少々物議をかもしそうなタイトル。
「粘菌に知性? では、数を数えるのか、火を発見して道具を作るのか、
人類とコミュニケートした挙句に戦争をふっかけてくるのか?」
という疑問は脇に置いておいて。
本書によれば、粘菌たちの振る舞いは、迷路を解いたり、解く際に「逡巡する」ようにしか
見えない行動をしたりしている。
すると「いったい知性とは何か?」という疑問に迫る。という良書。
なお、著者の研究は、2008年度イグ・ノーベル認知科学賞を受賞したらしい。
目出たい(日本人は結構受賞・自己推薦・他者推薦しているそうな)。
あるブログはこの研究を「ばかばかしさが足りないのでイグ・ノーベル賞度が足りない」などと
しているが、それは浅慮というもの。イグ・ノーベル賞は「楽しい」だけでなく
研究者たちを「考えさせてくれる」事象に楽しく(?)与えられるものだからである。
私は、本書前書きのイギリス人記者の言「もっともイグ・ノーベル賞に相応しい」に同意する。