3 Minutes NetWorking
No.2

3Minutes NetWorking

第2回LANとWAN

■ LAN

インター博士

ネットワークにはLANとWANがあることを理解してくれたと思う。

ネット助手

ろーかるえりあ、と、わいどえりあ、ッスね。

インター博士

なぜ日本語?
ん。まあともかくだ。今回はそれぞれの特徴を説明しようと思う。

ネット助手

はい。

インター博士

まず、LANだが。
部屋とか、フロアとか、ビルとか、そういう狭い範囲のネットワークの事を指す。

ネット助手

ローカルってぐらいですからね。

インター博士

そうだな。
その狭い範囲内の、パソコンやら、プリンタやら、その他なんやらのデバイスを相互に接続するのだ。

ネット助手

ははぁ、つまり、教室内のすべてのパソコンをつなげたり、オフィス内のパソコンとプリンタをつなげたりするんですね。それでネットワークを作る、と。

インター博士

今日はいたってまともだな、ネット君。その通りだ。

ネット助手

僕はいつだってまともです。

インター博士

それは初耳だ。
まあいい。そしてそのLAN内のデバイスはいつでも他のLAN内のデバイスと接続できる。

ネット助手

いつでも接続できる、って。
なんか当たり前のような気がするんですけど。

インター博士

LANでは確かにそうだが、WANではそうでないのでな。比較としてだ。
さらに、高速かつ高品質の接続を提供する。

ネット助手

高速かつ高品質・・・。
高速ってのは?

インター博士

そうだな、一度にデータを送信できる量だと思ってくれればいい。
コンピュータではビットという単位でデータの大きさを数えるのだが、LANだと1秒間に10Mビットが一般的かな。

ネット助手

はぁ。
で、高品質ってのは?

インター博士

品質とは、データの正確性だな。高品質とはエラーが少ないという意味だ。
データは、電気信号としてケーブルの中を流すのだが、電話などでもノイズが入るだろう?

ネット助手

そういえば、電話も電話線の中では電気ですね。
確かにノイズが入ったり、弱くなってるらしく聞こえづらいことがありますね。

インター博士

うむ。それがエラーの原因になるのだ。LANは近距離である分だけ、そういうエラーが起こりづらい。
まぁ、今まで言葉だけだったので図を描いてみた。LANとはこんな感じだ。

[Figure02-01:LAN]

インター博士

パソコンとパソコンを繋いでいるのがLANケーブルだ。これは自前で用意して、自分たちでケーブルを引くのだ。
ケーブルの上を動く青い丸は、データを表している。

ネット助手

確かにパソコンとパソコンが相互に接続されていますね。
そして、これらはいつでもデータのやり取りができる、と。

■ WAN

インター博士

うむ。LANはわかってもらえたと思う。
次はWANだ。

ネット助手

LANとLANを結んでの広い範囲でのネットワーク、でしたっけ?

インター博士

前回私が言った科白そのままだな。
例えば、全国規模の会社があったとする。そこは東京本社と大阪に営業所を持っている。 営業所からは本社のデータベースにアクセスしたい。

ネット助手

ネットワークの利点である、リソースの共有ッスね?
この場合はデータを共有したい、というわけですね?

インター博士

小賢しいな、ネット君。その通りだ。
つまり、東京本社のデータベースが置かれているLANと、大阪営業所の営業マンが使うパソコンがあるLANを接続する必要があるわけだ。

ネット助手

ふむふむ。

インター博士

そのような場合LANとLANを結ぶわけだ。これをWANという。

ネット助手

結ぶって、どうやって結ぶんです?
LANみたいにケーブルでやるんですか?

インター博士

ケーブルで結ぶといえば、ケーブルで結ぶんだが。
いくらなんでも東京から大阪まで自前で引くわけにはいくまい。そんなことができるのはNTTなどの電話会社だけだ。

ネット助手

KDDIとか、日本テレコムとかですよね。

インター博士

なので、長距離を結ぶWANの場合、電話会社にケーブルを借りることとなる。
簡略化していえば、電話回線を使って、音声の代わりにデータを運んでもらうわけだ。

ネット助手

へぇ。
電話を使ってデータを運ぶなんて、インターネットへの接続みたいですね。

インター博士

というよりも。インターネットもWANなのだ。
先ほどの例は東京と大阪だが、インターネットは世界中のLANを結んでいるというわけだ。

ネット助手

は?
でもウチのパソコンはインターネットに接続できますけど、LANじゃありませんよ?

インター博士

1台しか存在しないLANと考えればいいだろう。
もう少し想像力を働かしたまえ。妄想だけでなく。

ネット助手

妄想って…。

インター博士

あえて間違った表現を使えば、プロバイダに電話して接続することにより、プロバイダというLANの一員になる、と考えればわかりやすいかもな。
実際にはLANではないが。

ネット助手

妄想…。

インター博士

まだ言っているのかね。事実だ、気にするな。
それはともかくWANの特徴として、まずケーブルを借りなければならない。LANは自前でケーブルを引くのだが、WANは電話代を払って使わせてもらうことになる。

ネット助手

ウチは常時接続にしてないので、時間を気にしながらインターネットに接続してますよ。

インター博士

そうだな。今はISDNのフレッツや、ADSL、CATVがあるから常時接続が普及してきたな。企業などは大体常時接続にしている。
ただし、ネット君のような人間もいるので、WANは必ずしも常時接続とは限らない。

ネット助手

あぁ、それでLANの説明のとき「LANはいつでも接続できる」って言っていたんですか。
納得。

インター博士

うむ。さらに、ISDNが通常最大128Kbps。ADSLが8Mbps。光ファイバを使うBフレッツは例外的に高速だが、基本的にWANはLANよりも低速だ。

ネット助手

そういえばそうですね。
学校のLANだと隣のパソコンのデータはささっと見れるのに、インターネットの時は遅いですもんね。

インター博士

昔に比べてよくなったが、WANの電話回線はLANケーブルに比べるとエラーが発生しやすい。

ネット助手

ふむふむ。
つまり、WANとLANを比較してみると、こんな感じですか?

 LANWAN
範囲狭い広い
スピード早い遅い
品質高い低い
接続常時
常時・間欠
ケーブル自分で設置
電話会社のを借用
使用料金タダ
電話代が必要
対象パソコンとパソコンを接続
LANとLANを接続

[Table02-01:LANとWANの違い]

インター博士

ほぅ、ネット君気が利いてるな。

ネット助手

へへ。

インター博士

これだけ違えばわかると思うが。LANとWANはデータを伝送するという点では一致している。
だが、使用する技術が違う。

ネット助手

目的は一緒でも、手段が違うって感じですかね?

インター博士

うむ。今のところはそう考えてもらっても問題ない。
今回はここまでだな。

ネット助手

了解ッス。
3分間ネットワーキングでした〜♪

デバイス
[device]
パソコンや周辺機器などの機器を表す言葉。
ルータやスイッチなど特にネットワークの制御機器はネットワーキングデバイスと呼ばれる。
1秒間に10Mビット
Mはメガ、10の6乗。(10M = 10,000,000)
1秒間に運べるビット数は、
bps(bit per second)と表記する。今回の場合は、10Mbps。
LANケーブル
LANで使われる伝送媒体はこのように呼ばれることが多い。
一般的に使用されるのはUTP・CAT5(詳細は先の回で)。
KDDIとか…
このような通信施設を敷設できる会社のことを電気通信事業者という。
ISDN
[Integrated Services Digital Network]
総合サービス・デジタル通信網
電話・FAX・データなどをデジタル回線で扱うサービス。家庭で使うものだと64Kbpsが2回線分使えるINSネット64が普通。
ADSL
[Asymmetric Digital Subscriber Line]
非対称デジタル加入者線
通常の電話線を使用した高速サービス。送信と受信のスピードの違いから「非対称」と呼ばれる。1.5Mbpsと8Mbps、12Mbpsのサービスがある。
ネット助手ネット君の今日のポイント
  • LANは狭い範囲、WANは広い範囲でのネットワーク。
  • 似ているようで、結構違いが存在する。
  • なんか使う技術も違うらしい。

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管理人:aji-ssz(at)selene.is.dream.jp