蔵書一覧に戻る          索引パネルに戻る          トップメニューに戻る
我門 隆星 書評 (TX-R293EC-0002) : もしも月が2つあったなら/ありえたかもしれない地球への10の旅Part2
[書籍データ]
書籍コード: TX-R293EC-0002
著者名:カミンズ,ニール・F
書籍名: もしも月が2つあったなら/ありえたかもしれない地球への10の旅Part2
(VOL:0, DUP:0, A)
もしも月が2つあったなら? もしも地球(惑星)ではなく月(衛星)に生命が発生すれば? もしも月が逆向きに公転していたら? もしも地球が銀河のどこか他の場所で生まれていたら? もしも地球に太陽が二つあったなら?……
などなど、前作を超えた面白さである。前作よりも挿絵が解り易くなっている。
ノーベル賞は無理かもしれないが、イグノーベル賞ぐらいは狙えるのではなかろうか、というほど 「考えさせられる」研究であり、人を引きつけて離さない書。一気に読了できる。良書である。
しかし……。 細かいアラが数点。まず和訳が、前作よりも多少こなれていない(急いだのだろうか?)。 誤字脱字、単位の書き間違いなどが散見される。
また、本書の最後「もしも他の銀河が私たちの銀河に衝突したら?」の考察であるが、 これは今から35億年後(佐藤勝彦『インフレーション宇宙論』によれば50億年後)に 現実に起こるであろう、われわれ天の川銀河とアンドロメダ銀河の正面衝突(?)を 描くものである。 さぞや大規模カタストロフ! と思いきや……「ん? エピローグ??  考察、どこ?」という竜頭蛇尾な感が否めない。それまでの「こってり描写」に慣らされると 放り出されたブラックホールとか球状星団の通過とか、詳細のない「あっさり描写」に なってしまっていて、少々残念ではある。 
蔵書一覧に戻る          索引パネルに戻る          トップメニューに戻る