30 Minutes NetWorking
No.SW01

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BCMSN

第1回キャンパスネットワーク(1) 20と80

■ キャンパスネットワーク

スーパーインター博士

Ciscoのスイッチを語る上で、まず理解しておくべきことはキャンパスネットワークだ。

ハイパーネット助手

キャンパス? 学校のネットワークってことですか?

スーパーインター博士

あぁ、確かに「キャンパス」というのは学校や病院の「構内」って意味だが。
この場合の、「構内ネットワーク」は学校だけに限らず、ビルやビル群をまとめた一定地域内のネットワーク、という意味だな。

ハイパーネット助手

LANのことですか?

スーパーインター博士

いやまぁ、確かにLANのことだ。
そうだな、「いくつものLANをまとめたビル(もしくはビル群)の1つの企業ネットワーク」ってところかな。

ハイパーネット助手

はぁ、普通のLANの概念とどう違うんです?

スーパーインター博士

う〜ん、そういわれればコレといってないが。
もともとLANという言葉がかなり広い意味を持ってるからなぁ。

ハイパーネット助手

そうですねぇ。「狭い範囲のネットワーク」ですからね。

スーパーインター博士

まぁ、つまりだ。「構内」つまり自前でケーブル引いて構築できる範囲での、いくつものネットワークを持つ、わりと大き目のネットワーク群、ということだな。

ハイパーネット助手

なるほど。ってことは、もちろん使うのはLANテクノロジーってことですね?

スーパーインター博士

そういうことだな。構内だから、レイヤ1・2はやはりLANテクノロジーを使う。
イーサネット、トークンリング、FDDI、場合によってはATM-LANなんかも使うだろう。

ハイパーネット助手

使いますか、ATM-LAN。

スーパーインター博士

いや、普通は使わん。主力はやはりイーサネットだろう。

ハイパーネット助手

ですよね。

■ キャンパスネットワークの問題

スーパーインター博士

さて、ネットワークの規模が大きくなってくるといろいろ問題が発生するな。
まずありえるのは、コリジョンだな。

ハイパーネット助手

「衝突」ッスね。
でも、コリジョンドメインを分割すればいいじゃないですか?

スーパーインター博士

確かにそれはそうなんだが。
ネット君、コリジョンドメインの分割、つまりスイッチ(ブリッジ)ではとめられないものがあるな?

ハイパーネット助手

ブロードキャスト

スーパーインター博士

そう、レイヤ2もしくはレイヤ3ブロードキャストだ。
ARP、NetBIOSなどのL2ブロードキャスト、DHCP、RIPなどのL3ブロードキャスト。これは止められない。

ハイパーネット助手

じゃあ、ルータを使ってブロードキャストドメインを分割する?

スーパーインター博士

それも手だが。もう1つの手法としては、VLANだな。

ハイパーネット助手

ぶいえるえーえぬ?

スーパーインター博士

「ブイラン」だ。読み方は。
どちらにしろ、ブロードキャストドメインの分割は、ルータによるルーティングが必要となるということだな。

ハイパーネット助手

は〜。そうなんですか。

スーパーインター博士

ともかく、まず重要なポイントはトラフィックの制御が必要、ということだな。
つまり、スイッチ、ルータによるコリジョンドメイン・ブロードキャストドメインの分割が必要、ということだ。

ハイパーネット助手

はいな。それはわかります。

スーパーインター博士

もう1つが、そのスイッチ、ルータがネットワークの重要な位置をしめていることが問題だ。
つまり、故障するとすごく困る。

ハイパーネット助手

困りますね、確かに。

スーパーインター博士

故障しない機械なぞ存在しない。
死なない人間などいないのと同じ事だな。

ハイパーネット助手

あ〜。確かに死なない人間はいませんからね。

スーパーインター博士

……ホントにそうか?

ハイパーネット助手

いや、死にますって。

スーパーインター博士

そうだな。ネット君でも血仙殺をくらえばさすがに死ぬだろう。
ともかく、ネットワークで重要な位置をしめるルータ・スイッチでも壊れるときは壊れる。さて、どうする?

ハイパーネット助手

どうするって…。他のを用意する?

スーパーインター博士

まぁ、いいだろう。間違いではない。
複数の同じ働きをする機器を最初から組み込んでおき、故障した場合にそっちに切り替えるなどの冗長構成が必要だ、ということだな。

ハイパーネット助手

あ〜。なるほど。

■ 80/20・20/80ルール

スーパーインター博士

さて、このキャンパスネットワークだが。
かつては80/20ルールというのがあった。

ハイパーネット助手

80/20ルール? なんですか、それ?

スーパーインター博士

ローカル、つまり同一(サブ)ネットワーク内宛のトラフィックが全体の80%を占める、というルールだ。
サブネット外へのトラフィックは20%以下に収まる、というわけだ。

ハイパーネット助手

ははぁ、だから80/20。

80/20ルール

[FigureSW01-01:80/20ルール]

スーパーインター博士

従来型のネットワークでは、同一ネットワーク内のサーバ宛、つまりファイル・プリンタ共有型のアプリケーションがメインだったわけだ。

ハイパーネット助手

ふむふむ。

スーパーインター博士

80/20ルールのネットワークでは、レイヤ2、つまりコリジョンドメイン内での制御がトラフィック制御の中心だったわけだ。
いかにしてコリジョンをなくすか、スイッチやブリッジの出番、ということだな。

ハイパーネット助手

スイッチやブリッジの重要度が高いってわけですね。

スーパーインター博士

そうだ。ルータは必要最小限、つまり残り20%以下のトラフィックに対し輻輳などが発生しない程度の機能さえあればいい、ということになる。

ハイパーネット助手

ははぁ。
でも、「かつては」っていうんだから、今は違う、と。

スーパーインター博士

そうだ。今は20/80ルールになっている。

ハイパーネット助手

20/80ってことは、逆ですよね。
サブネット内が20で、サブネット外が80?

スーパーインター博士

そういうことだ。

20/80ルール

[FigureSW01-02:20/80ルール]

スーパーインター博士

現在はWeb型アプリケーションによる統合されたサーバ、というのが多い。もちろんファイル・プリンタ共有は残ってはいるが、その役割を減らしつつある、というところが現状だな。

ハイパーネット助手

は〜。

スーパーインター博士

急速に普及し発展したインターネット技術がそのままキャンパスネットワーク内に盛り込まれた形になってるわけだ。
IISを使ってプリンタ出力、なんてやってるぐらいだからな。

ハイパーネット助手

なるほどなるほど。
ということは、スイッチとルータの重要度が逆転する?

スーパーインター博士

そうなる。いままではローカルなトラフィックばかりに注目してきた。
サブネット内での帯域の増加や、スイッチによるコリジョンの減少などだ。

ハイパーネット助手

です。

スーパーインター博士

だが、20/80ルールにより様相は大きく変わる。
サブネット間の帯域幅、ルータの機能などがまず必要だ。

ハイパーネット助手

そうですよねぇ、上の図だとバックボーンの負荷が大きくなるわけですよね。

スーパーインター博士

うむ、それにどこに統合化されたサーバを置くか、という問題も発生する。
統合化されたサーバにはトラフィックが集中する。どこに置くかでそのレスポンスも異なってくるわけだ。

ハイパーネット助手

ははぁ。

■ キャンパスにおけるサービス

スーパーインター博士

このような新しいキャンパスネットワークでは、3つのサービスが考えられる。

  • ローカルサービス
  • リモートサービス
  • エンタープライズサービス
ハイパーネット助手

ローカルサービスってのは、さっきの言い方でいえばファイル・プリンタ共有型ってやつですよね。

スーパーインター博士

そうだ、サブネット外へでないサービスだ。
トラフィックはそのローカル内に限定される。

ハイパーネット助手

リモートサービスってのは?

スーパーインター博士

リモートサービスはサブネット外に存在するサーバが行うものだ。
なので、ルータを経由して出て行くことになる。

ハイパーネット助手

じゃあ、エンタープライズサービスは?

スーパーインター博士

エンタープライズサービスは全ユーザ対象のサービスだ。
なので、ユーザのいるサブネット外にあり、すべてのユーザからアクセスが可能な位置に存在する。

ハイパーネット助手

リモートとどう違うんです?

スーパーインター博士

リモートは、一部のユーザが使うためにサブネット外に置かれているサーバ、サービスだ。

キャンパスネットワークのサービス

[FigureSW01-03:キャンパスネットワークのサービス]

スーパーインター博士

20/80ルールとあわせて考えると、現在ではエンタープライズサービスが主流になってきている、ということだな。

ハイパーネット助手

う、う〜ん。もうちょっと具体的に。

スーパーインター博士

例えば、メール、ビデオ会議、インターネット接続、Webサービスを使ったファイル共有・データベース、などだな。
要は、そのキャンパス全体が必要とするサービスのことをエンタープライズサービスというわけだ。

ハイパーネット助手

そういわれれば、全体として使うものばっかりかな。

スーパーインター博士

うむ。
さて、今回はここまでにしておこう。

ハイパーネット助手

はい。

スーパーインター博士

次回は、キャンパスをどのような構成にするか、という話をしよう。

ハイパーネット助手

いぇっさ〜。
30分間ネットワーキングでした〜♪

キャンパスネットワーク
[Campus Network]
VLAN
[Virtual LAN]
スイッチを使って、論理的にネットワークを分割する。詳しくは後述。
ホントにそうか?
3 Minutes Networking No.5あたり。
甦ってます。
冗長構成
STPやHSRP。後述。
IIS
[Internet Information Service]
MicrosoftのWebサーバアプリケーション。
HTTP、FTPなどの統合型のアプリケーションでもある。
ハイパーネット助手ハイパーネット君の今日のポイント
  • 複数の(サブ)ネットワークで構成される企業単位のネットワークをキャンパスネットワークという。
  • キャンパスネットワークでは、トラフィックの制御と冗長構成を考える必要がある。
  • ローカル内のトラフィック/ローカル外へのトラフィックの比率の問題がある。
    • いままでは80/20ルールだった。
    • 現在では20/80ルールである
  • ルータやバックボーン、統合サーバの配置と構成が重要。

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