4月に入って新学習要領での指導が始まってるんですよね。
この前(って言ってももう1ヶ月ほど前か?) テレビで一時期騒がれていた 「π=3」の問題についてまた取り上げられているのを見ました。 まあ要するに「そんな教育では学力低下が(云々)」って話だったんですね。
で、そんな話がらみで調べ物をしたわけなんですけど…
結論から言うと、 「『π=3』として教えるというのはデマ」と言わなければならないでしょう。
詳しくは文部省の学習指導要領( 旧 ・ 新 ) を見ていただければわかると思うんですけど、 5年生の算数で、ここに記されている内容は、
というものです。 ただし、これは新学習指導要領にも旧学習指導要領にも記されています。 つまり円周率については何も変わっていないってわけです。
そこで問題となるのは 「何が変わったのか」と「どうしてそんなデマが生まれたのか」ってことですね。
新学習指導要領では以下のような記述が加えられています。
これだけを見ると、「円周率=3.1」となりそうですが、 上記の部分で「3を用いて」と書かれているので、 誰かがあまりよく読まずに 「円周率が3.14って今度から使わないらしいぞ」 ⇒「円周率は3を使うらしいぞ」 って早とちりしちゃったんじゃないでしょうか?
これはよく読めば大変な勘違いだということがわかるはずで、 本当は学習指導要領では、 「5年生では小数は1/10の位までしか使わないようにするけど、 円周率については3.14まで使って計算してもらうよ。 でも、用途によっては3を使ってもいいよ」 と書いてあるのです。 そして「用途によって3を使ってもいい」というのは昔から何も変わっていないんです。
どうやら世間一般で思われているのと 新学習指導要領って結構違うんじゃないんでしょうか。 教科書の方はどうなっているんでしょうね。
っていうか教師の方々ってどうなってるんでしょうかね。 「なに馬鹿なこと言ってんだ?」と思ってくれていれば問題ないんですけど、 「円周率は今度から3でいいのか。教えるの楽だな」 とマスコミの言うことをそのまま鵜呑みにされてる方っていないんでしょうか?
ま、それはおいといて、 学習に重点を置きすぎてゆとりがない。 ゆとりを目指せば学力低下。 ってのは、いわゆる当たり前すぎるトレードオフの関係ですね。 いまさらそんなことでピーピー騒ぐなよって感じがします (どっちかあきらめりゃいいんだって)。
とりあえず「ゆとりを求めた結果、塾通い」なんて馬鹿な状態にはしないで欲しいと思います。 それは単に大人の自己満足だと思います。