おかしな顔をした緑の幼虫は体長7cm位でした。
何だろう?と、昆虫を良く知っていらっしゃるYOKOさんに尋ねましたら、
チョウの幼虫かしら?と教えて頂きました。

そういえばこの白神山地にはゴマシジミという普通のチョウと違う
生活をしているのがいるそうです。このゴマシジミの成長した幼虫は
秋になるとアリを求めてさまよい、遭遇するとなぜかアリの巣に運ばれます。
そこで夏まで居候し、なんと最後にはアリの幼虫を食べてしまうそうです。
不思議な事はあふれているんですね〜

ちょっとメルヘンタッチな左上のキノコの写真は主人が撮ったものです。
薄ぼんやりと通称コケの花(胞子のう)が写っていますが、お解りでしょうか?
キノコやカビは胞子で増えますが、
葉緑体を持たず他の生物から栄養をもらっています。
コケやシダは胞子で増えるので、キノコに似ていますが、
葉緑体を持ち光合成をします。
綺麗な緑でしょう。

コケの花も初めてですが、そこからキノコが生えているのも、初めて見ました。
右上もまた違ったコケの花です。これも初めてでした。
この花で胞子を作って飛ばしているそうです。


 次は3日目、「ミニ白神」です。
こちらの方が、
ブナの森という感じでした。

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左の白い花を所々で見ました

右の花はあのトリカブトだと思います。
薄紫がきれいでした〜

こんな写真を見ると、
長閑な登山だったと思われるでしょうが、
天候が安定しないのが山です。
頂上に着く頃にはとうとう大雨となり、
急いで下山しました。

2人とも、雨とドロでビジョビジョ。
山用のカッパを用意するべきでした。
ひとりだったら、頂上まで行かず、
引き返していたと思います。
車に戻ったときは、ほっとしました。





天狗岳への登山口、天狗峠に向かう白神ラインの途中、津軽峠の「マザーツリー」を見てみることにしました。
推定樹齢400年、樹高30m、
胸高直径148cmのブナの大木です。
樹肌はシダやコケにところどころ覆われ、
ちょっと、妖怪の住む木みたいでした。
マザーツリーのすぐ下のフカフカの
腐葉土の上に、ブナの実が
落ちていました。
ブナは200〜300年位が寿命と言われ、
倒壊すると日が差し込み、
幼樹が育つそうです。なかなか育たないと言われるブナの実生。
幼樹を探してしまいました。

右の植物は、押し花でよく使う
クラマゴケ(常緑イワヒバ科、シダ類)に
そっくり?!
こんな木肌が好きだったのですね。

白神ラインを更に進み、
いよいよ、天狗峠に車を置いて、
3時間コースの天狗岳に登ります。

標高957.6mというと、
そう大した登山にはならないと予想し、
トレッキングシューズと、
カッパを兼ねたウインドヤッケです。
この悪天候なのに、
私達のほか、
3つのグループに出会いました。

最初からやぶの道でした。
次の日に「ミニ白神」へ行って解ること
ですが、ブナの原生林といっても
トチノキ、サワグルミ、ミズナラ、
モミジ、チシマザサなど多種の木々が
混在してしていました。
中でもササやぶで登山道が覆われてしまいそうなところがあり、
八ヶ岳倶楽部でクマザサをよく刈っているというお話を思い出しました。

9月だったので、花は少なかったかもしれませんが、キノコは見かけました。
左はブナの木にコケといっしょに
生えていました。
ブナシメジだとおもいます。
あとのキノコは色々検索して
みたのですが、解らなかったです。


夜になって、風も強く雨も激しい台風が1日目の宿
「グリーンパークもりのいずみ」にやってきました。

でも朝はどうにかおさまった様子。
受付の方に今日登る予定の「天狗岳」についてお聞きしたところ、
「昨日の台風で林道(白神ライン)も倒木で通れないかもしれないし、
また気候的にも不安定なのが白神山地なので、
やめたほうがよいでしょう。」とのこと・・

でも閉鎖されていたら諦めようと、出かけてみました。
世界遺産「白神山地」の核心地域にやっぱり行ってみたいです。

昨日の台風でりんごが落ちてしまったりんご畑が、痛々しかったです。



台風が日本列島を縦断していた
9月13日〜15日の連休。
2003年9月13日新幹線「はやて」
にて八戸着、青森駅でレンタカーを借り、
「白神山地ビジターセンター」へ着いた
のは午後2時を回っていました。

急いで展示をみて、
徒歩1時間10分のコースの
「暗門の滝」に向かいます。

暗門の滝は順々に登りながら
3つあります。
雨が降ったりやんだりの中、
緩やかな昇りのコースを進みます。

登り口から程なく、
お猿さん親子を見つけ、
高い木を見上げて、パチリ。
私のデジカメの一番良いところは、
光学10倍ズームとデジタルズームの組み合わせで27倍になることです。
主人は400万画素のデジカメなのに
このお猿さん、
私のよりずっとピンボケでした(勝ち!)

川を左手に見ながら滝へと昇っていく
途中で可愛い白花もパチリ。
もしかしたら大文字草?

川下の絵のような風景が美しかったです。

2つ目の滝に着いた時には雨が強く、
退き返そうかと思いましたが、
ガイドさん付きの一行が
さらに登っていくのに触発され、
とうとう第1の滝まで
行ってしまいました。

 白神山地は面積の3分の2が青森県、3分の1が秋田県にあたる、
約13万ヘクタールに及ぶ落葉広葉樹・ブナを主体とする山岳地帯です。
ここにはツキノワグマ、ニホンザル、ニホンカモシカ、クマゲラなどの絶滅危惧種などの動物や
ブナ、ミズナラ、サワグルミなど、多くの樹木やキノコ類、微生物が確認され、
食物連鎖の頂点に位置する希少猛禽類のイヌワシやクマタカが生息しています。
世界的に見ても未知の植物や菌の発見が予想される貴重な原生林であるこの白神山地ですが
林道建設や杉の植林のための乱伐により、ブナの森の自然破壊が進んでいました。
これを憂いて地元住民の方々により、白神山地の自然を保護する会が
1970年代から続々と発足され、決定的な生態系の壊滅が予測される青秋林道の
着工中止の要望書が「秋田自然を守る友の会」より提出されたのです。
この青秋林道の建設着工の反対運動には、日本中のナチュラリストや住民、マスコミが参加し、
1990年3月とうとう林野庁は、この白神山地の核心部の1万6千ヘクタールのブナ林を
森林生態系保護地域に指定することに決め、
建設が進められていた青秋林道の建設が中止になったのです。
 
 そしてついに1993年12月に鹿児島県屋久島と共に世界遺産(自然遺産)に登録されました。

ブナの森 白神山地