ピルの働き

卵巣は、女性の生理周期をつかさどる二つのホルモンを生産します。エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)です。ほとんどのピルは、化学的に合成されたエストロゲンとプロゲステロンを含みます。これらのホルモンは卵巣から排卵するのを抑えます。卵子が出てこなければ妊娠しないのです。周期の最後には生理が起こりますが、多くの場合、期間も短く軽くそして順調になります。

 避妊薬は、非常に効果があります。きちんと使えば、妊娠の確率は1年間で1%以下です。しかし、実際には3%くらいの妊娠率があります。これはのみ忘れや、下痢などでうまく吸収されなかったことによって起こると考えられます。

 ピルを飲んでいる女性のほとんどが、ホルモンの合剤をのんでいます。このタイプのピルにはエストロゲンとプロゲステロンの両方が入っています。いろいろな会社から様々な量のホルモンを含んだピルが発売されています。もし、副作用が強ければ、医師に相談してみて下さい。

ピルの利点

ピルは多くの女性に親しまれ、効果の高い避妊法の一つです。その、利点をあげると

1・      簡単に使える

2・      便利である

3      性交の前に避妊の為の準備をする必要がない

4・      すぐに止められる。ピルをのむのをやめれば妊娠することができる

5      いくつかの種類の癌を予防できる

さらに、生理を順調にしてくれる上に、軽く短期間に保つことができます。これによって、貧血の傾向を減らすこともできます。ピルを使っている女性の多くは、生理痛が軽くなるとも言われています。

現在のピルは、初期のピルに比べてホルモンの量が格段に少なくなっています。したがって、古いピル(中容量ピル)より安全に使うことができます。ほとんどの場合、ピルの効果は危険性を上回ります。たとえば、ピルは乳腺の疾患(ガン以外の)を減らすといわれていますし、卵巣や子宮内膜の癌を減らすといわれています。また、子宮外妊娠の危険性を減らすとも言われています。

ピルを処方してもらうには

ピルが貴女にとって良い避妊法なのかどうかを診る為に、病院ではお話を聞いたり診察をしたりします。質問されるのは、次のような項目です。

1・      年齢

2・      喫煙歴

3・      今までかかった病気について

4・      別の薬をのんでいるか

この機会を利用して、その他の病気についても診察しておいてもらうと良いでしょう。内診などの診察をうけるのといっしょに、年齢や健康状態に応じた検査を受けます。健康で喫煙をしない女性のほとんどはピルを使用することができます。以下のような理由のある方はピルが使用できません。

1・      乳癌

2・      35歳以上で喫煙する方

3・      深部静脈血栓症の既往

4・      心筋梗塞の既往や心血管障害のある方

5・      肝機能障害

6・      不正出血のある方

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