もう今では知る人も少ないだろうが、20世紀のマイクロソフト製品には「2031年問題」が発生していた。概要は下記のとおりである:
以上。激怒した私は同僚にこう言った:
- エクセルなりアクセスなりで、「31年」と入力する(当方は2031年のつもりである)。
- ところが、エクセルなりアクセス君、その年を「2031年」ではなく、なんと「1931年」と判断する!
では、2031年になったら関東軍が張作霖を謀殺(実際は1931年発生)し、その翌年にはリットン調査団が中国東北部にやって来てモバイルパソコン使って、関東軍の謀略について電子メールで国連に報告して携帯電話使って「今メール送ったので見てください」とでも言うのか?!同僚は完璧に理解したうえで、このように言う:いやすぎるw。だが、私は同僚の言葉を聞きながら、別のことが気になった:いや、待て。もしも、本当に【1931年に】リットン調査団がモバイルパソコン使って電子メールをどこぞに送り、挙句、携帯電話で連絡しようとすると、どうなる?「リットン調査団が中国東北部において、モバイルパソコンを使用し、関東軍の謀略について、インターネット経由で国連に電子メールを送信した。軽やかに携帯電話を取り出して、大声で話す『あ、今メール送りましたので、ご覧ください』……」携帯電話が「圏外」ではないことを祈ろう。「圏外」だった場合、今日では「人工衛星を経由する携帯電話」を使用しなければならない。……人工衛星とかカーナビの話はややこしくなるのである。
「圏外」ではないということは、携帯電話が利用できる環境でなければならない。ゲリラや(日本を含めた)よその国のスパイが暗躍する中で、アンテナ網が利用できなくてはならないのである(ああ、先行き暗い)。
携帯電話。電話と無線機の複合体。しかも、上着のポケットに入る大きさ。そのためには「電話」と「無線機」が必要である。おや、またもや怪しくなってきた。1930年というと、電話の発明者グラハム・ベルから時代的にあまり離れていないぞ。……百歩譲って、「携帯電話はあるもの」としてしまおう(まだまだ難関があるため)。発明王エジソンが電報(テレグラム)を作ってからあまり時間が経過していないことも無視しよう。パソコン、すなわち個人利用のコンピューターが1930年代に可能か?
1930年よりも遥かな昔、コンピューターの原形「解析エンジン」をパスカルが考案している。データ処理のための「穿孔カード」は、そろそろホレリスによって考案される……はずである。しかも、アラン・チューリングが「電動式計算機(コンピューターの超原型)」を作成するよりかなり前の時代である。それゆえ「かならずしも可能とも言えないが不可能ではないかもしれない」が、まだまだ難点が山のようにある。「どうやって、メールを打つ? パソコンのキーボード?」ホロコーストのさなかにユダヤ人を救おうとして、オスカー・シンドラーがタイピストを大量に雇おうとするのは、第二次大戦中である。第二次大戦中あるいは直前に、日本大使館が手渡そうとしていた対米宣戦布告は、間に合わなかった。映画では、日本人俳優が「五月雨式」にタイプライターを打っている。万人がメールを打つためにキーボードを使うには、タイプライター(というかキーボード)に、もっと慣れていなければならないが。ところが、タイプライターが初めて現れるのは、二十年代〜三十年代初頭である。新しいもの好きのオタッキーだったならばともかく、リットン卿はタイプライターを使いこなせそうにない。……そもそも、誰が、液晶や、コンピューター内部の精密なモーター(もちろんSSDとかではなくHDDを想定している←たぶんSSDよかHDDを作るほうが「まだ容易」なはず)を作るというのだろう?
精密なモーターは、器用で頑固な、スイスの職人さんたちが作ったことにしてしまおう。他は、全部、万能の発明王、トーマス・エジソンが作ったとしてしまおう。
「エジソンは、電球のフィラメントの素材に悩んでいた。夕暮れ。彼は、スイッチをひねる。ぱりぱりっと音がして、蛍光燈の電灯がつく。自作のパソコン上の表計算ソフトで分析・試行錯誤の後に、どうやら京都の炭がよさそうだという結論に達する。世界初の電球は、蛍光燈のもと、本格的に光を放ったのである」
「エジソンは、世界初の映画を作ろうとしていた。……といっても、後にリュミエールが作るようなものではなく、パラパラ漫画に毛の生えた程度のものである。彼は、自作のCADソフト・アニメーションソフトで、拡張子AVIもしくはMOVのファイルを作成し、レーザープリンターからセルに印刷する。そして、パラパラ漫画を作ったのである」
「エジソンは、タイプライターのデザインを行っていた。……マウスを動かしながら、CADソフトを使って。彼は、当然ながらマウスに慣れていないため、キーボードからCtrl+Sのコマンド入力して、図面データをハードディスクに保存した。続いて、Ctrl+Pで、ネットワークプリンター(3Dプリンター)で、タイプライターの設計モデルを出力する。彼は、そのモデルを元に、世界初のタイプライターを作成した」
……以上、かなりのアナクロニズムを無視して、「モバイルパソコンによる通信」を強引に実現したとしよう(この際、通信ネットワーク・途中サーバー・相手サーバーの問題は無視してしまうことにする)。だが、最後の難関が立ちはだかる。
「モバイルパソコンの材質は?」今日では、プラスチックである。プラスチックといえば、本来形容詞であるため、いろんなものの総称となる。一般に、合成樹脂の。ところが、悲しいことに、合成樹脂の先駈け「ビニール」は、1940年代の製品であるはず……。ということは、イクサハジマル(1931年の年を覚えるための語呂合わせ)に、モバイルパソコンは、間に合わない。……木造のフレーム? キーボードも、外枠も、全部、ラワン材?
では、液晶画面のプラスチックは?
液晶画面があるからこそ、モバイルが可能(だからこそ液晶のスマホは言及しなかったのだよ)。なければ……悲しいことに、モバイルパソコンは実現不可能である。いやいや。必要は発明の母。宇田川榕菴(1798-1846、西洋の植物学と化学を初めて日本に紹介した蘭学者)が「合成樹脂」を発明したことにすればええのでね?いや、それこそ「なろう系の」……。待てよ。日本が幕末にプラスチックを発明していれば、ひょっとして第二次大戦で日本が勝てるのでね?下記以降は、2031年問題からは完全に逸脱する:私の出した結論(「どうすれば日本は第二次大戦で米国に勝つことができるか」):ちなみに私が上記小説(案)を廃案しようとするのは、かなり難しかったからである:
- その廃案予定小説のタイトルは「1941年合衆国解体」である。
- 米軍が習志野・東京・横浜・横須賀を奇襲しようとするが、日本軍の対艦ミサイル・対空ミサイルによって返り討ちに合う。
- 米英ソ独伊の大使たちが日本軍の用意した会議室に招待される。
- 大モニターには世界地図。そして、反撃しようとしている日本軍の長距離ジェット爆撃機のアイコンが米国に向かう様が逐次動いて表示されている。
- 補助の小型液晶タブレットを渡される大使たち。慣れた様子で独伊は操作するが、他国は分からない。そして他国をサポート(「そこの言語選択を押せ」)する独伊。
- 「対米のみに」宣戦布告書を渡す日本(駐米大使職員一行たちは脱出中とも告げる)。
- 富良野・知覧ほか各地から発射される核弾頭ICBM群。
- 米国各地に着弾する核兵器。
- 「以降、合衆国は存在しない」と宣言する日本
お話は、通常とは異なり「現在(2031年)」から過去(幕末)へと進む(構成が作りにくい!) おまけに通常の「歴史改変小説」同様に「結局は歴史改変に失敗した」となる(後味の悪い作品は作りたくない←私自身が読みたくなくなる)。 おまけにおまけに最近「お話を作る」作業が、年のためか、つらい(「継続する」力が出ない←まだ「作曲」とかのほうがラク)。