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我門 隆星 書評 (SY-R29328-FFFB) : 日本の国境
[書籍データ]
書籍コード: SY-R29328-FFFB
著者名:山田,吉彦
書籍名: 日本の国境
(VOL:0, DUP:0, C)
日本財団の御用聞きが御用のまま国境線について書き連ねた書。日本財団の話などはどうでもよいから、もっと海上保安庁の実像に迫って欲しい。また、国境ということは、隣国があるという意味である。本書では、外国側の視点(ロシア・旧ソ連、南北コリア、中台、フィリピン、アメリカ)が、ほとんど抜け落ちている(多少あるがきわめて不充分)。「自分勝手な主張」と批判されても無理のない筆致である。もっと外国側の(日本人にとってはとても容認しがたい)意見を残さず列挙し、残さず反駁すべきであろう。また、本書に即して述べれば、「危機」なるものは終わって、既に「手遅れ」の状態である。危機意識の喚起にしても、愛国心の鼓舞にしても、本書は中途半端である。もっとも日本の国境についてマトモに書いてあるのは、本書のような粗悪品しか見当たらないため、逆説的に、非常に憂うべき事態であるともいえよう。
ちなみに私は自衛隊廃止論者である。左翼的見地から述べるのではなく、自衛隊も海上保安庁も全部警察に統合してしまえということである。そうすれば、一般人が自衛隊員を暴行することもなくなる(暴行すれば、即、公務執行妨害である)し、本書に書いてあるような「海上保安庁と自衛隊との連絡が不行き届きで、国境侵犯した潜水艦を自衛隊が追おうとした時には、すでに領海を出た後だった」などという不手際もなくなると期待できるからである。  
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