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やっぱり木管楽器

2003/10/24

 私が木管楽器奏者だから言うわけですが、 なんというか「聴くんなら木管合奏の曲」だと思います。 って、弦合奏、木管合奏、金管合奏の3つを比較して、ってことですけどね。

 まあ、単純に私の好みであるだけなんですけど、 そんな結論だとすぐに文章が終わってしまうのでムリヤリ理由をつけてみます。

その1:適度に短い

 そんなわけで、とくにクラシックなんかあまり聴かないような初心者の方(?)にもおすすめ。 だいたい、弦・木管・金管での典型的なな合奏形態というと、

みたいになるわけですが、 これらの1曲の演奏時間は基本的には弦楽四重奏が圧倒的に長い。 もう、なんというか、弦楽四重奏ってのは交響曲1つ分くらいの長さはあるんですよ。

 それだけ演奏するわけだからたいした物といえばたいした物なんですけど、 聴いているのもけっこう疲れるのです。 BGM としてなんとなく流している分にはいいけど、 「聴こう!」と思って聴くなら木管合奏か金管合奏の方が楽だというわけです。

 あと、なんとなくだけど、弦合奏に比べ、 木管・金管合奏の方が短い分内容がよくつまっている曲が多い気がするってのも理由のひとつです (それは単に好みの問題だと言われれば否定はしない)。

 と、まず弦合奏を振り落とし、 その中で、さらに木管合奏の方をおすすめするわけなんですが、それは…

その2:音色が色々あって楽しい

 この部分こそ木管合奏が楽しいっていうことの本質であると思うんですけど、 弦楽四重奏の3種類の楽器、金管五重奏の4種類の楽器っていうのはそれぞれ音色がとても似ているんですよ。 だから、各楽器の役割というのが、主に音の高さの守備範囲の違いでしかないんです (もちろんそれがいい場合もあるけど)。

 まあ、こんなこと言うと、弦楽器の人はともかく、金管楽器の人は怒るかもしれませんけどね。 弦楽器は楽器の形もそれぞれほとんど同じ相似形で、弦の太さとかによって若干音色が変わる程度ですが、 金管楽器の方は共通してるのは発音方法だけで、あとは管の形状で全然違う音になってきますから。

 でも、金管合奏の各楽器の音色の違いなんて、 木管合奏に比べたらないも同然ってほど木管合奏はいろんな音が出てきます。 そりゃもう当り前。 なにしろ、発音方法から、楽器の形状、管の材質までそれぞれ全然違う物同士で合奏するんですから (オーボエとファゴットはリードの基本原理が一緒、 オーボエとクラリネットは同じ材質のものも多いってくらいですかね?)。

 だいたい木管合奏っていいながら、フルートは金属でできていたり、 ホルンが普通にメンバーにいたりと反則に近い技が多い。

 そんな異色な組み合わせだけ合奏をやるわけですから、 演奏する側としては音色がうまくまとまんなくて大変なわけなんですけど、 うまく音色を融合させた演奏を聴くと本当にすごい。すばらしい。 同じ旋律を複数の楽器で演奏すると全然違う楽器の音みたいに聴こえたりしますし、 同じ旋律をそれぞれの楽器で繰り返すだけで、 それぞれの楽器の特徴が出てきたりもして、非常にバリエーションが豊かで楽しい、とそんな感じです。

まとめ

 ようするに全然たいした話じゃないんですけど、 世の中、室内楽曲といえば弦楽四重奏がメインじゃないですか。 でも、木管楽器の演奏も楽しいからちょっとは聴いてみると楽しいかもよ、っていうことです。

 木管六重奏(オーボエ×2+ホルン×2+ファゴット×2)とか、 木管八重奏(オーボエ×2+クラリネット×2+ホルン×2+ファゴット×2)とか、 フルート+クラリネット+ファゴットの三重奏とか、 組み合わせによって全然違う合奏形態であるかのように聴こえるのも魅力のひとつです。

 なんか文が全然まとまってない気もしますが、この話はこの辺で。


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