バイク選び

〜どんなバイクに乗るか〜

ビッグスクーターのブームに後押しされてか、オートバイのAT免許が創設され女性ライダーも増えつつあると聞いています。(ちなみに、ATの大型免許は650ccまでで、それ以上の場合はMTの大型免許が必要になります)
それに伴い、女性を意識したバイクグッズ、アイテムも種類が増えてきており、女性ライダーには嬉しい限りです。

オートバイの免許をとる目的は様々でしょうが、やはり免許を取った後は「バイクに乗る」ということが前提になる方がほとんどだと思います。もちろん、車もそうであることがほとんどだとは思いますが、車の場合はバイクと違い
「就職のために必要だから免許を取る」
ということが取得動機の場合があります。
しかし、バイクの免許取得動機には、そういった理由は基本的にないことだと思います。

乗りたいバイクがはっきりと決まっていて免許を取られる方もおられますが、
漠然と…例えばジャンルの好みだけを持って教習をされている方もおられる思います。

また、女性で、さらに体格的にハンデがあると感じている場合などは、
自分が思い描いているバイクに本当に乗れるのだろうか?
という心配がついて回ることも多々あると思います。

そんなとき、周りにアドバイスを求めると・・・

○体格に合ったもの、小柄なら排気量が小さい、車体が軽いものがいい
○乗りたいバイクに乗るべきだ

という両方の意見に出会うと思います。ますます迷いますね。

結論から言います。

ご自分が乗りたいと思うバイクに乗ってください!

ちなみに、上の二通りのアドバイスは、
どちらも正しいと思います。
オートバイは、基本的に倒れる恐れのある乗り物です。
あまりにも体に合っていない場合は、確かに危険です。

ネイキッドなどでは、ないとは思いますが、アメリカンの場合、ブレーキの踏みこみができるかどうかは重要です。(小柄な女性の場合、足つきは問題なくても、ブレーキペダルが前過ぎて、ペダルに足が届かない場合があります。)

また、バイクに慣れ親しんでいる方はともかく、そうでない、まして小柄な女性にとって、
最初400ccのバイクの重さはかなり負担に感じるはずです。
ですので、いきなりリッターバイクというのも危険かと思います。

さらに、足つきで、片足の「指の先」しかつかないような場合(お尻をずらさないと足が全くつかない)ちょっとしたこと(止まった場所の足もとが砂などで滑りやすかった、何かが落ちていたということはもちろん、疲れなど)で転ぶ危険(立ちごけの危険)があり、運転以外の部分での負担が増えます。
シート高を下げられる限界数値を考えても、片足の足の指先しか付けられない場合は、ちょっと避けたほうがいいかもしれません。

もちろん世の中には、お尻をずらすなどして車高の高い、車重の重いバイクを颯爽と乗りこなしておられる方もたくさんいらっしゃいます。ですから、慣れてくればそういうバイクを視野にいれることは可能だと思います。ですが、バイクデビューの際に、いきなりこういった技を駆使しなければならないバイクに乗るのは、慣れないうちは恐怖心を増してしまう恐れもありますので、避けたほうがいいと個人的には感じます。

しかし、矛盾するようですが、だからといって、

体格最優先で自分の好みでないバイクを買うのはお勧めできません。

せっかく一生懸命免許を取ったのに、憧れのバイクに乗れないのではバイクライフが楽しくなくなり、
結果乗らなくなってしまっては意味がありません。

別の項でも触れましたが、ある程度は
バイクを自分の体格にあわせることができます
サスを交換する、シートを交換する、あんこ抜き(自分でやってみてもいいですし、奇麗にあんこ抜き加工をしてくれるショップさんもあります)するなどで車高をいくらか下げられます。これによって足つきもよくなり、安心感が増します。
ちなみに、男性のように、両足べったりつく必要はありません。足も、指先ではなくて、つま先がつけば大丈夫です。(ちなみに私はアメリカンで50mmダウンのサスにしていますが、両足べったりはつきません)

また、ノーマルが一番合理的に出来ていると言われているとはいえ、運転や取り回しで、もし違和感があれば、ハンドルを交換することで、自分が動かしやすくなることもありますので、選択肢の一つとして頭の片隅に置いておかれるのもいいかなと思います。どういったタイプのハンドルにするかは、ご自分のバイクに乗りながらゆっくり選んでくださいね。(私がワイドハンドルにしているのは、スタイルというよりは、運転のしやすさからです)





私自身を例に取ってみると、小柄な私の体格からすれば250ccが妥当だということで、
エストレアやボルティを勧めた人がいました。私も当初、

いくらアメリカンで足つきがネイキッドバイクより良いとはいえ、
自分の体格(と運動神経)ではやはり400は無理なんじゃないか??

と迷っていました。
というのも、教習車では、足が全くつかず、それこそお尻をずらしてという感じ。
まさしく「ギリギリ」でしたし、さらには教習中に感じていたあの400ccバイクの「重さ」
とても公道で扱う自信がありませんでした。

そういったこともあり、試しに250ccをと、自分のバイクを持つ前、
知人のエストレアに乗ったこともあります。
周りからは
「結構似合うよ。決めたら?」
と言われましたが、私はやっぱりアメリカンに、STEEDに乗りたかったのです。
そして、そのために免許を取ったのです。

アメリカンの250ccということも考えましたが、好みのものはありませんでしたし、
STEEDへの未練が断ち切れません。結局

じゃあ乗りたいバイクに乗るべきだよ。買ってから練習すればいい

という後押しもあり、やはり免許をとる時に乗りたいと思ったSTEEDに乗ることにしました。

ただ、コツをつかむのが遅い自覚のある私は、最初怖いので(いきなりの公道は危険だと思ったので)車体の受取りにはバイクに乗れる友人(STEEDオーナーでした)と一緒行き、後ろに乗せてもらって帰りました。そしてその足で車通りのほとんどないところへ行き、早速練習した記憶があります。

ネイキッドで教習していたので、足を前に出す形で乗るアメリカンは、それだけで動かすのが怖かったです。どうしても足が前に出せず、正直

やっぱり乗れない!!!(T◇T)

という思いがよぎったほど。

でも、せっかく免許をとって、大好きなバイクに跨るところまできて、ここで諦めるなんて悔しすぎます。
こういう時はいい意味で思い切りが必要ですね(^_^;)

ただ、この感覚にはかなり個人差があるようで、何の恐怖感、違和感もなく、すんなりアメリカンのポジションに慣れて、乗りこなせる人も多いので一概にはいえませんが(単に私がドンくさいだけかも(^_^;))
もし万が一怖いと感じた場合でも、

そりゃ、教習車とポジションが違うんだから当たり前だ

くらいに思って、気楽に練習してくださいね☆すぐに乗れるようになります。

初めて自分の運転で、憧れだったバイクが動いた時の感動は今でも忘れられません。
全身鳥肌がたつほどでした。


一人でも多くの方に、憧れのバイクが自分のパートナーになる瞬間の感動を
味わっていただきたいと心から願っています☆