基本データ(4th対応)

目次

目指すもの

 魔法が本当にあったらどんな世界になるのかな?
 そんな事を考えていたら思いついた、ほんの少しだけリアルな「剣と魔法の世界」を目指しています。遊んでいて面白いとか、設定が読みやすくて分かり易いとかも達成できれば理想的です。

GURPSとして

第四版

必須サプリメント

 GURPS Basic、ないし第三版Basicとガープスライト・カスタム
 GURPS Magic(第三版のものでも可、原書Magicがあればベスト)

基本ワールドデータ

舞台世界

 我々が住む宇宙とは別の宇宙、その何処かにある瓜二つの二つの惑星――『双子の星』――がApocalypse-300-の舞台となります。
 一方の惑星――仮に『緑の星』と呼ぶことにしましょう――はほぼ地球と同じ大きさと質量を持ち、更に広大な海に覆われています。この星は地球と酷似した自然環境と生態系を持ち、人類と酷似した知性種族がその中で繁栄しています。
 我々が住む現実の地球との最大の相違点は、この星の上に築かれた社会の中に『魔法』と呼ばれる神秘的な技術が実在するということです。純粋な論理体系としてではなく、確かな物理的現象として認識される『魔法』が人々に知られ、学ばれ、そして社会の中において大きな役割を担っています。
 もう一方の惑星――こちらは『蒼の星』と呼びましょう――は、やはり我々の地球と殆ど同じ自然環境を備えますが、決定的に異なるのはその大部分が水に覆われていると言う事です。どんな生態系が存在し、また一体どのような世界が広がっているのか?『緑の星』の住人たちの想像力を掻き立て続けてきた問題です。

種族

『人間』

 『緑の星』で栄える、唯一の自然発生した知性種族です。その姿形や代謝機能、能力の幅については現実世界の我々人類と酷似しており、事実上同一であると考えて構いません。
 便宜上、以降かれらを「人間」と呼称することにします。

『人形』

 人間達が魔法的な方法によって作り上げた、人工の知性体です。身体能力や姿形については人間のそれと殆ど同じですが、食物の摂取が必要ない等、幾つかの差異があります。細部設定についてはこちらを参照してください。

学術体系と各種技術

 現在「人間」達が有している技術は、総合的に見て史実における中世後期に、GURPSの言葉で言えば技術レベル3に相当します。然しながら、しばしば魔法の存在によって史実を遥かに超えた技術が開発されている場合もあるでしょう。設定にはできるだけ明記するようにしますが、書かれていない事に関してもGMは臨機応変に、想像力をもって対応してください。

学術体系

 「人間」達の世界には自然科学はまだありません。合理的、機械論的に自然を捉えるという発想自体が、未だに明確な形では存在していません。
 哲学的思索や神学的考察によってもたらされる現象説明の理論は無数に存在するものの、形而上学的で検証不可能な内容であったり、帰結を実験によって確認しようとする態度が軽視されていたり、または実験は行われるもののその知識を総合する体系が十分でないなどの理由により、実験に基礎を置く自然科学が成立するに至っていません。かれらは実証的な方法により獲得した認識に立って行動するというよりは、抽象的な信仰や神秘的なものを求めます。一方で、現代の我々もまたそうであるように、あらゆるものを何か一つの要素に関連付けようとする立場に立って思考し行動します――この世界の学者を演じる時には、この点に留意してください。

要点

医療技術

 Apocalypseの医療技術は、本来の技術レベル3を大きく越えた水準にあります。
 科学的知見に基づいた医学は萌芽が見えるものの未発達であり、経験的技術に留まっている部分が多く存在します。「何故病気になるのか」という原理に関する知識は少なく、生理学的な知識もまだ未熟ですが、例えば「血液は全身を循環している」「消化器は食物の通り道である」といったごく基本な事項は解剖によって明らかにされています。史実と比べると明らかに時代を大きく飛び越して発展していると言えます。
 然し既に病原体の存在が認知されており、殺菌による感染症の予防と対策が行われています。と言っても、細菌やウイルス等の存在が実証的に確認されている訳ではなく、おぼろげな病原体と言うイメージを仮構しそれに基づいて方法を構築している段階です。衛生概念の向上もあって、都市部では伝染病の大流行は見られなくなってます。
 未発達ではありますが、感染症への対策がなされるようになってからは近代的な外科手術も行われるようになってきており、麻酔や器具もそれなりに発達しています。
 更に、魔法を直接用いる医療も存在します。《小治癒》《大治癒》は傷の手当てに活用されているでしょうし、《接合》《再生》によって失われた肉体を取り戻す事も可能です。《止血》《殺菌》《痛み止め》は外科手術の大きな助けになるでしょうし、《療治》《解毒》があれば肉体の不調はほぼ解決可能です。術者への負担が大きいのが難点ではありますが、ほぼ万能の医療である魔法医療は盛んに活用されていることでしょう。更に、魔化された物品によってより効率的に作業を進められる事も多いでしょう。
 一般人は呪文を覚える機会が無いため、街の医者では魔法による治療を施すことは出来ません。こうした呪文を扱うことが出来るのは、何らかの教団に属している聖職者であることが殆どです。
 軽度の外傷や疾病であれば、診療代の安い街医者でも十分に対処できるため、魔法医師の下に廻されるのは重体の患者であることが殆どです。そうした患者に対応するための呪文は非常に高度なものであり、魔法医師となるためには優れた素質と長い専門教育を経なければなりません。この世界でそうした人材と教育を提供するのは正教会イフェリア教団のみであり、前者では教会医師、後者ではトリザに仕える神官という形を採っています。

要点

移動手段

1.徒歩

 手軽でかつ金が掛からないため、最も頻繁に用いられる手段です。普通、この時代には人々は何処に赴くにしても自分の足で歩かなければなりません。
 移動速度は遅く、加えて疲労が溜まるため、行動範囲はそれ程広くありません。然し殆ど全ての地形の上を移動可能であるということは大きな長所となりえます。徒歩でしか進めない場所も少なくないでしょう。

2.ファマザ

 ファマザは馬と良く似た家畜で、荷役や戦闘に用いられ、肉は食用肉として十分な質を持ちます。ファマザは徒歩に次ぐ人々の足であり、食料であり、欠かせないものとなって生活を支えています。
 ファマザには人が直接騎乗して移動する事もあれば、馬車を牽かせて移動する事もあります。特に馬車は一般の人々にとって重要なものであり、離れた町まで移動する時はこれを用います。
 ファマザのゲーム上のデータは、現実の馬と同様のものとして扱います。

3.瞬間移動

 魔法を扱う者に依頼して、儀式により遠く離れた場所まで瞬間移動を行うという手段もあります。これは正教会が行っており、超遠距離を短時間で移動する必要がある時にのみ行われます。この方法が取られる頻度は少なく、要人を別の国家に移送する時などに用いられるのが精々です。

4.『門』

 『緑の星』各地を蜘蛛の巣状に結んでいる『門』を用いた移動は盛んに行われています。これは異なる場所の空間が直接癒着してしまっているもので、一方の『門』に入ればもう一方の『門』から出てくることが出来ます。詳細な情報はGURPS Grimoireの転送系呪文を参照してください。
 『門』の管理は正教会広教会が、各々の勢力圏内において一括して行っています。『門』を管理するために必要な魔法の技術を持っているのは、正教会広教会だけです。一方が正教会の、もう一方が広教会の勢力圏内に繋がるような『門』は、全て正教会の手によって封印ないし破壊されており、使用することはできません。
 『門』はその数が少なく、何処へでもショートカット出来る訳ではありません。然し、大洋や大砂漠を越えて一瞬で移動することの出来る利益と恐怖は、全ての組織の人間が熟知しています。
 『門』は円形から楕円形をした、厚みの無い平面的なもので、一方に立っている者は向かい側を見通すことができます。サイズは人が二、三人通れる程度のものから、馬車が何台も並んで通り抜けられる規模のものまで様々ですが、規模が大きくなるほど数は少なくなり、直径100mを超す最大規模のものは世界に数えるほどしか存在しません。

5.船舶

 大量の人と物を載せて移動することの出来る船舶は、常に重要な輸送手段であり続けています。『門』が存在する為にその重要性は幾分低下しているとは言え、重要であることに変わりありません。

通信技術

1.会話

 通信手段に括るには多少毛色が異なりますが、実際に人と人とが交わす会話の中で広がっていく情報の量は侮れません。実生活において最も重要な情報源となるでしょう。

2.紙媒体の運搬

 手紙は基本的な通信手段となっており、大都市には新聞もあります。そうした紙媒体を配送するためには、距離によっては月単位の時間が掛かる場合があり、また現代の郵便に比べると郵便事故も多く、信頼性は高くありません。然しそれでも一般の人々にとっては、手紙が遠く離れてしまった人物とコミュニケーションをとる唯一の方法です。
 郵便に携わる人の中には「届け屋」と呼ばれる職業の人々がいます。彼らの仕事は、普通の人間では立ち入る事の出来ないような場所に手紙や荷物を無事送り届ける事です。

基本ゲームデータ

種族と能力値

 基本的に、キャラクターは全て「種族」の項目に上げた種族の成員とします。それ以外の種族に属するキャラクターを作成するのであれば、適宜「特殊な背景」を設定する必要があるでしょう。
 「人間」が取得できる特徴の幅や能力値の限界に関しては、現実世界に存在する人間と同一であると考えてください。人間の初期能力値は全て10で、基本セットとして組み込まれているような特徴は一切ありません。

装備と初期所持金

 標準的な「財産」を持つキャラクターの初期所持金は、基本的に1000Rです。魔法の品物で無く、技術レベルが3以下の装備類や道具類に関しては、GURPS Basicに書かれている物品が全て存在していると考えて構いません。

魔法の品物の入手とその価格

入手

 魔法の品物は、通常の地域では正教会が生産と売買を管理しています。従って、何らかの魔法の品物を手に入れようと思ったら、正教会に発注するか、或いは既に品物を持っている人物(仲買の商人や友好的な人物)から譲り受けることになります。
 広教会の勢力圏内では、正教会に代わって広教会が魔法の品物の生産と売買と管理しています。細部については 正教会と同様に処理してください。

価格

 《高速魔化》と《魔化安定》により、多少価格に変動があるはずですが詳細は未定です。

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