Apocalypseの舞台となるのは、遥か彼方にある恒星系に属する、二つの惑星です。
この恒星系の主星は我々の太陽とほぼ同じ質量と、酷似した物理的性質を持つ典型的な黄色恒星です。その恒星を焦点として七つの惑星が公転しており、内側四つが地球型惑星、その外側に巨大ガス惑星が二つ、そして小ぶりのガス惑星が最も外側に一つ分布する構成となっています。舞台となる第ニ、第三の二つの惑星は連星となっており、互いに周回しながら、内側から二番目の軌道を周期361日(地球年換算)で公転しています。
二つの惑星には共に大量の水が存在し、沢山の生命が息づいています。此処には人類と良く似た知的生物が住んでおり、更に地球と非常に良く似た生態系が存在しています。大気組成も地球とほぼ同様で、窒素八割、酸素二割、その外の気体が僅かに含まれる組成となっています。
マナの密度は基本的に「密(+0)」です。最も濃い場所では「密(+5)」まで分布します。
二つの惑星は、各所に散らばる「門」で繋がれています。これを通して、大気や生物が二つの惑星の間を往来します。また、人々の重要な交通手段ともなっており、地図を描く際には必須の項目となっています。
二つの惑星は、この世界の共通語である「教会共通語」において、「青い星」「緑の星」と名付けられています。夜空に浮かぶ姿はどちらも似たように青いのですが、海洋の占める割合が「青い星」は75%であるのに対し、「緑の星」は65%と若干少ないためこの名が付けられています。
この世界の文明レベルは、全体としてみれば3になります。魔法が存在する事により、史実のものよりも遥かに発展している分野もありますが、全体としては中世と同様の位置づけとなります。
また、かれらは現代の我々が持つような科学的な思考を持ち合わせていません。実験を行い、結果を数値化して理論を検証する手続きは取られず、経験は経験として個人のレベルでの記憶に止まります。数学は漸く算術が定式化され始めた時期で確率の理論は存在せず、近代的な物理学も形を成してはいません。代わりにかれらが用いるのは、極めて形而上学的な思考と命題論理、詭弁、それにあらゆるものを関連付けようとする神秘学的な思考です。
従って、彼らが魔法を研究する際の方法は、未来世界における「魔法物理学」と呼ばれるもののそれではなく、むしろ神秘学や神学、形而上学等に近いものになっています。
Apocalypseの医療は、文明レベル3を大きく越えた水準にあります。
科学的な医学は萌芽が見えるものの未発達で、全体としては経験的技術の体系である医術の段階に止まっています。何故病気になるのかと言うメカニズムに関する知識と観点は殆ど無く、生理学的な人体に関する知識も貧弱で、どの臓器がどのような機能を持っているか等の知識は多分に神秘的な要素を含みます。
然し既に病原体の存在が認知されており、殺菌による感染症の予防と対策が行われています。と言っても、細菌やウイルス等の存在が実証的に確認されている訳ではなく、おぼろげな病原体と言うイメージを仮構しそれに基づいて方法を構築している段階です。衛生概念の向上もあって、都市部では伝染病の大流行は見られなくなってます。
未発達ではありますが、感染症への対策がなされるようになってからは近代的な外科手術も行われるようになってきており、麻酔や器具もそれなりに発達しています。
更に、魔法を直接用いる医療も存在します。《小治癒》《大治癒》は傷の手当てに活用されているでしょうし、《接合》《再生》によって失われた肉体を取り戻す事も可能です。《止血》《殺菌》《痛み止め》は外科手術の大きな助けになるでしょうし、《療治》《解毒》があれば肉体の不調はほぼ解決可能です。術者への負担が大きいのが難点ではありますが、ほぼ万能の医療である魔法医療は盛んに活用されていることでしょう。更に、魔化された物品によってより効率的に作業を進められる事も多いでしょう。
一般人は魔法の素質を持たず、また呪文を覚える機会自体が無いため、街の医者では魔法による治療を施すことは出来ません。こうした呪文を扱うことが出来るのは、何らか教団に属している聖職者であることが殆どです。
軽度の外傷や疾病であれば、診療代の安い街医者でも十分に対処できるため、魔法医師の下に廻されるのは重体の患者であることが殆どです。そうした患者に対応するための呪文は非常に高度なものであり、魔法医師となるためには優れた素質と長い専門教育を経なければなりません。そうした人材と教育を提供するのは正教会か、精霊教団のみであり、前者では教会医師、後者ではトリザに仕える神官という形で人々に希望を与え続けています。
手軽でかつ金が掛からないため、最も頻繁に用いられる手段です。この時代、人々は普通、何処に赴くにしても自分の足で歩かなければなりません。
移動速度は遅く、疲労が溜まるため、行動範囲はそれ程広くありません。然し、殆ど全ての地形の上を移動可能であると言うのは徒歩の最大のメリットです。
ファマザは馬と良く似た家畜で、荷役や戦闘に用いられ、肉は食用肉として十分な質を持ちます。ファマザは徒歩に次ぐ人々の足であり、食料であり、欠かせないものとなって生活を支えています。
ファマザには人が直接騎乗して移動する事もあれば、馬車を牽かせて移動する事もあります。特に馬車は一般の人々にとって重要なものであり、離れた町まで移動する時はこれを用います。
ファマザのゲーム上のデータは、現実の馬と同様のものとして扱います。
魔法を扱う者に頼んで、儀式により遠く離れた場所まで瞬間移動を行うという手段もあります。これは正教会が主に行っており、超遠距離を短時間で移動する必要がある時にのみ行われます。この方法が取られる頻度は少なく、要人を別の国家に移送する時などに用いられるのが精々です。
世界各地を蟻の巣の様に結んでいる「門」を用いた移動は盛んに行われています。これは、異なる場所の空間が直接癒着してしまっているもので、一方の「門」に入ればもう一方の「門」から出てくることが出来ます。
「門」の管理は正教会と国家が分担して行っており、常に権利をめぐってせめぎ合いがあります。
「門」はその数が少なく、何処へでもショートカット出来る訳ではありません。然し、大洋や真空を越えて一瞬で移動することの出来る利益と恐怖は、全ての組織の人間が熟知しています。
「門」は円形から楕円形をした、厚みの無い平面的なもので、サイズは人が二、三人通れる程度のものから、馬車が何台も並んで通り抜けられる規模のものまで様々です。規模が大きくなるほど数は少なくなり、最大規模のものは非常に稀です。
また、「門」はその様子から「透明型」と「不透明型」に分けられます。
透明型の「門」は向こう側を見渡す事が可能で、物質のやりとりも自由に行われています。「門」の縁に引っ掛かった場合は抵抗を受けるだけで安全です。透明型の「門」は必ず一対一で対応しており、また挙動も安定しています。
不透明型の「門」は漆黒に包まれ、向こう側を見渡す事が出来ず、入ろうとすると抵抗を受けるため物質の出入りは自由とは言えません。行き先は多岐に渡る場合もあり、一対多、多対多の対応をしている事もしばしばです。挙動は不安定で、しょっちゅう行き先が変わったり閉じてしまったりします。
大量の人と物を載せて移動することの出来る船舶は、常に重要な輸送手段であり続けています。「門」が存在する為にその重要性は幾分低下しているものの、然しその有用性に傷を付ける程のものではありません。
手紙は基本的な通信手段となっています。距離によっては配送するのに月単位の時間が掛かったりしますし、現代の郵便に比べると郵便事故もかなり多いのですが、それでも一般の人々にとっては遠くはなれた人物とコミュニケーションをとる唯一の方法であり、盛んに用いられています。
郵便に携わる人の中には「届け屋」と呼ばれる職業の人々がいます。彼らの仕事は、普通の人間では立ち入る事の出来ないような場所に、手紙や荷物を無事送り届ける事です。
情報伝達系の呪文を変形して魔化された通信機が存在します。現在で言えば少々使い勝手の悪い電話のようなもので、大きな組織の建物に備え付けられ、遠く離れた場所に瞬時に情報を送り届けます。
通信機は30cm×30cm×10cm程度の箱型をしており、内部には無骨な格好をした魔化部品(魔化を施された部品)が組み込まれています。その中には専用のパワーストーンが入っており、体力は10点で1点につき5分間会話をすることが出来ます。価格はR5000程度で、生産と売買は正教会が管理しています。
居住地から離れた地方に移動すると、訛りがあってコミュニケーションが困難になる可能性もあります。距離に応じて、GMは言語技能に-1から-3までの修正を与える事にしても構いません。
言語技能については、追加技能の項目の項目を参照してください。