な信仰を守りながら平和主義に徹して暮らしています。

 さながら、アメリカ開拓時代の「大草原の小さな家」のような質素な生活です。風車とサイロのある農場、麦やトウモロコシ畑が目前に広がって望まれます。村内には、独特なバギー馬車が走り、古風な衣服をまとった村人たちが行き来し、そして美しいアーミッシュ・キルトが家ごとに干してある、奇跡のようなロマンあふれる田園風景が本当に実在しています。

 自営農業を生業にしていて、農作業は昔ながらの、人力と馬力が頼りです。一戸の農家は6、7頭の農耕馬と、2、3頭のバギー馬車用の馬を持ち、ほかに牛、豚、羊、鶏などの家畜が数多く飼われています。

 農家は二世代、三世代の大家族が隣り合わせで住み、家族の固い絆に結ばれて、共同して農場を守り、親から子へ引き継がれていきます。


< 新オーダー・アーミッシュおよび進歩派メノナイト >

 もともとの伝統と戒律をしだいに緩めて、水道、電気を用い、交通手段として自動車と飛行機を利用することを許すなど、近代文明の利器を適当に取り入れながら、アメリカの地域社会で生活しています。