危険性
中には、IUDを使用して数週間、不正出血や下腹痛がある方もいらっしゃいます。しかし、普通は、1〜2ヶ月で症状は軽くなります。
IUDで重症な合併症が起こる事はまれです。しかし、中には問題が起こる方もいらっしゃいます。このような問題は、挿入している最中もしくは直後に起こるのが普通です。
滑脱:IUDが子宮の中から膣の中へ飛び出してきてしまう状態です。こうなると、まったく効果はありません。
穿孔:IUDが子宮の壁を突き破ってしまう事です。このような事は非常にまれで(非常に柔らかいプラスチックでできているので)1000回の挿入のうち2回(0.2%)程度の確立といわれています。
妊娠:まれですが、IUDを使っていても妊娠してしまう方がいらっしゃいます。IUDが、まだ、子宮の中にあるようなら、母児ともに危険性があります。流産、感染、子宮外妊娠などが考えられます。
感染:挿入のあと、子宮や卵管に感染がおこることがあります。感染の後に癒着がのこると、妊娠しにくくなる可能性があります。
IUDに問題が起こった場合に、症状が起こります。この症状に注意して、もし、症状があれば、必ず主治医に連絡してください。
l ひどい下腹痛
l 性交時の痛み
l 不正出血、性交後の出血、一ヶ月以上続く出血
l 生理が無くなった、もしくは、妊娠の兆候がある
l いつもと違うおりもの
l 膣内のナイロン糸の長さや位置の変化
さらに、IUDは妊娠を防ぐ事はできますが、性感染症を予防する事はできません。性感染症の危険がある場合には、コンドームの使用が必要です。
最後に
IUDは多くの女性にとって、安全かつ効果的ですぐにやめる事のできる避妊法です。IUDを使用する利点とリスクを十分に検討し、病歴や性生活をきちんと知る事で、貴女がIUDを使う事がベストなのかどうかを判断する事ができます。
IUDを使う際には、副作用の症状に注意して、異常があればすぐに主治医にご相談ください。早めの処置によって、長期間使用の副作用を防ぐ事ができます。
(レディースクリニック 市ヶ尾)