短歌

神代より 永久に変わらぬ 古里の
      稲佐の海の 夏の夕陽は さるすべり 夏の光に輝きて
    吾が子の庭に 赤く咲きにけり 遠山の 東の空は茜さし
    蜻蛉のごとく アンテナの立つ みどり濃き 公園の森の照明塔
     青く光りを 朝に残せし ふるさとの 便りを見れば年老いし
     人の去りゆく記事多かりし 茜雲 川面にうつり 遠山の
     霧うすれつつ 朝は來向う 落ち葉せる 山ふところは深くして 
     ものみな晴し 椎の実の落つ この山に かたくりすみれの群れあれど 
      遠の山路 歩くすべなし