追加事項

追加呪文

氷霊系

 水霊系の呪文から派生し、独立した系統となった「冷気」と「氷」を扱う呪文系統です。GURPS Grimoireに記載されている呪文を全て含みます。
 《冷却》《防熱》《冷凍》《雪解け》《霜》《凍傷》《氷面》《雪》《雹》《氷結武器》《氷球》《氷剣》《氷中視覚》は冷霊系に含まれるとします。
 また、《冷凍》と《氷結武器》の前提呪文として《冷却》を設定します。

《氷探知》  情報

(持続):一瞬  (準備):三秒
(消費):3
(前提):なし
(魔化):杖、錫杖、装身具。50
(効果) 最も近くにある「固体の水」を探知します。発動判定への修正値は遠距離の修正値を用います。

《氷浄化》  通常

(持続):浄化し終わるまで  (準備):氷4kgにつき2秒
(消費):氷4kgにつき1
(前提):《氷探知》
(魔化):杖、錫杖、装身具。50
(効果) 氷の結晶に対して使い、不純物を取り除いて純粋な氷を作り出します。

《氷変化》  通常

(持続):一分  (準備):一秒
(消費):氷1へクス大ごとに2、維持は氷の体積に関わらず1
(前提):《氷浄化》
(魔化):杖、錫杖、装身具。400
(効果) 固体である氷の形を自在に変え、更に最大で3へクス毎秒の速さで意のままに移動させることが出来ます。氷を粉砕するなどの高度な作業は行う事が出来ません。
 《氷変化》は《冷却》、《氷球》、《氷中視覚》の前提呪文となります。

《氷破壊》  範囲

(持続):永久  (準備):一秒
(消費):B4
(前提):《氷作成》
(魔化):杖、錫杖、装身具。300
(効果) へクス内に存在する全ての「固体の水」を破壊します。液体や気体の水には一切影響しません。

《氷噴射》  通常

(持続):一秒  (準備):一秒
(消費):1〜3
(前提):《氷変化》
(魔化):杖、錫杖。先端から氷が噴き出す。600
(効果) 術者の指先から、細かい氷の破片が噴き出します。氷は消費1点ごとに1へクス先まで届きます。誰かの顔に氷が命中した場合、消費1点ごとに次のターンの敏捷力と敏捷力を基準とした技能に-3の修正を受けます。
 《氷噴射》は《氷球》《氷剣》《氷吹き》の前提呪文となります。

火霊/風霊系

《熱風噴射》  通常

(持続):一秒  (準備):一秒
(消費):1〜4・同
(前提):《加熱》+《空気噴射》
(魔化):杖、錫杖、装身具。800
(効果) 術者の指先から、高温の空気が噴き出します。加熱された空気の温度は500℃程度であり、紙などならまず間違いなく発火するでしょう。
 高温の空気の流れは消費1点につき2へクス先まで到達します。何かに向けて噴射するときは<呪文噴射>で命中判定を行い、生物に命中したのならば消費1点ごとに1D-1点のダメージを与えます。
 何者かの顔、或いはそれに類する感覚器官に命中した場合、目標の次の行動には敏捷力と関連技能全てに-5の修正があります。能動防御も低下します。

《冷気噴射》  通常

(持続):一秒  (準備):一秒
(消費):1〜4・同
(前提):《冷却》+《空気噴射》
(魔化):杖、錫杖、装身具。800
(効果) 術者の指先から強烈な冷気が噴き出します。放たれる空気の温度は氷点下220℃程度であり、一気圧下では液化した大気の飛沫も混じります。暫く噴射し続けるだけで、物体は凍りつくでしょう。
 冷気は消費エネルギー1点につき、2へクス先まで届きます。命中判定は<呪文噴射>行い、生物に命中した場合には消費1点につき1D-1点のダメージが与えられます。
 何者かの顔、或いはそれに類する感覚器官に冷気が命中した場合、目標の次の行動には敏捷力と関連技能全てに-5の修正があります。能動防御も低下します。

《灼熱の風》  範囲

(持続):一分  (準備):一瞬
(消費):B3-2
(前提):《風》+《加熱》
(魔化):杖、錫杖、装身具。1500
(効果) 基本的には《風》と同様です。風の吹き出すタイミング、強さ、風の広がる範囲等、すべて同じです。
 唯一つ異なるのは、渦巻く空気が強烈に加熱されていることです。通常の《風》の効果に加えて、この中に居るものは熱による1D-1点のダメージを毎ターン、受け続けます。更に顔やそれに類する感覚器官が熱から防御されていない限り、敏捷力とそれを基準とする技能に-5の修正を受けてしまいます。
 街の中で使えば建物に火が付くでしょうし、森で使えば山火事になるでしょう。乾燥する季節には更にその危険性が高まります。

《灼熱の嵐》  範囲

(持続):一分  (準備):一瞬
(消費):B5-3
(前提):《嵐》+《加熱》、または《灼熱の風》
(魔化):杖、錫杖、装身具。2000
(効果) 《灼熱の風》の《嵐》版です。風による影響については《嵐》を、熱による影響については《灼熱の風》を参照してください。

《火炎旋風》  範囲  (至難)

(持続):十秒  (準備):一瞬
(消費):B7-4
(前提):素質1+《灼熱の嵐》
(魔化):杖、錫杖、装身具。2500
(効果) 術者の周りで、強烈な風と魔法の炎が渦巻きます。
 基本的には《灼熱の嵐》と同様で、風の影響については《嵐》と同様です。火炎によるダメージは2Dに増加しており、炎のために反対側を見通すことは出来ません。また、《火炎旋風》に巻き込まれてしまった者は「無痛」などの特徴が無い限り、渦の外へと逃げる以外の行動をとることが出来ません。

火霊/水霊系

《体液煮沸》  通常/生命力で抵抗  (至難)

(持続):一秒  (準備):二秒
(消費):7
(前提):《沸騰》
(魔化):杖、錫杖、装身具。1000
(効果) 目標となる生物の体液をわずかな間だけ沸騰させます。呪文の効果が切れればすぐに元の温度、もとの状態に戻りますが、沸騰した体液による肉体への重大な損害は消えることはありません。
 呪文の効果が現れると同時に目標の体液が沸騰し、血管は膨らみ、全身から出血します。目標には即座に防護点を無視した3D点のダメージが与えられ、さらに自動的に転倒・朦朧します。更に生命力判定を行い、失敗すると気絶し、ファンブルすると「視覚障害」や「歩行障害」等の重大な障害が残ってしまいます――もし、出目18でのファンブルであったのなら、それは死を意味します。

《水蒸気爆発》  通常  (至難)

(持続):一瞬  (準備):三秒
(消費):12
(前提):素質2+《沸騰》+《水作成》 (魔化):杖、錫杖。3000
(効果) 空中に水塊が現れたと思った次の瞬間、激烈な衝撃を伴う水蒸気爆発が起こります。
 《水蒸気爆発》は、爆心地となるへクスに掛けます。距離修正は、術者と爆心地へクスの間の距離によって計算します。
 爆心地へクスに居たキャラクタは、4D点の叩きダメージと、1D点の蒸気によるダメージを受けます。爆心地からの距離が2〜3へクスの者は3D、4〜5へクスの者は2D、6〜10へクスの者は1D点の叩きダメージのみを受けます。
 爆音によって、聴覚がおかしくなる可能性もあります。爆心地へクスと、そこから2〜4へクス以内に居た者は生命力判定を行い、失敗すると5ターンの間耳が聞こえなくなり、成功しても10分間聴覚に-4の修正を受けます。爆心地に居た者がファンブルすると、鼓膜が吹き飛んでしまいます!
 爆心地からさらに離れた所に居る者も、生命力判定を行います。成功すれば特に影響は無く、失敗すると10分間聴覚に-3の修正を受けます。ファンブルすると、5ターンやはり音が聞こえなくなります。

水霊/風霊系

《感電水撃》  射撃

(持続):ぶつかるまで  (準備):1〜4秒
(消費):1〜4
(前提):《電光》+《氷球》
(魔化):杖、錫杖、装身具。600
(効果) 電光を伴った水の塊を投げつけます。命中した目標は水による衝撃と、それにまとわり付くようにして飛来した電光によってダメージを受けます。
 消費したエネルギー1点に付き、目標に1D+1点のダメージが与えられます。《感電水撃》の命中判定は<呪文射撃/液体>(肉体/易)で行います。どれだけ技能レベルが上昇したとしても、準備時間が短くなることはありません。

《痺れ濃霧》  範囲

(持続):一分  (準備):一秒
(消費):B2-半
(前提):素質1+《霧》+《電光》
(魔化):杖、錫杖、装身具。1000
(効果) 範囲内に濃密な霧を作り出します。魔法の霧であり、風が吹いても薄れることはありません。
 霧の中では常に細かい電光が無数に走っていおり、これを回避することは不可能です。中に入った者は、入った瞬間と、自分の行動の開始時に1D点のダメージを受けます。
 霧は視界を遮ります。霧のへクスの向こうを見通すことは出来ず、霧のへクスの中で戦うのならば自分のいるへクス以外のへクスは「闇」のへクスとして扱います。

水霊/地霊系

 魔法により作られる泥は、全て魔法の泥となります。
 この泥は滑りやすく、またかなり粘り気があるのが特徴です。その上で何か肉体的な行動をとろうとした場合には、氷のへクスと同様の修正が課されます。スパイク付きのブーツも、泥が深い場合には無意味です。

《泥作成》  通常

(持続):永続  (準備):三秒
(消費):泥1へクスにつき8
(前提):《水作成》+《土作成》
(魔化):杖、錫杖、装身具。600
(効果) 任意のへクスに泥を作り出します。何も受け止めるものが無ければ流れ去ってしまうでしょう。1へクス大の泥は、満遍なく流れ去ったとして7へクスを十分に覆うだけの体積があります。

《泥海》  範囲

(持続):泥は永続  (準備):二秒
(消費):B2
(前提):《泥作成》
(魔化):杖、錫杖、装身具。800
(効果) 効果範囲内の地面を泥で覆います。この泥は流れ去ることなく、そのへクスにとどまり続けます。
 やはり、この泥の上は氷のへクスと同様に扱われます。

即興呪文

概略

 即興呪文とは、不安定で不確実であった即席呪文を学術的・技術的に体系立て、整備したものです。通常の個別呪文と比べると手間が掛かる、安定性が無いといった欠点がありますが、即席呪文と比べて優れた特徴を幾つか有しています。
 Apocalypse-300-では、即興呪文は正教会広教会に所属する専門の魔術師のみが修得できる「秘儀」となっています。イフェリア教団や他の組織の人間は魔法を扱えるとは言え、二大教会のそれと比べれば体系的には素朴なものであり、即興呪文を扱うには至っていません。

使うための手続き

PLによる効果の宣言

 即興呪文を使う意思のあるPLが、GMに「どのような効果を引き起こしたいか」を説明します。この説明を行う際には、「呪文の対象となるのは何か」「ゲームデータ上、どのような変化を引き起こすのか」「ゲーム世界内部ではその変化がどのように観察されるのか」を明確にするとスムーズに理解してもらえると思います。

GMによる実行可能性の判断

 PLから効果の説明を受けて理解した後に、GMはその呪文は実行可能なものであるか否かを決定することになります。魔法と言う体系が極めて柔軟性に富んだものであるため、殆どの効果は実現する事が可能ではありますが、もしもGMがシナリオ進行に支障をきたすと思えばそれを理由に呪文の実行を認めないことにしても構いません。

呪文の動詞と名詞の決定

 GMが実行可能であると判断すれば、その呪文の名詞技能と動詞技能(品詞技能と総称します)を決定する段階に入ります。名詞技能は「何を」、動詞技能は「どうするのか」に当たるもので、引き起こそうとする効果を解釈できる組み合わせであれば何でも構いません。術者は解釈が成立する限りにおいて、自分の修得している品詞技能の中から最も上手に扱える組み合わせを選ぶ事ができます。この「名詞技能と動詞技能の組み合わせ」を「呪文の表現」と呼びます。
 名詞技能や動詞技能の数は、呪文の効果を解釈するのに必要最低限の数にとどめるべきです。然しただ一つではどうしても解釈に無理がある場合もあり、その場合には同時に複数の品詞技能を指定しても構いません。

呪文の技能レベル算出

 名詞技能と動詞技能が決定が終わったら、その技能レベルから呪文自体の技能レベルを算出します。呪文の技能レベルは、それを表現している名詞技能と動詞技能の中で最も技能レベルが低いものの値と同じになります。

 例えば、「物体を加熱する」という効果の呪文《加熱》を表現するために、名詞技能として《熱/光》-16、動詞技能として《作成/修復》-15を指定したとすると、この《加熱》の技能レベルは15になります。

呪文の詳細なデータの決定

 技能レベルの算出が終わったら、PLとGMが協議を行い呪文の詳細なゲームデータを決定する段階に入ります。此処では、GURPS Magicに記載されている呪文のデータを考慮しながら、「呪文のタイプ」「持続時間」「消費エネルギー」「準備時間」を決定することになります。この時、GURPS Magicの諸呪文と比べて明らかに強過ぎるデータにならないようにしてください。
 また、普通の呪文と同様に技能レベルによる消費エネルギーと準備時間の減少も適用されますが、消費エネルギーは1点、準備時間は1秒が下限になります。

発動判定

 全てのデータが決定されたら、呪文の発動判定に移ります。先ず、名詞技能と動詞技能から算出された技能レベルに、呪文のタイプやGMの判断による修正を課して、最終的な発動目標値を計算します。次に、その発動目標値を目標値として通常通りの成功判定を行い、成功すれば呪文が機能し、失敗すれば機能しなかったことになります。
 即興呪文の発動目標値は、計算した値が15を超えていたとしても最大で15にしかなりませんし、成功度もそこから計算しなければなりません。

即興呪文に関連する追加技能

即興呪文/種別  精神/至難  技能なし:なし

 即興呪文を行使するにあたって必要となる技術と知識を表します。名詞技能と動詞技能の基準値となり、「魔法の素質」のレベルが技能レベルに加算されます。
 <即興呪文>の技能レベルは、「知力+魔法の素質のレベル」が上限になります。「呪文知識」を持っていれば、技能レベルの現在値と上限値にそれぞれ+1することができます。
 Apocalypseでは、「正教会」「足音」のどちらかに専門化する必要があります。

名詞技能と動詞技能

 名詞技能と動詞技能は、魔法の体系がどのように構築されているかに深く関わるものです。名詞技能と動詞技能は、その体系において魔法がどのように機能するかについてどのような説明が与えられているかを表現しています。
 名詞技能と動詞技能の技能レベルは、<即興呪文>を基準にして決定されます。
 それぞれの技能には「技能なし値」と「難易度」が設定されており、難易度に応じたCPを個別に支払う事によって、一つの動詞技能ないし名詞技能の技能レベルを上昇させる事が出来ます。(格闘動作と同様のものです。)

技能修正
+10.5CP1CP
+21CP2CP
+32CP4CP
+44CP6CP
以降+1ごとに+2CP+2CP

名詞技能:「何を」

《水/液体》(難)   技能なし:<即興呪文>-6

 「水」に代表される、液体としての物質を扱う名詞です。物体を構成している物が何であれ、液体であればこの名詞を用います。泥やガラスに関しては、後述する《土/固体》と併用して操作を行います。

《土/固体》(難)   技能なし:<即興呪文>-6

 「土」に代表される、固体としての物質を扱う名詞です。やはり物体を構成してる物が何であったとしても、固体であればこの名詞を用いる事になります。

《風/気体》(難)   技能なし:<即興呪文>-6

 「空気」に代表される、気体としての物質を扱う名詞です。物体がどのような物で構成されていたとしても、期待であればこの名詞を用いて操作を行います。

《生命/精神》(難)  技能なし:<即興呪文>-6

 生命体の肉体、及び精神に影響を及ぼす際に用いられる名詞です。魔法生物に関しては、この名詞と《魔法》を併用して操作を行う事になります。

《空間》(難)  技能なし:<即興呪文>-6

 空間を操作する際に用いられる名詞です。この時代には未だ明確な「空間」という概念は存在しませんが、魔術師達は多くを感覚と経験に頼って空間に関する呪文を扱っています。

《熱/炎》(並)     技能なし:<即興呪文>-5

 熱と、それを生み出すものの象徴である炎を扱う名詞です。この時代は「温かさ」と「冷たさ」は分けて考えられており、従って「熱」という一つの名詞で熱現象を扱う事は出来ません。

《冷気/氷》(並)   技能なし:<即興呪文>-5

 冷気と、それを生み出すものの象徴である氷を扱う名詞です。

《光/闇》(並)   技能なし:<即興呪文>-5

 光とそれが創り出す闇を扱う名詞です。光や闇を扱う呪文にはこの名詞が用いられます。

《音/言語》(並)   技能なし:<即興呪文>-5

 音そのものと、音の形で発せられる言葉を扱う名詞です。音や言葉を扱う呪文に用いられます。聴覚を扱う場合には、《生命/精神》を併用します。

《魔法》(難)      技能なし:<即興呪文>-6

 魔法そのものを対象とする時に用いられる名詞です。呪文や魔法生物についての操作を行う際に使います。
 《魔法》の技能レベルは、他の名詞技能の中で最もレベルの低いものの値が上限です。

動詞技能:「どうするのか」

《変化/変形》(並)  技能なし:<即興呪文>-5

 名詞で指定されたものの、性質や形質を変化させる際に用いられる動詞です。例えば、岩石の形を変化させたり、、動物を別の動物に変えたり、水を油に変化させたりする呪文に用いられます。生命体の行動パターンを変化させたり、呪文の目標を変えると言った操作は《変化》ではなく、後述する《制御》で行う事になります。

《破壊/消去》(並)  技能なし:<即興呪文>-5

 名詞で指定されたものを破壊したり、消去する際に用いられる動詞です。物体を破壊したり、生き物を傷つけたり、呪文を掻き消したりと言った呪文に用いられます。

《作成/修復》(並)  技能なし:<即興呪文>-6

 名詞で指定されたものを作り出したり、修復したりする際に用いられる動詞です。物体を作り出す呪文や、傷を癒す呪文に用いられます。

《感知》(難)  技能なし:<即興呪文>-6

 名詞で指定されたものに対して、何らかの情報を得るために用いられる動詞です。情報呪文に当たる呪文に用いられます。

《移送》(難)  技能なし:<即興呪文>-6

 何かをある場所からある場所へと移動させたり、何かをある場所から動かす際の用いられる動詞です。情報を伝えたり、物体を手を触れずに動かしたり、瞬間移動したりと言った呪文はこの動詞を用います。

《制御》(難)  技能なし:<即興呪文>-8

 名詞で指定された対象を操作する際に用いる動詞です。全ての呪文は、ある意味で対象を制御する呪文であり、殆ど全ての呪文はこの動詞を用いて再現することが出来ます。然し他にもっと適した動詞が既に存在するのであれば、そちらを用いる方が良いでしょう。
 《制御》の技能レベルは、他の動詞技能の中で最も低いものの値が上限です。

与太話

 WMが思いつきで書き下した設定群です。

伝説の武器

 この世界には、伝説となっている武器が全部で九つあります。
 うち六つは正教会が管理しており、残り三つつのうち一つは足音の管轄下にあります。更に一つは世界のどこかに隠されているとされ、「失われた伝説」と呼ばれています。そして最後の一つは、強大な力を持つ"誰か"が所有していると言われていますが、真偽は定かではありません。

「命を砕くもの」ダラディス

 「命を砕くもの」ダラディスは、シェリル=フェルム教会第十代教会長シェリル・リッツィバード=フェルムが所有しています。
 ダラディスは普段は長さ1.5mほどの杖であり、ちょうど一般的なクォータースタッフと同様に扱う事ができます。然し、所有者が望めばダラディスはその真の姿――赤黒い瘴気を発する、禍々しい大鎌――にその姿を変えます。
 ダラディスの光を反射しない刃は肉体だけではなく、生命の力そのものもこそぎ取ります。傷が癒えても、犠牲者の魂は治ることの無い傷と痛みにさいなまれ続けます。
 また、ダラディスの刃は影を伝って届きます。地面や影の中にその刃を突き立てられると、相手の影の中から刃が現れ、一瞬のうちに貫き、その命を奪います。

(対応技能)<両手斧/メイス>
(武器性能) 3kg
 切:振+3D+3 1,2    *1
 刺:振+3D+2 1,2    *1、*2
 切:振+2D+2 c,1〜10 *1、*3
 *1…ダメージを受けた者は生命力-5判定。失敗すると生命力を永遠に1点失い即気絶。
 *2…突き刺さる
 *3…相手の能動防御に常に-2

「輝ける魂」トリプコーン

 「輝ける魂」トリプコーンは、シェール=フェルム正教会第十代大教会長シェール・アーネンエンデ=フェルムが所有しています。
 トリプコーンはダラディスと対を成す武器であり、うっすらと燐光を放つ長さ1.7mほどの杖の形をしています。
 殺傷力はさほどありませんが、杖を通じてその中に秘められた生命の力を相手に分け与える事により、傷を癒す事ができます。これはある程度離れていても届きます。また、トリプコーンの力を受けた者は如何なる者であれ、破壊と暴力の愚かしさをたちどころに知ると言われます。

(対応技能)<杖>
(武器性能) 2kg
 叩:振+3D+3 1,2    *1
 叩:突+2D+2 1,2    *1
 叩:突+2D+2 c,1〜10 *2
 *1…ダメージを受けた者は意志-5判定。失敗すると戦意を失う。
 *2…ダメージ反転。致傷力の分だけ相手のHPが回復する。

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